んちゃ!
この記事は前回の続きなのだ。
今回はとにかく皆に早く今までの記事の内容が使えるものだって知って欲しいから急ピッチで$2$次変換公式を構成してみたのだ。
N次変換公式はRiemannスキームから自然に導出されるのだ3で一般化する予定だゾ☆。
$E$表示で次の様なRiemannスキームから構成される2階のFuchs型(超幾何)微分方程式があったとする。
\begin{equation}
\begin{Bmatrix}0&1&\infty\\0&0&a\\1-c&c-a-b&b\end{Bmatrix}
\end{equation}
この時、適当に二次変換$\varphi(z)=Az^{2}+Bz+C$を定める事で$S$表示での超幾何微分方程式を導出せよ。
[1]分岐指数は球面上のRiemann-Hurwitzの公式より$\sum_{P\in\mathbb{P}^{1}}(e_{P}-1)=2$
さらに次数$2$の分岐指数は$e_{P}\leq2$なので$e_{P}-1\in\{0,1\}$を得る。
[2]Belyi写像である事を前提にしているので、E表示での確定特異点$0,1,\infty$のいずれか二つで分岐点。残り一個で不分岐点(その逆像2点で構成)となる事まで分かる。
[3]Mebious変換で指数を変化させずに確定特異点のみを移動できる事を利用し、適当に$0,1,\infty$を並び替える事で$\zeta=0$が不分岐点、$\zeta=1,\infty$を分岐点であるとする。
すると以下の様に対応させることが出来る。
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
\varphi^{-1}(0)=\{0,1\}\\
\varphi^{-1}(1)=\{\alpha\}\\
\varphi^{-1}(\infty)=\infty
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
暗にS,E表示それぞれでMebious変換を行う事で、$0,1,\infty,\alpha$のみが現れる様にしている事に注意。
Mebious変換の中に3点については所要の場所に写せるものがある事に注意。
[4]不分岐な点$\zeta=0$での指数は$z=0,1$でも受け継がれその指数の集まりは$\{0,1-c\}$。
[5]問題は$z=0,1,\alpha,\infty$は4点なので、このままだと確定特異点の個数が4個になるという事。
そこで、$4$点の内$1$個は見かけ上の特異点として消える様にしたい。
今考えているのは超幾何関数の変換公式なので$S$表示で$z=\alpha$が見かけ上の特異点となる様に決める。
[6]$\zeta=1$での指数差は$\mu\coloneqq|c-a-b|$なので$z=\alpha$での指数差は$2\mu\in\mathbb{Z}_{\geq0}$。
Frobeniusの定理より指数差が非零整数であることが、対数項を伴わない見かけの特異点であるための必要条件なので、その内最小のものを選ぶと$2\mu=1$より
\begin{equation}
\mu=c-a-b=\pm\frac{1}{2}
\end{equation}
[7]$\varphi(z)=Az^{2}+Bz+C$とおくと仮定より$\varphi(0)=C=0$かつ$\varphi(1)=A+B=0$なので$B=-A$。ゆえに$\varphi(z)=Az(z-1)$
[8]
\begin{equation}
\varphi^{'}(z)=A(2z-1)=0
\end{equation}
として$\alpha=\frac{1}{2}$を得る。
[9]また
\begin{equation}
\varphi(\frac{1}{2})=-\frac{A}{4}=1
\end{equation}
なので$A=-4$を得る。
[10]結局$\varphi(z)=4z(1-z)$を得る。
[11]$S$表示での(見かけ上の特異点$z=\frac{1}{2}$を省いた)Riemannスキームは次の様に書ける。
\begin{equation}
\begin{Bmatrix}0&1&\infty\\0&0&2a\\1-c&1-c&2b\end{Bmatrix}
\end{equation}
さらにFuchsの関係式より$2a+2b+2-2c=1$が得られるので$c=a+b+\frac{1}{2}$を得る。
[12]今回得られたRiemannスキームから再現される超幾何微分方程式を$L_{s},L_{e}$とし、それぞれの解を$y_{e}(\zeta),y_{s}(z)$とする。
[13]境界条件
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
\tilde{y}_{e}(z)={}_{2}F_{1}(a,b;a+b+\frac{1}{2};4z(1-z))\\
\tilde{y}_{e}(0)={}_{2}F_{1}(a,b;a+b;0)=1\\
\tilde{y}_{e}^{'}(0)=\varphi^{'}(z){}_{2}F_{1}^{'}(a,b;a+b+\frac{1}{2};4z(1-z))|_{z=0}=4\frac{ab}{a+b+\frac{1}{2}}
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
また
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
y_{s}(z)={}_{2}F_{1}(2a,2b;a+b+\frac{1}{2};z)\\
y_{s}(0)=1\\
y^{'}_{s}(0)=4\frac{ab}{a+b+\frac{1}{2}}
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
なので境界条件から
\begin{equation}
\tilde{y}_{e}(z)=y_{s}(z)
\end{equation}
が言えたので、下記のよく知られる二次変換公式を導出できた。
\begin{equation}
{}_{2}F_{1}(a,b;a+b+\frac{1}{2};4z(1-z))={}_{2}F_{1}(2a,2b;a+b+\frac{1}{2};z)
\end{equation}
$E$表示で次の様なRiemannスキームから構成される2階のFuchs型(超幾何)微分方程式があったとする。
\begin{equation}
\begin{Bmatrix}0&1&\infty\\0&0&a\\1-c&c-a-b&b\end{Bmatrix}
\end{equation}
この時、適当に二次変換$\varphi(z)=\frac{Az^{2}+Bz+C}{Dz^{2}+Ez+F}$を定める事で$S$表示での超幾何微分方程式を導出せよ。
[1]分岐指数は球面上のRiemann-Hurwitzの公式より$\sum_{P\in\mathbb{P}^{1}}(e_{P}-1)=2$
