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大学数学基礎解説
文献あり

特別な級数の計算

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目標

$$\sum _{n=1}^\infty\frac{a_n}{n}$$
のような形の級数の収束値を適切な条件の下、自在に求められるようにする。
例えば、以下の式が成り立つことを示せます。
$$\frac{\pi}{50}\sqrt{50+10\sqrt{5}}+\frac{1}{\sqrt{5}}\log\left(\frac{1+\sqrt{5}}{2}\right)=1-\frac{1}{3}+\frac{1}{6}-\frac{1}{8}\cdots$$

本の紹介

級数計算公式の出典

Elias M.Stein,Rami Shakarchi(スタイン、シャカルチ)「フーリエ解析入門」
第8章練習13を証明し、練習14~問題1までを紹介します。
その後、本には載っていない級数を計算します。

練習13

$\{a_n\}_{n=-\infty}^\infty$を複素数列で$n=m\mod{q}$ に対して$a_n=a_m$であるとする。
このとき級数
$$\sum _{n=1}^\infty\frac{a_n}{n}$$
が収束するのは
$$\sum_{n=1}^qa_n=0$$
のとき、かつそのときに限ることを示せ。
[ヒント:部分和の公式]

本の都合上$\{a_n\}_{n=-\infty}^\infty$となっていますが、気にしないでください。

また、ヒントは第2章練習7のDirichletの収束判定法を指しています。
十分性の証明で使うので、収束判定法についても載せておきます(証明略)。

Dirichletの収束判定法

複素数列$\{a_n\}_{n=1}^\infty$について、
ある実数$M\gt0$であって、全ての自然数$N$に対して
$$\left| \sum_{n=1}^Na_n \right| \leq M$$なる$M$が存在し、
一方で実数列$\{b_n\}_{n=1}^\infty$は単調減少かつ$0$に収束するとき、
$$\sum_{n=1}^\infty a_nb_n$$は収束する。

十分性

$$\sum_{n=1}^qa_n=0$$が成り立つとする。この周期性から、$$M:=\max_{1\leq s\leq q}\left\{ \left| \sum_{n=1}^sa_n \right|\right\}$$と置けば、全ての自然数$N$に対し、
$$ \left| \sum_{n=1}^Na_n \right| \leq M$$
が成り立つので、複素数列$\{a_n\}_{n=1}^\infty$と実数列$\left\{\frac{1}{n}\right\}_{n=1}^\infty$について、
Dirichletの収束判定法を使えば良い。

必要性

うまい方法がないか考えましたが、計算をごり押しするしかなさそうです。
(追記:2024,2/20 コメントにうまい方法があるのでそちらが参考になります)
$$\sum _{n=1}^\infty\frac{a_n}{n}$$
が収束するとする。
$$ Q=\sum_{n=1}^qa_n, \alpha=\max_{1\leq N\leq q}\left| a_N \right|$$
と置いておく。$Q=0$を示せば良い。
$q$項ずつ足していくことを考えれば次の表示を得る。

$$ \sum _{n=1}^\infty\frac{a_n}{n} =\sum_{k=1}^\infty \sum_{i=1}^{q}\frac{a_{(k-1)q+i}}{(k-1)q+i}$$
右辺の$k$についての総和の内部を変形すると、次の表示を得る。

\begin{align} \sum_{i=1}^{q}\frac{a_{(k-1)q+i}}{(k-1)q+i}&=\sum_{i=1}^{q}\frac{a_{(k-1)q+i}}{kq}+\sum_{i=1}^{q}\frac{(q-i)a_{(k-1)q+i}}{\{(k-1)q+i\}kq}\\ &=\frac{Q}{kq}+\sum_{i=1}^{q}\frac{(q-i)a_{(k-1)q+i}}{\{(k-1)q+i\}kq} \end{align}
右辺第2項を評価すると次を得る。
\begin{align} \left|\sum_{i=1}^{q}\frac{(q-i)a_{(k-1)q+i}}{\{(k-1)q+i\}kq} \right| &\leq \sum_{i=1}^{q}\frac{q\alpha}{kq \cdot kq} =\frac{\alpha}{k^2} \end{align}
従って、$$ \sum_{k=1}^\infty \left|\sum_{i=1}^{q}\frac{(q-i)a_{(k-1)q+i}}{\{(k-1)q+i\}kq} \right|\leq\sum_{k=1}^\infty \frac{\alpha}{k^2}=\frac{\pi^2}{6}\alpha$$
が成り立つ。すなわち絶対収束するから、もとの級数も収束する。
$$L=\sum_{k=1}^\infty \sum_{i=1}^{q}\frac{(q-i)a_{(k-1)q+i}}{\{(k-1)q+i\}kq} (\lt\infty) $$
と置いておく。

