ここでは東大数理の修士課程の院試の2009B10の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。
(Ω,B,μ)を測度空間とする。Ωのルベーグ可積分関数列{fn}は殆ど至る所でルベーグ可積分関数fに収束し、さらに∥fn∥1→n→∞∥f∥1であるとする。このとき等式limn→∞∥f−fn∥1=0を示せ。
まずファトゥの補題及びfnが殆ど至る所fに収束することからlim infn→∞∫Ω|f|+|fn|−|f−fn|dμ≥∫Ωlim infn→∞|f|+|fn|−|f−fn|dμ=2∫Ω|f|dμである。よってこれと∥fn∥1→n→∞∥f∥1を併せてlim supn→∞∥f−fn∥1dμ≤0が示せた。ここから結果が従う。
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