0

準同型定理とは「全単射を作ること」である

126
0

準同型定理の復習

いきなりですが,群の準同型定理とは次の主張のことです.

群準同型定理

G,Hを群とし,φ:GHを群準同型とする.
このとき,G/kerφimφである.

環や加群などいろいろな構造の上で準同型定理は成立し,代数学においてとてつもなく重要な定理の1つです.
一体,これは何なんでしょうか?

全射を作ることは簡単

一般に,X,Yを集合とし,f:XYはその間の(適当な)写像としましょう.
ここから全射を作り出すことは簡単です.終域を制限した写像f:Xf(X)を用意すればただちに全射が得られます.これは像の定義から明らかですね.

単射を作ることはそこまで難しくない

では,このfから単射を作るにはどうすればよいでしょうか.
これも実はそんなに難しくなく,X
xy:f(x)=f(y)
で同値関係を入れ,ここから写像f~:X/Yを誘導すればよいです.

つまり,全単射を作るのは難しくない

以上をまとめると,写像f:XYから全単射を作るには,終域の制限f:Xf(X)を作り,適当な同値関係を用意して写像f~:X/f(X)を作ればよいです.

これって……

ここまでは一般の集合X,Yで話をしていましたが,改めて群G,Hとその間の準同型写像φ:GHを考えましょう.
一般の集合の場合と同様に,終域の制限φ:Gimφは全射となります.
さらに,G
gh:φ(g)=φ(h)
で同値関係を入れましょう.ここで,φが準同型であることを用いると,
φ(g)=φ(h)φ(gh)=0ghkerφ
が分かります.よってGで割るということはGkerφで割ることと同じです.これで写像φ~:G/kerφimφを誘導すれば,これは全単射となります.
あとはこの写像が群の演算を保つことを証明すれば,準同型定理が得られます.

まとめ

準同型定理は全単射を作っているだけ,怖くないよ!

投稿日:2024421
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。
バッチを贈って投稿者を応援しよう

バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。

投稿者

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中
  1. 準同型定理の復習
  2. 全射を作ることは簡単
  3. 単射を作ることはそこまで難しくない
  4. つまり,全単射を作るのは難しくない
  5. これって……
  6. まとめ