この記事は清水勇二著『代数の基礎』 [1] (初版1刷)に対する正誤表です.一読者である私(ことり)が作成したものですので,ミスがあるかもしれません.
l.-nとは,下からn行目であることを意味します. 「(注意)」として誤りではないが注意が必要な箇所について記述しました.
正誤表
p.10, l.10
誤:
正:
l.11も同様.
p.13, l.8
誤:
正:
p.13, l.-13
誤:
正:
l.-11も同様.
p.25, l.6
誤:例1.1.2, 4)
正:例1.1.2, 5)
p.25, l.16
「」とあるが誤り.に対しては群準同型とは限らない.したがって次の行の2つのはill-defined.
問1.1.24, 3)の「」も誤り.
p.30, l.-8
「完全代表系」と「」の間に「,」を挿入するのがいいと思います.
また,「をが定めるの...」とありますが,「をが定めるの...」とするのが正しいです.
同様に,l.-5の「はが定めるの...」も「はが定めるの...」とするのが正しいです.
p.36, l.-1
誤:
正:
p.40, l.6
誤:
正:
p.41, l.10
「」などは,コンマを挿入して「」などとする.
p.44, l.-6も同様.
p.45, l.7
誤:
正:
p.46, l.2
誤:
正:
p.50, l.8
(注意)「」とあるが,これは「はの部分群である」という意味に解釈するとよい.
p.50, l.9
誤:第1同型定理
正:第2同型定理
p.50, l.-12
軌道は,となるものをとる必要がある.次の行で「は明らかに軌道である.」とあるため.
p.50, l.-4
(注意)ここでとる(かつを満たすもの)は,これまでのとは別物であるから,混乱を避けるためになど別の記号を割り当てる方が良い.
p.54, l.12
誤:不変は
正:不変な
p.58, l.3
まず,「」を「」に変更する.
また,という等式は成立するとは限らない.「」を「」に変更した右辺をとおく.は成立するが,逆の包含は成立しない.反例は次の通り:
の場合を考える.
計算により,は可換群であることがわかる.また,なので,は可換群.よって.ところがであり,がわかる.
p.58, l.4
「」は誤りではないが,「」としても成立する.
上の項目の記号でとなるため.
p.58, l.-3
誤:
正:
p.60, l.7右辺
誤:
正:
p.63, l.11, l.13
位数の二面体群をと表記していますが,l.-10以降の表記に合わせてと表記した方がいいと思います.
p.201, l.2やp.210, l.-7,p.217などでもという表記を用いています.
p.79, l.2
「」とありますが,は正確にはの部分集合ではないので,ではなくにした方が良い.
(証明中ではそうなっている.)
p.79, l.-12
誤:
正:
(同じ行の冒頭「が...」と合わせる.)
p.80, l.2
「」の中のをに変更する.
(は可換環とは仮定されていないため.)
p.80, l.3
誤:「したは」
正:「したがっては」
p.83, l.-4
誤:「となるが」
正:「となるが」
p.85, l.-3
の定義がない.はの最高次係数とする.
(書かなくてもわかるかもしれませんが.)
p.87, l.1
(注意)「その次数はより大きい」とあるが,の場合は次数がのこともある.
したがってととで場合分けするのがより正確.
ただし前者の場合はなので,主イデアルであることはすぐわかる.
p.88, l.-12
(注意)ここでのは同じページのl.9で定義されたもの.
p.89, l.-7
誤:定理2.2.19
正:定理2.2.18
p.91, l.-13
「for ()」とありますが,の場合でもの場合はを考えることができません.
また,非整域などではととは同値ではありません.
反例:, のとき,において.
p.93, l.1
「」とありますが,両辺はの元なので,これまで通り「」という表記の方が良いように思います.
以降のの元についても同様です.
p.93, l.11
誤:
正:
p.105, l.4
誤:例2.3.8, 2)参照
正:問2.2.21, 1)参照
p.112, l.-9からl.-2
の添字を全てに変更する.
p.113, l.10
誤:
正:
(例えば,などのように,となっている.)
p.114, l.5
誤:命題2.3.14
正:問2.3.14, 3)
p.114, 問2.3.30, 1)
このままでは成立しない.反例は.
p.117, l.-11
誤:補題2.3.34
正:補題2.3.36
p.118, l.6も同様.
p.119, 定義2.3.43
の場合を準素イデアルの定義から除外するのが良いと思います.