以上のことより、
\begin{align}\sum _{n=1}^\infty\frac{a_n}{n}=\sum_{k=1}^\infty \sum_{i=1}^{q}\frac{a_{(k-1)q+i}}{(k-1)q+i}&=\sum_{k=1}^\infty \left(\frac{Q}{kq}+\sum_{i=1}^{q}\frac{(q-i)a_{(k-1)q+i}}{\{(k-1)q+i\}kq}\right) \\&=\frac{Q}{q}\sum_{k=1}^\infty\frac{1}{k}+L \end{align}
最左辺は有限値で、最右辺の調和級数は発散するから、$Q=0$である。
(正確には調和級数を左辺、それ以外を右辺とすべきですが、面倒だから許して)

この練習13によって、後述の練習15の級数が収束することが保証されます。その応用として、後述の練習16、問題1で多くの級数の収束値が分かります。

練習14(抜粋)

$$F(\theta)=\begin{equation} \left\{ \, \begin{aligned} & i(-\pi-\theta) (-\pi\leq\theta\lt0)\\ & 0        (\theta=0) \\ & i(\pi-\theta)   (0\lt\theta\leq\pi) \end{aligned} \right. \end{equation}$$
として、周期$2\pi$$\mathbb{R}$上に拡張したものを改めて$F(\theta)$と置く。

$\theta\neq0 \mod{2\pi}$のとき級数
$$E(\theta)=\sum_{n=1}^\infty\frac{e^{in\theta}}{n}$$
は収束し、
$$E(\theta)=\frac{1}{2}\log\left(\frac{1}{2-2\cos\theta}\right)+\frac{\textcolor{red}{1}}{2}F(\theta)$$
が成り立つ。

練習14について

赤字で書かれた部分は本の誤植を訂正したものです。

なお練習14の証明は、英語で書かれていますが、
https://math.stackexchange.com/questions/2016440/an-exercise-from-stein-and-shakarchis-fourier-analysis-exercise-14-chapter
が参考になります。

練習15(抜粋)

$\{a_n\}_{n=-\infty}^\infty$を、$n=m\mod{q}$ のとき$a_n=a_m$であり、
$\sum_{n=1}^qa_n=0$をみたすものとする。
(a)
$$ A(m)=\sum_{n=1}^qa_n\zeta^{-mn},  \zeta=e^{\frac{2\pi i}{q}}$$
と置く。このとき、
$$ \sum_{n=1}^\infty \frac{a_n}{n}=\frac{1}{q}\sum_{m=1}^{q-1} A(m)E\left(\frac{2\pi m}{q}\right)$$
が成り立つ。

(b) $\{a_n\}_{n=-\infty}^\infty$が奇($a_{-m}=-a_m,m\in\mathbb{Z}$)のとき、
$$ A(m)=\sum_{1\leq n\lt\frac{q}{2}}a_n(\zeta^{-mn}-\zeta^{mn})$$
が成り立つ。

(c)$\{a_n\}_{n=-\infty}^\infty$が奇のとき、
$$ \sum_{n=1}^\infty \frac{a_n}{n}=\frac{1}{2q}\sum_{m=1}^{q-1} A(m)F\left(\frac{2\pi m}{q}\right)$$
が成り立つ。

この練習15(a)及び(c)はもう少し簡略化することができます。
本には載っていないので、証明も書いておきます。

$\{a_n\}_{n=-\infty}^\infty$を、$n=m\mod{q}$ のとき$a_n=a_m$であり、
$\sum_{n=1}^qa_n=0$をみたすものとする。

