結構前の記事 において, 以下を示した.
今回はこれに関して直接展開して項別積分するとどうなるのかについて考えてみたいと思う.
であるから,
となるから,
である. 超幾何級数を展開して項別積分すると,
となる. つまり, 以下の三重超幾何級数の和公式が成り立つことになる.
が成り立つ.
しかし, 上の和公式を直接示すのもそれほど簡単ではなさそうである. 積分の別の展開の仕方を考えてみる.
ここで,
であり, Saalschützの和公式より,
であるから, これを用いて,
つまり, 以下を得る.
が成り立つ.
これは二重超幾何級数の和公式であるが, 直接的に示す方法は少なくともすぐには思いつかない. 個人的に, このような二重以上の超幾何級数の和公式がどこまで一般化できるかどうかはかなり気になっている問題である.