例えばは命題2.3.45を満たしません.
p.120, l.10
誤:も単数
正:も単数
(とした方がより正確です.)
p.120, 命題2.3.50
(注意)本の証明は正しいが,次のようにしても良い:
一般に「ならば」は「でない,または」と同値であることに注意する.
準素イデアルの定義2.3.43における条件「 かつ のとき 」は,以下と同値:
に注意すると,とを入れ替えることで命題を得る.
p.122, l.-11
誤:
正:
p.123, l.-12
誤:命題2.3.44
正:命題2.3.47
p.129, l.-1
証明を成り立たせるためには,ここのはとなるように取る必要がある.
p.137, l.-12
誤:
正:
p.139, l.10
(注意)を導くためにはを仮定する必要がある.
p.140, l.4
誤:
正:
p.141, l.6
誤:
正:
p.144, l.5
誤:も昇鎖律を満たす
正:も昇鎖律を満たす
p.144, l.-6
「の昇鎖」と「」の間に「,」を挿入した方が読みやすいと思います.
p.145, l.-11
誤:系3.1.30
正:注意3.1.30
p.147, l.9
誤:
正:
(の添字をにする.l.13, 15, 16も同様.)
p.149, l.7
誤:
正:
その下のもに変更する.
(l.-7のと整合的になるようにする.)
p.149, l.-1
誤:
正:
p.150, l.11
誤:
正:
p.151, l.7
誤:
正:
p.152, l.8
(注意)「の階数は」とあるが,加群に対する階数は定義されていない(?).が主イデアル整域で加群があるに対してを満たすとき,をの階数という.
p.154, l.8
誤:
正:
p.155, l.10
誤:
正:
p.155, l.-4
(注意)「第2同型定理から」とありますが,第1同型定理によって導かれると思います.
一般に環と加群とその部分加群がありとなっているとき,はの部分加群.
を自然な射影とするとき,なので,第1同型定理1.1.46, 1)により,
が加群の同型になる.(つまり約分のようなことができる:).
のとき, , とおくと,上のことからが得られる.また,全射, と部分加群に再び第1同型定理1.1.46, 1)を適用することで,が得らる.
p.156, l.8
誤:
正:
p.156, l.-12
「素数べきの位数を持つ巡回加群」とありますが,とは限らない一般の主イデアル整域についての議論であるため,位数がというのは意味をなさないと思います.例えばの場合にはの素元ですが,「位数の巡回加群」という書き方はできないと思います.
「という形の巡回加群」とするといいと思います.
p.160
の表現行列は,転置をとったものが正しいです.p.157のの表現行列と整合的になるようにする必要があります.同伴行列も転置すると良いと思います.p.161のも転置をとったものが正しいです.
転置をとるとジョルダン細胞が下三角行列になってしまいますが,基底の順番を逆順にすれば上三角行列にすることができます.(例えば永井先生の『代数学入門』 [2] などではそうなっています.)
p.165, l.-3
誤:
正:
p.167, 問3.3.9, 2)
は可換環とするのが良いと思います.一般にが非可換環の場合,について,でも左(右)加群としての同型が成り立つことがあるため,自由加群の階数は可換環の場合と同じようには定義できないからです.系3.1.27ではの可換を仮定しています.
p.170, l.9
誤:
正:
(ここでは,p.127, l.12の2番目の式をチェックしている.)
p.171, l.4
誤:
正:
p.172, l.6
誤:
正:
(p.171, l.-6の係数制限の表記に合わせる.)
p.172, l.12
いくつか修正が必要です.
誤:
正:
は一般には定義されません.が加群にならないためです.
例えばが包含の場合,を上線型空間とみなすことはできません.
に変更すると良く,左加群としてとなります.
(これに伴って他の部分も変更する必要があります.)
誤:の右加群の構造に由来する
正:の右加群の構造に由来する
誤:
正:
誤:
正:
p.174, 問3.3.25, 4)
はwell-definedですが,が有限生成自由加群の直和因子であってもが同型になるとは限りません.
反例は次の通り:
, , .
ただしとに対してによりを加群とみなす.
このときの始域はで,終域はとなるため,同型でない.
p.176, l.12
構造定数の等式が間違っている.反例は例3.3.4の1)で.
両辺にを付けると任意のについて成立する等式になる.
p.176, l.-10
「その他の」とあるが,とはになる.
p.178, l.-10
誤:考えてと
正:考えると
p.182, l.-3
「のとき, 」とあるが,「でが単元のとき」では?