(a')$\{a_n\}_{n=-\infty}^\infty$実数列のとき、
$$\renewcommand{\Re}{\operatorname{Re}} q:\text{odd}\Rightarrow\sum_{n=1}^\infty \frac{a_n}{n}=\frac{2}{q}\sum_{m=1}^\frac{q-1}{2} \Re \left(A(m)E\left(\frac{2\pi m}{q}\right)\right)$$
$$\renewcommand{\Re}{\operatorname{Re}} q:\text{even}\Rightarrow\sum_{n=1}^\infty \frac{a_n}{n}=\frac{2}{q}\sum_{m=1}^\frac{q-2}{2} \Re\left(A(m)E\left(\frac{2\pi m}{q}\right)\right)-\frac{\log2}{q}\sum_{n=1}^q(-1)^n a_n$$

が成り立つ。

(c')$\{a_n\}_{n=-\infty}^\infty$が奇のとき、
$$ \sum_{n=1}^\infty \frac{a_n}{n}=\frac{1}{q}\sum_{m=1}^{\lceil\frac{q}{2}\rceil-1} A(m)F\left(\frac{2\pi m}{q}\right)$$
が成り立つ。

(a')

まず$\overline{A(q-m)}=A(m)$を示す。
\begin{align} \overline{A(q-m)}=\overline{\sum_{n=1}^qa_n\zeta^{-(q-m)n}}&=\overline{\sum_{n=1}^qa_n\zeta^{mn}}\\&=\sum_{n=1}^q\overline{a_n}\overline{\zeta^{mn}}\\&=\sum_{n=1}^qa_n\zeta^{-mn}\\&=A(m)\end{align}

次に、$E$についても同様の式が成り立つことを場合分けして示す。
$E$の虚部にあたる$F$について考えれば良い。$F$の周期性に注意せよ。

$$0\lt\frac{2\pi m}{q}\leq\pi \mbox{のとき}$$
\begin{align} F\left(\frac{2\pi (q-m)}{q}\right)=F\left(\frac{2\pi (q-m)}{q}-2\pi\right)&=i\left(-\pi-\left(\frac{2\pi (q-m)}{q}-2\pi\right)\right)\\ &=-i\left(\pi-\frac{2\pi m}{q}\right)\\ &=-F\left(\frac{2\pi m}{q}\right) \end{align}

$$\pi\leq\frac{2\pi m}{q}\lt2\pi \mbox{のとき}$$
\begin{align} F\left(\frac{2\pi (q-m)}{q}\right)=i\left(\pi-\frac{2\pi (q-m)}{q}\right) &=-i\left(-\pi-\left(\frac{2\pi m}{q}-2\pi\right)\right)\\ &=-F\left(\frac{2\pi m}{q}-2\pi\right)\\ &=-F\left(\frac{2\pi m}{q}\right) \end{align}
従って、次の式が成り立つ。
$$ A(m)E\left(\frac{2\pi m}{q}\right)=\overline{A(q-m)E\left(\frac{2\pi (q-m)}{q}\right)}$$
よって、$q$が奇数のときはOK。
$q$が偶数の場合は上記に加えて、
$$ A\left(\frac{q}{2}\right)=\sum_{n=1}^q(-1)^n a_n, E\left(\frac{2\pi\cdot\frac{q}{2}}{q}\right)=E\left(\pi\right)=-\log2$$と計算できるからOK。

(c')

まず$A(q-m)=-A(m)$を示す。
\begin{align} A(q-m)=\sum_{n=1}^qa_n\zeta^{-(q-m)n}&=\sum_{n=1}^qa_n\zeta^{mn}\\&=\sum_{n'=0}^{q-1}a_{q-n'}\zeta^{m(q-n')} (n'=q-n)\\&=\sum_{n'=0}^{q-1}-a_{n'}\zeta^{-mn'}\\&=-\sum_{n'=1}^{q}a_{n'}\zeta^{-mn'} (a_0\zeta^{-m\cdot0}=a_q\zeta^{-mq})\\&=-A(m)\end{align}

従って、次の式が成り立つ。
$$ A(m)F\left(\frac{2\pi m}{q}\right)=A(q-m)F\left(\frac{2\pi (q-m)}{q}\right)$$
よって、$q$が奇数のときはOK。
$q$が偶数の場合は上記に加えて、
$$ F\left(\frac{2\pi\cdot\frac{q}{2}}{q}\right)=F(\pi)=0$$と計算できるからOK。

(練習16)

