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代数学の基本定理の簡単な証明

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注意

この記事が誤りだという人がコメントにいらっしゃいますが、コメントを読めばどちらが正しいか分かるでしょう。

最後の補足

n次方程式のグラフ上の全ての点は、重ならない。
全ての点がxとyの2つの値を持つ。
つまり、全ての点の座標が、X,Yという2つの無限集合から1つずつ値を選んで作った順序対(x,y)である。
もっと簡単に言うと、グラフの線を伸ばして数直線にぴったり貼り付けると、小さい値から大きい値へ一直線に進む線になる。この線は、1次元の線として全単射である。
よって、x軸方向に平行移動させる操作と、y軸方向に平行移動させる操作は、どちらも可能である。
y軸方向に自由に動かせば、必ず解を持つ。
aを解とした時、
$x-a$で方程式を割り、解で因数分解し、またy軸方向に平行移動させることを繰り返せば、どんな式もn個の解を持つことが判る。

最終的な結論

n次方程式の係数はn個の解の連立方程式なので、必ず因数分解できるし、n次方程式は解をn個持つ。終わり。

解がない場合があるのでは?

$-(\alpha+\beta+\dotsb)=a,$
$\alpha\beta+\alpha\gamma+\dotsb=b,$
$\vdots$
このような、解と係数のなす連立方程式は必ず解ける。
なぜなら、$\alpha$$\beta$等の変数で置いた式が、何変数でも必ず解けるからだ。
数学的帰納法を用いて、コンピューターに解かせれば容易に分かる。しかもその必要もなく、因数分解した形で解を記号で置いた式を展開すれば、解を記号で置いたn次方程式が得られる。
今因数分解しなければならない式は、具体的に解に値を代入した式なので、必ず解がある。
自明なことだったのだ。

もっと厳密に!

解けるように式を置くと解ける、ということだと、代数学の基本定理から導いた結論を用いることになる。
ではどうするか。無限個の計算をする。

まず、x軸を縮めたり伸ばしたりする。有限個の解の計算の近傍を取る。
それから、解のなす式の法則に着目する。
解を消去することができる。
2変数にすると、解aに対してbが定まる。
3変数の式を作りaとbからcを導出する。
このように、解のなす式は、1つの解に対して1つずつ解が定まっていく法則がある。
解が1つ増えても、導く過程が一段階多くなるだけである。
このような式が何変数でも必ず解を持つことは、数学的帰納法によって示せる。
また、増えた解以外を定数として置くのでも解けそうだ。
解の個数によらず、同じ変数に2つの値が等号で結ばれないことさえ言えばいいので、そんなに難しい話ではない。
結局、解の個数は、解けるかどうかに影響を及ぼさない、という凄い事実が導き出される。
よって代数学の基本定理は正しい。
Q. E. D.

ちょっと待った!

全ての1次方程式は1つの解を持つ。
n次方程式の$ax^{n-1}$という項の係数aは、解の和だ。n-1次方程式の全ての解の組$b_1, b_2, \cdots b_{n-1}$のパターンに対して、新たな解$b_n$は必ず存在する値で、解が2つの値を持って方程式が解けなくなってしまうことは絶対にない。
もう自明なのか非自明なのかよく分からないが、特殊な式なのだから特殊性を活かせばちゃんと解ける筈だと思う。
これは自信がある。
Q. E. D.

追記

話を進めて行った結果、
私のこの記事の内容を何も理解していない
ことが明らかとなった。
一応言っておくと、
実数解をn個持つ方程式A、またそれ以外の全ての方程式を、ある方程式Bから作ることができる。
この場合、AからBを作るというのと、BからAを作るというのは、方程式としてAとBが一種の同値関係であるということで、区別する必要がない。