例えば()でもはこの右辺のようになるだろうか?
p.185, 例3.4.26, 2)
でが単元でない場合でも,の階数はになるだろうか?などとはならないのか?
p.185, l.-2
誤:
正:
(ここで, ()として得られる式がの式と整合的になるようにする.p.186, l.6の項目も同様.)
p.186, l.5
の右辺.添字との位置が間違っています.正しくは次の通り:
(一般には成立するとは限りません.)
p.186, l.6
誤:
正:
p.186, l.-12, l.-11
誤:
正:
(l.-10のの元として考えていると思うので,この順番が良いと思います.)
p.187, l.-12
誤:
正:
p.187, 命題3.4.31
(注意)あまり自信がないのですが,おそらくこうだと思うことを書いておきます.
まず,クリフォード代数をで次数付けられた次数代数とみなしたとき,これは一般にはp.181の意味で次数可換では「ない」です.(次数代数としての次数可換は,次数代数の次数可換と同様に定義されます.p.181, l.-2.)もし次数可換なら,に対してとなりますが,(のとき)これはを意味します.ところがは一般にはになりません.よっては一般には次数可換ではないです.
それにも関わらず,命題の同型右辺のテンソル積における積は,p.181, l.-4のように定義するのが良いと思います.命題の同型が積を保つために,このように定める必要があります.
p.187, l.-1
誤:
正:
(ここで示すべきは,すなわちなので,という形にするのが良いと思いました.左辺でではなくを使うことと,合成の順番に注意してください.)
p.188, l.12
誤:
正:
p.190, l.7
誤:
正:
l.13も同様.
p.190, 定理3.5.3の証明
(注意)細かいことですが,p.189の定理の主張に合わせてではなくを使うのが良いと思います.
p.191, l.3
(注意)の単射は,が単純環であることから両側イデアルがとなることによる,としても良いです.これは,体から出る環準同型が単射になるのと同様です.
p.192, l.-5
誤:最小元
正:極小元
(一般に左アルティン環の左イデアルからなる非空集合は包含関係に関する極小元を持ちますが,最小元を持つとは限らないです.例えばのイデアルからなる集合において,およびはそれぞれの極小元ですが,は最小元を持ちません.)
(l.-3の「最小性」も「極小性」に直す.)
p.193, l.-2
誤:最小元
正:極小元
p.194, l.2
(注意)「は既約加群であるから,『は』完全可約加群の部分加群である.」と補って読むと良い.
p.194, l.7
(注意)「」は「」などと解釈すると良いと思います.
p.194, l.12
「(は)の部分環となる」とありますが,一般には成立しません.
反例:単射環準同型は存在しない.
(この本における環準同型は単位元を保つことを要請するが,はをに移さないため環準同型ではない.)
p.195, l.1
誤:単純環への直積の単射
正:単純環の直積への単射
p.195, l.1
(注意)次のようにして,左アルティン環上の左既約加群に対しては単純環であることがわかる:
は可除環.は上の有限次元線形空間.
(有限次元なのは命題3.5.6の証明と同様にしてわかる.)
, は定理3.5.3により全射環準同型.
なので,は単純環.
p.195, l.5
「」とありますが,成立しません.
反例は次の通りです:
, とする.
は上既約であり,より,だが,これは加群としてと同型ではない.
例えば次のように修正すれば良いと思います:
(集合としての非交和)とおく.
なので,加群の単射がある.
今,とするとは上既約なので,補題3.5.19によりは有限個の既約加群の直和.
p.196, l.-12
(注意)細かいことですが,「のとき」で始まる文中では次の「どちらか片方」の処理をした方がより良いと思います.
などとなっているときはは定義されないからです:
- すべての「」を「」に変える.
- すべての「」を「」に変える.
p.196, l.-10
誤:
正:
p.196, 問3.5.26, 1)
略解に合わせて,は可除環であり上有限次元であると仮定した方が良いと思います.可除環であるという仮定は外せなくて,例えば行列環はと同型でないです.また,「可算な基底を持つ」という条件では,次元が可算無限の場合を含んでしまうと思います.
p.197, l.4
誤:
正:
p.198
(注意)この章では適宜,「は有限群」「表現は有限次元」「」を仮定すると良いと思います. これらの仮定は必ずしも明記されません.
p.199, l.-2
誤:
正:
p.209
l.-6とl.-3のが整合的でないです.
p.210, l.-6
誤:
正:
(l.-3も同様.)
p.214, 問4.2.10, 2)
指標の終域はよりもの方が適切だと思います.
p.214, l.-4
誤:
正:
l.-3も「の基底を固定しの」を「の基底を固定しの」に変更する.
p.217
の後ろのをに直す(2箇所).
