導入
こんにちは.
今回は院試で頻出の, 「指数の(正規)部分群の個数を求めよ」という問題に対し, 少し有用な手法を紹介しようと思います.
結果
群の指数の正規部分群をとします. このようなの個数を求めます. (がAbelでない場合は, 正規部分群ではないものも含めるとなると残念ながら以下の手法は使えません...)
は位数の群なので, とおくとは射となるのでがわかります.
また容易に分かるように(従って)なので, 剰余による部分群の対応定理より, 上ようなの個数は, の正規部分群の個数に等しくなります.
応用
はAbel群なので, の指数の部分群の個数を考えれば良い.
よりなので, の位数の部分群を求めればよい.
これは線型空間と見ればの次元の部分空間の個数を求めればよいので, 基底の選び方が通り(:の以外の元)で, 重複はつずつ(違う基底で同じ部分空間ができる場合)なことから, つとわかる.
よりの指数の部分群の個数を求めれば良く, これは問題1と同じでつである.
一般に指数の部分群は正規部分群である(
龍孫江さんの動画
などを参照)ので, 今回の手法が使える. などに注意してがどうなるか考える.
・が奇数のとき
となるのでである. これの指数の部分群は単位群の個のみである.
・が偶数のとき
となるのでである. (位数がであること, の像の位数がであることからわかる.)これの指数つまり位数の正規部分群は個である.
おわりに
がAbelな場合に限ると,
こちら
にあるように, 位数のAbel群の同型類に渡ってを足し合わせるという手法もあるようです. が大きい素数などの時にはこちらの方が楽かもしれません.
それでは, 読んでくださった方, ありがとうございました.