モニックな方程式かどうかはあまり関係ないので、モニックな場合を考える。
まず、Bを因数分解してB'を作る。代数学の基本定理を知らない人でも、遺伝的アルゴリズムか、デタラメに代入するやる気のないアルゴリズムかで、解をn個見付けられる。まず実数解を見付け、虚数解は実部と虚部の両方に値を(適当か、何かのアルゴリズムで)代入し見付ける。
どうしても見付からないなら、グラフを書けば、重解を持つのか、虚数解を持つのか、一目瞭然だ。
とにかく何らかの長さの有限時間で解けばいいなら、グラハム数分の1刻みの値を順番に代入し、グラハム数まで調べることができる。
巨大数より多い自然数は存在し、自然数は、上限を定めずに無限にいくらでも近付けられる。
いくらでも調べられる。
しかし、グラハム数等の十分大きな区間をひたすら二等分、またはn等分する方が効率はよい。
ここが件の問題児には理解してもらえないのだが、代数学の基本定理により、解がn個あるということを知っているか、知らないかは、解けるかどうかとは関係がない。だから、
代数学の基本定理を証明するのに、代数学の基本定理を用いたら循環論法じゃないか!
という批判は、当たらない。誤りである。
解がn個ある事実を知っていて解く、知らないで解く、両方可能で、知識の有無は解を見付けることとは何の関係もないのだ。
また、件の人物は怒り心頭に(ほっ)すかもしれないが、
代数学の基本定理により、
「n次方程式の解はn個存在する」
と我々が知っていても、我々とは別の方法で代数学の基本定理が証明されている以上、おかしなことは何もないし、我々が代数学の基本定理による情報を知っていることは、この証明の妨げにならない。
また、この情報を証明に活用してよい。

件の人物は未来永劫理解できないと思われるが仕方あるまい。

しかし、
1つの方程式で解がn個あるからと言って、全ての式に解がn個あるとは限らない。だから、
Bの係数をどのように変化させても、同じように解があることを示さなければならない。
大丈夫。
まず、モニックな場合、因数分解した形のB'の式を変形するには、どれかの解の値を変化させるしかない。つまり、式に対してのどのような変形も、解を変える操作であることが分かる。
では、Bの任意の項の係数を自由に変えた時にCという方程式ができたとして、B'の解を変えるだけでCになるかが問題である。
これは簡単な話。
どのようなCに変えても、遺伝的アルゴリズムで解の近似値が見付かる。

もっとはっきり言うと、
Cの式とB'の解を合わせて考えると、ただの連立方程式になる。
しかし、こんなものを真面目に解くのは馬鹿馬鹿しい。遺伝的アルゴリズムで解けばよい。

これは、式があれば、解けるということで、
「解を探す」
という問題を、
「存在すると想定されている解が正しいか確かめる」
という問題に帰着している。
式があるのだから、頑張って解けばいいということだ。
これも、n次元の線形空間で、上手い解が見付かるまで、何でもいいから解を探すだけでよい。
その為には、式同士で2つの変数の値を鶴亀算のように足し引きしながら、上手く均衡点を探すアルゴリズム、つまり遺伝的アルゴリズムが最適なアルゴリズムであると言える。
式があれば絶対解ける、ということだ。先程と同様の論法で、1つの方程式を解くのに多項式時間、それ以上の長い時間、一億年だろうが1グラハム数時間掛かろうが、有限時間なら全ての式を同時に解き始めれば、有限時間で解ける。式が無限個あるので、同時に解かないと有限時間で終わらないことに注意してほしい。
また、解が$\sqrt {2}$、見付けた近似解が$\sqrt {2}$にかなり近い値、となって、$\sqrt{2}$に一致しているか分からず、近似解にしかならないのはよいのかというと、何の問題もない。
近似解の近傍、しかもある一定の大きさを持った近傍(しかし、いくらでも近付けることができる)に必ず解があるからだ。

全ての式が解けるということが分かったので、Cの式が無限個あっても問題にならない。
よって解けた。
Q. E. D.

代数学の基本定理の簡単な証明

n個の解を持つn次方程式の式
$(x-\alpha)(x-\beta)\dotsm$
の、任意の2つの解(ここでは$\alpha$$\beta$)を近付けていって一致させると重解になる。
方程式が重解を持つ場合は、少なくとも重解を持たない場合より特殊な場合なので、この操作で一般性は失われない。実際にはどちらも一般的な場合である。
x軸との交点を上にずらし、x軸とグラフが交わらなくすると、複素数解ができる。これも一般性に関しては同様である。
式が存在し、解がn個ある。従って、n個より多くの解がn次方程式に存在する可能性は否定できていないが、n次方程式は少なくともn個の解を持つことは、式から示せた。この証明では、式を展開する必要はない。
しかも、虚数解は必ず偶数個存在する。
Q. E. D.