が偶数のときのの後ろのをに直す.
p.218, l.4
代数の準同型を考えているが,が次元の表現の場合は, となり,で積が保たれない.代数の準同型ではなく,線形写像とする.
また,写像の終域も指標とその拡張とするのが正しい.
p.218, l.7
「」とありますが,が既約表現でない場合はこのようにはならないと思います.
命題4.2.17についても,既約表現という仮定が必要だと思います.
p.218, l.-4
誤:
正:
p.219, l.4
誤:
正:
(の添字が欠けている)
p.219, 定理4.2.21の証明中
をに直す.(3箇所.)
p.220, l.5
誤:重複度をは
正:重複度は
p.220, l.7
誤:
正:
(l.-6も同様.)
p.221, 命題4.2.25
(注意)はと解釈すると良いです.
p.225, l.4
誤:
正:
p.225, l.-6
「」のの中身をに変える.
(が欠けている.)
p.226
(注意)命題4.3.4の証明中でという表記がありますが,自体が部分ベクトル空間なので,は不要です.
p.226, 命題4.3.5, 3)の証明
(注意)はの表現とするとき,加群としての同型
があることに注意する.
逆写像は,で与えられる.
ただしはの単位元.
p.232, l.8
誤:
正:
p.242, 系5.1.17
この系の主張は数学的に間違ってはいませんが,定義5.1.13から明らかに成り立つものになっています.「が分離多項式であること」を「の全ての根は単根であること」に書き換えると良いと思います.
この本の定義では,多項式が重根を持たないことと分離多項式であることとは同値でないことに注意する必要があります.
p.248, l.14
誤:代数数
正:代数的数
p.249, l.-1
誤:
正:
p.251, l.-4
「同型」とありますが,に対してこれは同型にはなりません.
反例:.をに移す写像は明らかにの元を保ちません.
次のような議論にすれば良いと思います:
のにおける根をとする..
任意の準同型は,の根をの根に移すことが示せるので.
今,は準同型なので,.
よって特に.
p.255, l.9
誤:任意の同型
正:任意の準同型
p.256
(注意)定理5.1.58の証明の補足.まず次の主張3)'を考える:
3)' が上分離的であるための必要十分条件は,が成り立つことである.
p.256, l.-14の「さらに,」で始まる1文は,次のように書き換えると良いと思います:
が上分離的であるのはの場合だから,3)'が成立することが分かる.
(単純拡大の場合に3)が成り立つことは,この時点ではまだ言えません.が上分離的であるとき,の以外の元も上分離的であることはまだ示されていないからです.)
p.256, l.3
誤:
正:
(自体ではなく,その乗根がの根であることに注意する必要があります.)
p.259, l.-1
誤:
正:
またここは,次のように議論するのが簡単でいいと思います:
(p.260, l.1には「」とありますが,仮定よりなので,ここで証明が完了しています.それ以降の議論は不要です.なおである必要はなく,として良いです.)
p.261, 例5.2.4, 1)
3)にもある通り,1)でがガロワ拡大であるためには,という仮定が必要です.
実際,()とすると,はガロワ拡大ではありません.
p.263, l.13
誤:
正:
(2箇所)
p.265, 定理5.2.8
(注意)1)は「ある有限部分群が存在して」という意味.
p.270, l.-2
の右辺のをにする.次のページの図も同様.
p.274, l.-13
誤:
正:
l.-10も同様.
p.275,定理5.2.21証明
いくつか修正が必要です.
p.275, l.4
「(に注意.)」とありますが,成立するとは限りません.反例は次の通りです:
は完全体であり,
は分離多項式.で,はの原始乗根を持ち,仮定を満たす.
は上で根号により可解だが,などとなり,はの倍数であり,の約数にはならない.
しかし,という条件や,がの原始乗根を含むという仮定は,[必要性]を示すパートでは不要で,次の項目のようにすることで問題なく議論を行えます.
p.275,l.4
とおく.の場合は,の原始乗根はの代数閉包に存在しないが,次のようにすればとできる:
の根号塔を
とする.でとする.
()とおく.