$\{a_n\}_{n=1}^\infty$$1,-1,0$を繰り返す奇な数列($q=3$)とすると、
$$\frac{\pi}{3\sqrt{3}}=1-\frac{1}{2}+\frac{1}{4}-\frac{1}{5}+\frac{1}{7}-\frac{1}{8}+\cdots$$

(問題1)

(a)$\{a_n\}_{n=1}^\infty$$1,0,0,0,-1,0$を繰り返す奇な数列($q=6$)とすると、$$\frac{\pi}{2\sqrt{3}}=1-\frac{1}{5}+\frac{1}{7}-\frac{1}{11}+\frac{1}{13}-\cdots$$

(b)$\{a_n\}_{n=1}^\infty$$1,0,1,0,-1,0,-1,0$を繰り返す奇な数列($q=8$)とすると、
$$\frac{\pi}{2\sqrt{2}}=1+\frac{1}{3}-\frac{1}{5}-\frac{1}{7}+\frac{1}{9}+\frac{1}{11}\cdots$$

(c)$\{a_n\}_{n=1}^\infty$$1,1,-1,1,-1,-1,0$を繰り返す奇な数列($q=7$)とすると、
$$\frac{\pi}{\sqrt{7}}=1+\frac{1}{2}-\frac{1}{3}+\frac{1}{4}-\frac{1}{5}-\frac{1}{6}\cdots$$

(d)$\{a_n\}_{n=1}^\infty$$1,0,-1,0,-1,0,1,0$を繰り返す偶な数列($q=8$)とすると、
$$\frac{\log(1+\sqrt{2})}{\sqrt{2}}=1-\frac{1}{3}-\frac{1}{5}+\frac{1}{7}+\frac{1}{9}-\frac{1}{11}\cdots$$

(e)$\{a_n\}_{n=1}^\infty$$1,-1,-1,1,0$を繰り返す偶な数列($q=5$)とすると、
$$\frac{2}{\sqrt{5}}\log\left(\frac{1+\sqrt{5}}{2}\right)=1-\frac{1}{2}-\frac{1}{3}+\frac{1}{4}+\frac{1}{6}-\frac{1}{7}-\cdots$$

練習14~問題1までの証明は中国語で書かれていますが、
https://zhuanlan.zhihu.com/p/672299242?utm_id=0
が参考になります。

他の級数の計算

以下、数列は特に指定がなければ実数列を考えているものとします。

本で挙げられていた級数は上記の6つでしたが、他にもまだ計算できそうです。
今考えている数列全体がなす$\mathbb{R}$上($q-1$)次元ベクトル空間の基底を、数列の循環部分の表記が次になるものを取ることにします。
\begin{equation} \left\{ \, \begin{aligned} & (1,-1,0,\cdots,0) \\ &     \vdots \\ & (1,0,\cdots,0,-1) \end{aligned} \right. \end{equation}
(初めの$q$項の総和を0にしなければならないので次元が分かります)
この基底の収束値を、他の級数の収束値も駆使しながら求めていきます。
$q=2,3,4,5,6,8$に対し計算します。

今考えている級数全体がなす$\mathbb{R}$上ベクトル空間は当然$1$次元です。
有理数列による級数全体がなす$\mathbb{Q}$上ベクトル空間としても、($q-1$)次元になるとは限りません(最小の反例は$q=4$)。

$q=2$の場合(メルカトル級数)

$\{a_n\}_{n=1}^\infty$$1,-1$を繰り返す数列とすると、$$\log2=1-\frac{1}{2}+\frac{1}{3}-\frac{1}{4}+\frac{1}{5}-\frac{1}{6}+\cdots=:s_1^{(2)}$$

数列が奇ではないから練習15の系(a')の
$$\renewcommand{\Re}{\operatorname{Re}} \sum_{n=1}^\infty \frac{a_n}{n}=\frac{2}{q}\sum_{m=1}^\frac{q-2}{2} \Re\left(A(m)E\left(\frac{2\pi m}{q}\right)\right)-\frac{\log2}{q}\sum_{n=1}^q(-1)^n a_n$$
を使うと、
\begin{align} &1-\frac{1}{2}+\frac{1}{3}-\frac{1}{4}+\frac{1}{5}-\frac{1}{6}+\cdots=-\frac{\log2}{2}\left(-1-1\right)=\log2\\ \end{align}