グラフの変形

ある実数解がn個あるn次方程式とそのグラフAを用意します。それを今、解がいくつあるか分からないグラフBと一致させます。
まず、我々の知らない方法で因数分解したBのグラフの解を動かし、Aと一致させます。代数学の基本定理より、Bはn個の重解を含む解を持ちます。よって必ず因数分解できます。
そうしたら、因数分解していない式の係数を、因数分解したグラフを動かした時に変化したのと同じように変化させます。
この際に、座標平面が2次元多様体であるので、動かす点全てが連続関数をなします。
一致しました。よって、やはり自明です。

たまねぎくんの更なる解説

まず、n個の重解を含まない解があると分かっている方程式、しかも都合がいいように、虚数解も含まない方程式を用意します。
人間でもソフトでも、解をn個未満しか見つけていない間、有限の時間、式にxを代入し、0になる値を探すことで、n個の解を見付けることができます。
しかも、代数学の基本定理より、n個の解が見付かった時点で、解を見付ける計算を止めることができます。重解がある方程式を選んでしまった場合は、解を動かします。また、計算に都合がよいように、解を変えて式を変形することが可能です。
これにより、「解がn個あると証明しなければならない方程式A」に、何となく近付けて、手間を省くことができます。というより、ここで方程式Aに一致させれば、証明は終了します。しかし、一致させられることの証明が必要になり、少し面倒です。よって、手間を省く為に解がn個あることを示さなくてはならない方程式Bを変形して、Aに一致させます。これは、式を変えてしまうということです。
そうしたら、代数学の基本定理を使います。解がn個あることを示さなくてはならない方程式Bが、解がn個あると分かっている方程式Bであることを用い、n個のモニックな1次式の積に、係数を掛けたもの、モニックなら何も掛けないものに式変形します。代数学の基本定理を用いれば、この式変形が可能であることは明らかです。出来上がった式を、B'とします。
そして、係数とB'の解を連続的に変化させ、Aに一致させます。
そうしたら、無限個ある途中で出来た式全てが、展開できるということを、示さなければならない……というのは考えすぎですが、展開した形の式の各係数を、B'をAに一致させた時と同じように変化させれば、BがAに一致することが分かります。
グラフ、式の両方は無限個の点の無限集合で、線がどれだけ長く、或いは短くなっても点の個数は変わらない上、全ての点が連続関数をなしているので、グラフ全体も、個々の点も2次元多様体をなしています。
無限には色々あるという流儀も一般的な流儀でよく採用される考え方ですが、よほどひねくれた人じゃなければ実数同士の対応で濃度が異なるとは考えないでしょう。濃度が問題になるのは、わざと加算無限個に点を数えた場合です。それでも、全てのグラフが加算無限個の点の無限集合になりそうです。
じゃあどっちかだけしかあり得ないのか、点の数え方によって変わるのか。これは分かりません。
座標平面は2次元だから、1次元多様体じゃないか、というとそれは違います。
n次式を無限次式にしたら、トポロジーになると思います。
とにかく、座標平面は多様体をなします。

更なる言い換え

因数分解したB'の解を連続的に動かし、係数も連続的に変化させてAと一致する時、途中で経由した無限個のグラフ(式)の、展開した形の全ての係数を記録し、それをBから変化させるグラフ(式)に反映させます。
すると、スムーズにAが作れます。複素関数における正則に近い、近付き方によらないAの無限通りの作り方があります。ただ、記録した通りに係数を動かし、Aへの異なる近付き方は選びません。結局、BとB'は等しいということです。
勿論、Aから逆の操作をすると、BとB'ができることからも、BとB'が等しいことが言えます。
AはBまたはB'と異なるように取る必要もありません。初めから、BとB'は等しかった、いや等しいのです。
数学的に考えずにいい加減に考えると非自明に思えることが、数学的に厳密に考えると自明だと分かるというのが面白い所です。


こうぼくん「なるほど」
かわぐちさん「面白いね」
たまねぎくん「n次式以外に応用できないかな」
かわぐちさん「できそうだね(今後の課題だね)」

普通の証明

微分する回数によって解の数が変化する。
まずn-1回微分する。
解が1個なので、n-2回微分するとどうなるか確かめる。
これを繰り返す。
解の個数は、グラフが上に行ったり下に行ったり、上下の進む方向(上に進むか、下に進むか)の変化の回数+1ある。
微分すれば如実に解の個数が分かる。
n-1次導関数、n-2次導関数、……
1次導関数、順番に解が一つずつ増えていくことを確認する。
これも私オリジナルの証明。
どうしても微分を利用したい人向け。
Q. E. D.

追記

n個と書くべき所を、n-1個と書いていた。訂正する。

投稿日:2023523
更新日:202463
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のんびりしようね。

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