今は完全体の有限次拡大体なので完全体.よってとなり,.
とおくと,であり,となる. このときとなる.
p.275, l.-3
条件を満たすは存在するとは限りません. 反例は次の通りです:
.
はの原始乗根を含み,またのガロワ群は巡回群なので可解であり,仮定を満たす.
このときの最小分解体に対してはの倍数なので,もの倍数.
となるが存在するが,となるは存在しない.
(今は標数の完全体なので,の元は全て平方元であり,にの元の平方根を加えたものは自身になり,の次拡大体にならない.)
このような問題を解決するには,p.274, l.-6とp.275, l.-10の「原始乗根」を「原始乗根」に変更するといいと思います.すると,p.272,l.-4のによりとみなせるため,やはの約数になり,はの素因数となります.この結果,はの原始乗根を含み,例5.2.18, 3)を用いることができます.
(なお,の標数がの場合,「がの原始乗根を含む」という条件は,「」という条件に緩められます.なら,の代数閉包はの原始乗根を含み,を考えることで証明を完成させられます. )
p.277, l.-4
「が分かる」とありますが,これはの定義により最初から分かっていることです.
p.278, l.-5
誤:
正:
(などとするのが良いと思います.少なくとも1つ目のは不成立です.)
p.279, l.-13
誤:
正:
p.280, l.-3
誤:
正:
p.280, l.-2
左辺の合成の順番が逆.とするのが正しい.l.-1とp.281, l.11も同様.
p.283, l.-6, l.-5
(注意)「とすると,」よりあとのはにそれぞれ書き換えた方がより正確.
p.284, 命題5.2.37の証明
いくつか直すべき点があります.
列ベクトルが方程式の解になるために,行列の成分はであるべきです.(とが逆になっている.)
l.5でと定義し,これに合わせて他の前後の箇所も修正するのが良いと思います.また,の中身がになっているところがあるので,これもに直す必要があります.(をに.)
l.11
の解に対して,は成立するとは限らないです.l.9のとl.11のとは,添字の付き方が違うことに注意する必要があります.(前者はとの添字が一致.後者はとの添字が一致.)
次のようにすれば良いと思います:
のとき,の転置行列の行列式も.
方程式が非自明な解()を持ち,となる.
あとは本の議論の通り.
l.11
誤:上一次独立
正:上一次独立
p.285, l.12
誤:を有限体
正:を無限体
p.287, l.3
「」を削除.
(となる場合があるため.例えばの場合はになる.でも議論に支障はない.)
p.291, l.9
(注意)のはのこと.
p.292, l.-7
誤:の任意の有限部分集合に対して
正:のある有限部分集合が存在して
(本の定義では例えばに対するが代数的従属の条件を満たさず,は代数的独立になってしまいます.に対する代入写像が単射になるからです.)
p.295, l.-12
誤:は
正:は
p.297, l.9
誤:
正:
p.298, 例5.3.18, 1)
(注意)この議論はが一意分解環としても成立します.したがって一意分解環は整閉です.
p.299, l.-12
(注意)「実際,」以降の議論によりとなるは有限個しかないので,となるが存在する.
このを以降の議論で用いることで,l.-3でを考えたときにならばの指数についてとなり,項が互いに打ち消すことなく,となる.
なおこのは単にとしても良い.そのときに対しては進法でと表記される桁(以下)の自然数になり,明らかにならとなる.
p.299, l.-10
誤:となる
正:となる
p.299, l.-3
誤:
正:
(ではなくなのと,指数がではなく.)
p.300, l.5
誤:は上整
正:は上整
(などとするのが良いと思います.)
p.302, l.10
誤:
正:
p.306, 問1.1.5
「のとき,は非自明な解を持つので」とあるが,誤り.実際の場合,は以外の解を持たない.
の場合にが単位元でないことをいうには,次のようにすると良い:
は単位元と仮定してを示す.とする.
について,.ゆえ.
また,について,.ゆえ.したがっては単位行列..
p.306, 問1.1.16, 1)
誤:推移律
正:結合律
p.307, 問1.1.43, 2)
(注意)最後の「でゆえ...も成り立つ」は(誤りではないが)不要.に対してはすでに示されているため.
p.308, l.5
誤:
正:
p.308, l.-10
「この場合もはアーベル群」とあるが,誤り.反例は3次対称群.
p.309, 問2.1.33, 3)
正確にはが誘導する群準同型の核がとなる.
p.310, l.17
誤:
正:
(最後のに添字をつける.)