$q=3$の場合

$\{a_n\}_{n=1}^\infty$$1,0,-1$を繰り返す数列とすると、$$\frac{\pi}{6\sqrt{3}}+\frac{1}{2}\log3=1-\frac{1}{3}+\frac{1}{4}-\frac{1}{6}+\frac{1}{7}-\frac{1}{9}\cdots=:s_2^{(3)}$$

$$ A(1)=-\frac{3}{2}-\frac{\sqrt{3}}{2}i, E\left(\frac{2\pi\cdot1}{3}\right)=\frac{1}{2}\log\frac{1}{3}+\frac{\pi}{6}i$$
と計算できるから、
\begin{align} 1-\frac{1}{3}+\frac{1}{4}-\frac{1}{6}+\frac{1}{7}-\frac{1}{9}\cdots=\frac{2}{3}\left(\frac{\pi}{4\sqrt{3}}-\frac{3}{4}\log\frac{1}{3}\right)=\frac{\pi}{6\sqrt{3}}+\frac{1}{2}\log3\\ \end{align}

$q=3$の場合の基底の収束値

命題2及び上記より、
$$\frac{\pi}{3\sqrt{3}}=1-\frac{1}{2}+\frac{1}{4}-\frac{1}{5}+\frac{1}{7}-\frac{1}{8}+\cdots=:s_1^{(3)}$$
$$\frac{\pi}{6\sqrt{3}}+\frac{1}{2}\log3=1-\frac{1}{3}+\frac{1}{4}-\frac{1}{6}+\frac{1}{7}-\frac{1}{9}\cdots=:s_2^{(3)}$$

使い方

$\{a_n\}_{n=1}^\infty$$1,1,-2$を繰り返す数列とすると、$$\log3=1+\frac{1}{2}-\frac{2}{3}+\frac{1}{4}+\frac{1}{5}-\frac{2}{6}\cdots$$

これは、$2s_2^{(3)}-s_1^{(3)}$から従う。

$q=4$の場合

(a)
$\{a_n\}_{n=1}^\infty$$1,-1,0,0$を繰り返す数列とすると、$$\frac{\pi}{8}+\frac{1}{4}\log2=1-\frac{1}{2}+\frac{1}{5}-\frac{1}{6}\cdots=:s_1^{(4)}$$
(b)(ライプニッツ級数)
$\{a_n\}_{n=1}^\infty$$1,0,-1,0$を繰り返す奇な数列とすると、$$\frac{\pi}{4}=1-\frac{1}{3}+\frac{1}{5}-\frac{1}{7}\cdots=:s_2^{(4)}$$

(a)

$$ A(1)=1-i, E\left(\frac{2\pi\cdot1}{4}\right)=\frac{1}{2}\log\frac{1}{2}+\frac{\pi}{4}i$$
と計算できるから、

\begin{align} 1-\frac{1}{2}+\frac{1}{5}-\frac{1}{6}\cdots=\frac{2}{4}\left(\frac{\pi}{4}+\frac{1}{2}\log\frac{1}{2}\right)-\frac{\log2}{4}(-1-1)=\frac{\pi}{8}+\frac{1}{4}\log2 \end{align}

(b)

数列が奇であるから練習15の系(c')の
$$ \sum_{n=1}^\infty \frac{a_n}{n}=\frac{1}{q}\sum_{m=1}^{\lceil\frac{q}{2}\rceil-1} A(m)F\left(\frac{2\pi m}{q}\right)$$
より、
\begin{align} 1-\frac{1}{3}+\frac{1}{5}-\frac{1}{7}\cdots=\frac{1}{4}A(1)F\left(\frac{2\pi \cdot1}{4}\right)=\frac{1}{4} (-i-i)\left(\frac{\pi}{2}i\right)=\frac{\pi}{4} \end{align}

$q=4$の場合の基底の収束値

$$\frac{\pi}{8}+\frac{1}{4}\log2=1-\frac{1}{2}+\frac{1}{5}-\frac{1}{6}\cdots=s_1^{(4)}$$
$$\frac{\pi}{4}=1-\frac{1}{3}+\frac{1}{5}-\frac{1}{7}\cdots=s_2^{(4)}$$
$$\frac{\pi}{8}+\frac{3}{4}\log2=1-\frac{1}{4}+\frac{1}{5}-\frac{1}{8}\cdots=:s_3^{(4)}$$