さらに次数$2$の分岐指数は$e_{P}\leq2$なので$e_{P}-1\in\{0,1\}$を得る。
[2]Belyi写像である事を前提にしているので、E表示での確定特異点$0,1,\infty$のいずれか二つで分岐点。残り一個で不分岐点(その逆像2点で構成)となる事まで分かる。
[3]Mebious変換で指数を変化させずに確定特異点のみを移動できる事を利用し、適当に$0,1,\infty$を並び替える事で$\zeta=\infty$が不分岐点、$\zeta=0,1$を分岐点であるとする。
すると以下の様に対応させることが出来る。
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
\varphi^{-1}(0)=\{0\}\\
\varphi^{-1}(1)=\{1\}\\
\varphi^{-1}(\infty)=\{\alpha,\infty\}
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
[4]不分岐な$\zeta=\infty$での指数の集まりを$\{a,b\}$は$z=\alpha,\infty$にそのまま継承
[5]今の場合は$z=\alpha$を見かけ上の特異点にできないので$z=1$を見かけ上の特異点として採用。
[6]$\zeta=1$での指数差は$\mu\coloneqq|c-a-b|$なので$z=1$での指数差は$2\mu\in\mathbb{Z}_{\geq0}$。
Frobeniusの定理より指数差が非零整数であることが、対数項を伴わない見かけの特異点であるための必要条件なので、その内最小のものを選ぶと$2\mu=1$より
\begin{equation}
\mu=c-a-b=\pm\frac{1}{2}
\end{equation}
[6]$\varphi(z)=\frac{Az^{2}+Bz+C}{Dz^{2}+Ez+F}$であり
\begin{equation}
\varphi(0)=\frac{C}{F}=0\therefore C=0
\end{equation}
\begin{equation}
\varphi(1)=\frac{A+B}{D+E+F}=1\therefore A+B=D+E+F
\end{equation}
\begin{equation}
\varphi(\infty)=\infty\therefore D=0
\end{equation}
上記をまとめると$\varphi(z)=\frac{z(Az+B)}{Ez+F}$。
$\varphi(z)$は$z=0$で分岐指数$2$を持つので$B=0$
パラメータを取り直して
\begin{equation}
\varphi(z)=\frac{z^{2}}{Az+B}
\end{equation}
また$\varphi^{'}(z)=\frac{z(Az+2B)}{(Az+B)^{2}}$なので$\varphi(z)$が$z=1$で分岐指数$2$を持つので$\varphi^{'}(1)=0$より$A=-2B$。パラメータを改めて取り直しまとめると以下の式を得る。
\begin{equation}
\varphi(z)=A\frac{z^{2}}{2z-1}
\end{equation}
また$\varphi(\frac{1}{2})=\infty$なので$\alpha=\frac{1}{2}$。
$\varphi(1)=A=1$なので$\varphi(z)=\frac{z^{2}}{2z-1}$。
[7]上記結果を持ちると$S$表示におけるRiemannスキームは以下の様になる。
\begin{equation}
\begin{Bmatrix}0&\frac{1}{2}&1&\infty\\0&a&0&a\\2(1-c)&b&2(c-a-b)&b\end{Bmatrix}
\end{equation}
この時$c-a-b=\pm\frac{1}{2}$であり、$z=1$は見かけ上の特異点だからその指数は$0$以上の整数なので$c-a-b=\frac{1}{2}$を得る。
[8]改めてこの条件でまとめると$S$表示におけるRiemannスキームは以下の様になる。
\begin{equation}
\begin{Bmatrix}0&\frac{1}{2}&\infty\\0&a&a\\2(1-c)&b&b\end{Bmatrix}
\end{equation}
[9]まずこのRiemannスキームから一意に表せる微分方程式の解を$y_{s1}$とする。そしてMebious変換$\psi(z)=\frac{z}{2}$を考え$y_{s2}=y_{s1}(\psi(z))$とするとこの$y_{s2}$を解に持つ微分方程式のRiemannスキームは
\begin{equation}
\begin{Bmatrix}0&1&\infty\\0&a&a\\2(1-c)&b&b\end{Bmatrix}
\end{equation}
となる。
[10]さらに$y_{s3}=(z-1)^{-a}y_{s2}$を解に持つ微分方程式のRiemannスキームは次の様になる。
\begin{equation}
\begin{Bmatrix}0&1&\infty\\0&0&2a\\2(1-c)&b-a&a+b\end{Bmatrix}
\end{equation}
[11]以上を踏まえ、$S,E$表示での解を$y_{s},y_{e}$について考えると
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
(z-1)^{-a}\tilde{y}_{e}(\varphi\circ\psi(z))=(z-1)^{-a}{}_{2}F_{1}(a,b;c;\frac{z^{2}}{4(z-1)})\\
(z-1)^{-a}\tilde{y}_{e}(\varphi\circ\psi(z))|_{z=0}=(-1)^{a}\\
\{(z-1)^{-a}\tilde{y}_{e}(\varphi\circ\psi(z))\}^{'}|_{z=0}=a(-1)^{a}
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
y_{s}(z)={}_{2}F_{1}(2a,a+b;2c-1;z)\\
y_{s}(0)=1\\
y_{s}^{'}(0)=\frac{2a(a+b)}{2c-1}=a
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
[12]双方は$z=0$における値とその導関数の値が$(-1)^{a}$倍を除いて一致しているので下記の式を得る。
\begin{equation}
(1-z)^{-a}{}_{2}F_{1}(a;b;a+b+\frac{1}{2};\frac{z^{2}}{4(z-1)})={}_{2}F_{1}(2a,a+b;2(a+b);z)
\end{equation}