(なお全射は定理2.1.30によっても得られる.)
p.310, l.-5
誤:
正:
p.310, l.-3
誤:かつ
正:かつ
p.311, l.-8
誤:
正:
p.312, l.2
2つ目の「」を「」に変更する.
p.312, l.-9
誤:
正:
次の行も「」を「」に変更する.
(例えばなのでです.)
p.313, l.2
この昇鎖に現れるイデアルは全てに等しいため,証明として不適切.実際においては単元.
(なお,問2.3.30, 4)ではの代わりにを用いているため,こちらの証明は正しい.)
p.313, l.13
で始まる式が誤り.正しくは次の通り:
p.313, l.-2
誤:
正:
(とした方が分かりやすいと思います.)
p.313, 問2.3.40, 3)
(注意)本の議論は正しいですが,次のように考えても良いです:
一般にをUFDとするとき,の既約元は多項式環においても既約元., とおく.例2.3.11, 2)と系2.3.29より,はUFD.仮定よりはの既約元なので上のことからにおける既約元でもある.
今である.よってはにおける既約元.
あとは本と同じで,の分数体はであるから,補題2.3.36によりはにおける既約元である.
p.314, l.-3
「十分に大きな」とあるが,はすでに使われているので別の文字を用いて「十分大きなに関して」などとする.
p.315, 問3.1.54, 1)
(注意)となるためには次のようにをとると良い:
は有限生成でない部分加群とする.
有限生成でないので.をとる.は有限生成でないのでがとれる.である.
をを満たすように取れたとして,は有限生成でないから,がとれる.
このときとなる.このように帰納的にを取れば良い.
p.315, 問3.1.54, 3)
いくつか誤りがあります.
l.-5
誤:
正:
l.-4
あとでとなるために,はとなる最小のとする必要があります.
l.-3
誤:
正:
l.-2
「」とありますが,書くとしたら「」ですし,実はここはを考える必要はなく,にを作用させてととからとすれば良いように思います.
p.316, l.1
「」とありますが,書くとしたら「」ですし,これはの取り方から,議論せずとも最初からわかっていることです.ここには「」と書くのが良いと思います.
p.316, l.1
(注意)補足.がの形の部分加群の和となることは次のようにしてわかる:
ごとにを満たす最小のをとりとする.
本のここまでの議論よりがわかる.また,の取り方から,もちろん.ゆえにとなり,を得る.が最大元を持てば,であるし,最大元を持たなければとなる.
p.316
下から2個目の行列(有理標準形)が間違っています.
(ただし, )となっているため,
p.161のようにの同伴行列を斜めに並べたものが正しい有理標準形です.
p.317, 問3.3.9, 3) 最後の行
誤:
正:
p.317, l.-1
誤:
正:
p.318, 問3.5.14, 1), 2), 3)
略解が問題と呼応していません.
1), 2)が逆なのと,「1)により...示せた.」の部分は不要です.
また,3)も問と略解が噛み合っていない気がします.
p.318, l.-1
(p.196, 問3.5.26, 1)の項目もご覧ください.)
「は上有限次元だからが代数閉体であることからであり」とありますが,が非可換体の場合はこれは自明ではないと思います.
他の不必要な議論も削ぎ落として,問3.5.26の略解全体を次のように書き換えれば良いと思います:
は代数なので,.を任意に取る.はにより可換環.また,可除環の部分環なので整域.は上有限次元なので,は上代数的.は代数閉体なので,.ゆえ..
p.319, 問3.5.26, 2), 3)
問と略解が噛み合っていません.
p.319, l.-9
誤:
正:
p.319, l.-1
誤:
正:
p.322, 問4.3.20, 3)
の定義がない.
p.323, l.4
「...から」のあとの式が違います.(は出てこないので.)
p.324, l.9
誤:
正:
p.324, 問5.1.35, 2)
(注意)はモニックによってとなるとき,の係数が上代数的であることを導く議論は次のようにすると良い:
まず,モニックについてならば,の代数閉包におけるの根は上代数的であり,の係数はの根の対称式なので,の係数は上代数的.
より,が存在して.とおくと,なので,先のことからの係数は上代数的.
p.325, l.-7
誤:
正:
p.325, l.-4
「」とありますが,不成立です.
はを動かさないからです.(.)
p.327, l.7
末尾にを書き加える.
p.327, l.8
誤:
正: