ここでは東大数理の修士課程の院試の2016B03の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。
2016B03
関数体の部分体
を考え、の上のGalois閉包をとする。
(1) 拡大次数を求めなさい。
(2) は位数の元を持つことを示しなさい。
(3) の次部分拡大を全て求めなさい。
- まずである。ここでとおく。上の多項式
を考えたとき、の元は変換及び複素共役で不変な多項式からなる集合であるから、はの既約多項式である。よってである。ここではの上の最小分解体であるから、特にである。よってである。 - の元のうち、
で定義されるは位数の元である。 - まずの群構造上記で定めた及び複素共役
で定められた元を用いて、は表示
を持つことがわかる。よっての群構造はで定義される群準同型から誘導される半直積
である(つまり位数の二面体群)。この位数の部分群を考えれば良い。まずに対してこの群の積は
で定まっているから、に対して
である。よって位数の元はのつ、位数の元はのみである。
まず位数の巡回群はに含まれるつのみ。これによって生成される部分体は及びで定義される同型で固定される部分体であり、これはである。
次にとが可換になることはと同値であり、はの中心に含まれる。よって位数の元全体から可換な二つ組を選ぶ方法は通りあり、一つの巡回的でない位数の群は通りの生成元の取り方ができるから、巡回的でない位数の部分群はつあり、これは
のつのうちのいずれかつと
からできる群である。それぞれに対応した部分体はである。以上のつがの次の部分体である。