最後の式は、
$$\frac{1}{2}s_1^{(2)}+s_1^{(4)}$$
より従う。

$3s_1^{(4)}-s_2^{(4)}-s_3^{(4)}=0$より、$\{a_n\}_{n=1}^\infty$$1,-3,1,1$を繰り返す数列とすれば、
$$0=1-\frac{3}{2}+\frac{1}{3}+\frac{1}{4}+\cdots$$

$q=4$のとき、有理数列による級数全体がなす$\mathbb{Q}$上ベクトル空間は$2$次元である。

上記の例2より、次元は$2$以下である。生成系として$s_1^{(4)},s_2^{(4)}$を取る。
$a,b\in\mathbb{Q}$が、$as_1^{(4)}+bs_2^{(4)}=0$ をみたしているとする。
整理すれば、
$$(a+2b)\pi=-2a\log2$$
を得る。
$$ a+2b\neq0\text{ とすると、}e^{(a+2b)\pi}=2^{-2a}$$
ここで、左辺は超越数であることが知られているが、右辺は超越数でないので矛盾。
故に、$a+2b=0$であり、$a=0,b=0$ が得られるから、一次独立である。

さて、$q=5$の場合で使うので2つの角度の正弦と余弦をメモしておきます。
(こいつらのせいで二重根号地獄)

$$\sin\frac{2}{5}\pi=\frac{\sqrt{10+2\sqrt{5}}}{4}, \cos\frac{2}{5}\pi=\frac{\sqrt{5}-1}{4} $$
$$\sin\frac{4}{5}\pi=\frac{\sqrt{10-2\sqrt{5}}}{4}, \cos\frac{4}{5}\pi=-\frac{\sqrt{5}+1}{4}$$

まず計算が楽な、奇な数列による級数の収束値を考えます。次に命題3(e)を利用することで指定した基底のうち3つは求まります。これにより上記の二重根号を含む計算を若干工夫することができます。
(Q.残りの1つは?  A.そんなもん力技だよ)

$q=5$の場合

(a)$\{a_n\}_{n=1}^\infty$$1,1,-1,-1,0$を繰り返す奇な数列とすると、$$\frac{\pi}{25}\sqrt{50+10\sqrt{5}}=1+\frac{1}{2}-\frac{1}{3}-\frac{1}{4}+\frac{1}{6}+\frac{1}{7}-\cdots$$

(b)$\{a_n\}_{n=1}^\infty$$1,-1,1,-1,0$を繰り返す奇な数列とすると、$$\frac{\pi}{25}\sqrt{50-10\sqrt{5}}=1-\frac{1}{2}+\frac{1}{3}-\frac{1}{4}+\frac{1}{6}-\frac{1}{7}+\cdots$$

(c)$\{a_n\}_{n=1}^\infty$$1,0,0,0,-1$を繰り返す数列とすると、$$\frac{\pi}{50}\sqrt{25+10\sqrt{5}}+\frac{1}{4}\log5+\frac{1}{2\sqrt{5}}\log\left(\frac{1+\sqrt{5}}{2}\right)=1-\frac{1}{5}+\frac{1}{6}-\frac{1}{10}+\cdots=:s_4^{(5)}$$

二重根号同士の和について

$a\gt0$及び$b\gt0$$a^2\geq b$をみたすとき、
$$\left(\sqrt{a+\sqrt{b}}\pm\sqrt{a-\sqrt{b}}\right)^2=2a\pm2\sqrt{a^2-b}$$
より、
$$\sqrt{a+\sqrt{b}}\pm\sqrt{a-\sqrt{b}}=\sqrt{2a\pm2\sqrt{a^2-b}}$$
が従います。
この形ではない二重根号同士の和も同様に計算できます。
証明内では詳しく書いていないので、各自で計算してみてください。

(a)

\begin{align} &1+\frac{1}{2}-\frac{1}{3}-\frac{1}{4}+\frac{1}{6}+\frac{1}{7}-\cdots\\&=\frac{1}{5}\left\{A(1)F\left(\frac{2\pi \cdot1}{5}\right)+A(2)F\left(\frac{2\pi \cdot2}{5}\right)\right\} \\ &=\frac{1}{5}\left\{-2i\left(\sin\frac{2}{5}\pi+\sin\frac{4}{5}\pi\right)\frac{3\pi}{5}i+2i\left(\sin\frac{2}{5}\pi-\sin\frac{4}{5}\pi\right)\frac{\pi}{5}i\right\} \\ &=\frac{2\pi}{25}\left\{3\left(\frac{\sqrt{10+2\sqrt{5}}}{4}+\frac{\sqrt{10-2\sqrt{5}}}{4}\right)-\left(\frac{\sqrt{10+2\sqrt{5}}}{4}-\frac{\sqrt{10-2\sqrt{5}}}{4}\right)\right\} \\ &=\frac{\pi}{25}\left\{\sqrt{10+2\sqrt{5}}+2\sqrt{10-2\sqrt{5}}\right\} \\ &=\frac{\pi}{25}\sqrt{50+10\sqrt{5}}\\ \end{align}

(b)

\begin{align} &1-\frac{1}{2}+\frac{1}{3}-\frac{1}{4}+\frac{1}{6}-\frac{1}{7}+\cdots\\&=\frac{1}{5}\left\{A(1)F\left(\frac{2\pi \cdot1}{5}\right)+A(2)F\left(\frac{2\pi \cdot2}{5}\right)\right\} \\ &=\frac{1}{5}\left\{-2i\left(\sin\frac{2}{5}\pi-\sin\frac{4}{5}\pi\right)\frac{3\pi}{5}i-2i\left(\sin\frac{2}{5}\pi+\sin\frac{4}{5}\pi\right)\frac{\pi}{5}i\right\} \\ &=\frac{2\pi}{25}\left\{3\left(\frac{\sqrt{10+2\sqrt{5}}}{4}-\frac{\sqrt{10-2\sqrt{5}}}{4}\right)+\left(\frac{\sqrt{10+2\sqrt{5}}}{4}+\frac{\sqrt{10-2\sqrt{5}}}{4}\right)\right\} \\ &=\frac{\pi}{25}\left\{2\sqrt{10+2\sqrt{5}}-\sqrt{10-2\sqrt{5}}\right\} \\ &=\frac{\pi}{25}\sqrt{50-10\sqrt{5}}\\ \end{align}

(c)

$$ A(1)=-1+\zeta^{-1}, A(2)=-1+\zeta^{-2}$$ $$ E\left(\frac{2\pi\cdot1}{4}\right)=\frac{1}{2}\log\left(\frac{2}{5-\sqrt{5}}\right)+\frac{3\pi}{10}i, E\left(\frac{2\pi\cdot2}{4}\right)=\frac{1}{2}\log\left(\frac{2}{5+\sqrt{5}}\right)+\frac{\pi}{10}i$$
と計算できるから、

\begin{align} &1-\frac{1}{5}+\frac{1}{6}-\frac{1}{10}+\cdots\\ &=\frac{2}{5}\left\{\left(\frac{3\pi}{10}\sin\frac{2}{5}\pi+\frac{\sqrt{5}-5}{8}\log\left(\frac{2}{5-\sqrt{5}}\right)\right)+\left(\frac{\pi}{10}\sin\frac{4}{5}\pi-\frac{\sqrt{5}+5}{8}\log\left(\frac{2}{5+\sqrt{5}}\right)\right)\right\}\\ &=\frac{2}{5}\left\{\frac{\pi}{40}\left(3\sqrt{10+2\sqrt{5}}+\sqrt{10-2\sqrt{5}}\right)-\frac{5}{8}\log\frac{1}{5}+\frac{\sqrt{5}}{8}\log\left(\frac{5+\sqrt{5}}{5-\sqrt{5}}\right)\right\}\\ &=\frac{2}{5}\left\{\frac{\pi}{20}\sqrt{25+10\sqrt{5}}+\frac{5}{8}\log5+\frac{\sqrt{5}}{4}\log\left(\frac{1+\sqrt{5}}{2}\right)\right\}\\ &=\frac{\pi}{50}\sqrt{25+10\sqrt{5}}+\frac{1}{4}\log5+\frac{1}{2\sqrt{5}}\log\left(\frac{1+\sqrt{5}}{2}\right) \end{align}

$q=5$の場合の基底の収束値

$$\frac{\pi}{50}\sqrt{50-10\sqrt{5}}+\frac{1}{\sqrt{5}}\log\left(\frac{1+\sqrt{5}}{2}\right)=1-\frac{1}{2}+\frac{1}{6}-\frac{1}{7}\cdots=:s_1^{(5)}$$
$$\frac{\pi}{50}\sqrt{50+10\sqrt{5}}+\frac{1}{\sqrt{5}}\log\left(\frac{1+\sqrt{5}}{2}\right)=1-\frac{1}{3}+\frac{1}{6}-\frac{1}{8}\cdots=:s_2^{(5)}$$
$$\frac{\pi}{25}\sqrt{25+10\sqrt{5}}=1-\frac{1}{4}+\frac{1}{6}-\frac{1}{9}+\frac{1}{11}-\frac{1}{14}\cdots=:s_3^{(5)}$$
$$\frac{\pi}{50}\sqrt{25+10\sqrt{5}}+\frac{1}{4}\log5+\frac{1}{2\sqrt{5}}\log\left(\frac{1+\sqrt{5}}{2}\right)=1-\frac{1}{5}+\frac{1}{6}-\frac{1}{10}+\cdots=s_4^{(5)}$$

$s_1^{(5)}$

(b)と命題3(e)を辺々足して2で割れば良い。

$s_2^{(5)}$

(a)と命題3(e)を辺々足して2で割れば良い。

$s_3^{(5)}$

(a)と(b)を辺々足して2で割れば良い。

$q=6$の場合

$\{a_n\}_{n=1}^\infty$$1,-1,0,0,0,0$を繰り返す数列とすると、$$\frac{\pi}{6\sqrt{3}}+\frac{1}{3}\log2=1-\frac{1}{2}+\frac{1}{7}-\frac{1}{8}\cdots=:s_1^{(6)}$$

$$A(1)=1, E\left(\frac{2\pi\cdot1}{6}\right)=\frac{\pi}{3}i$$
$$ A(2)=-\sqrt{3}i, E\left(\frac{2\pi\cdot2}{6}\right)=-\frac{1}{2}\log3+\frac{\pi}{6}i$$
と計算できるから、
\begin{align} 1-\frac{1}{2}+\frac{1}{7}-\frac{1}{8}\cdots =\frac{2}{6}\cdot\frac{\pi}{2\sqrt{3}}-\frac{\log2}{6}(-1-1) =\frac{\pi}{6\sqrt{3}}+\frac{1}{3}\log2 \end{align}

$q=6$の場合の基底の収束値

$$\frac{\pi}{6\sqrt{3}}+\frac{1}{3}\log2=1-\frac{1}{2}+\frac{1}{7}-\frac{1}{8}\cdots=s_1^{(6)}$$
$$\frac{\pi}{4\sqrt{3}}+\frac{1}{4}\log3=1-\frac{1}{3}+\frac{1}{7}-\frac{1}{9}\cdots=:s_2^{(6)}$$
$$\frac{\pi}{3\sqrt{3}}+\frac{1}{3}\log2=1-\frac{1}{4}+\frac{1}{7}-\frac{1}{10}\cdots=:s_3^{(6)}$$
$$\frac{\pi}{2\sqrt{3}}=1-\frac{1}{5}+\frac{1}{7}-\frac{1}{11}\cdots=:s_4^{(6)}$$
$$\frac{\pi}{4\sqrt{3}}+\frac{1}{3}\log2+\frac{1}{4}\log3=1-\frac{1}{6}+\frac{1}{7}-\frac{1}{12}\cdots=:s_5^{(6)}$$

$s_2^{(6)}$

$$-\frac{1}{3}s_1^{(2)}+\frac{1}{2}s_2^{(3)}+s_1^{(6)}$$
より従う。

$s_3^{(6)}$

$$\frac{1}{2}s_1^{(3)}+s_1^{(6)}$$
より従う。

$s_5^{(6)}$

$$\frac{1}{2}s_2^{(3)}+s_1^{(6)}$$
より従う。

(a)$3s_1^{(6)}-3s_3^{(6)}+s_4^{(6)}=0$より、$\{a_n\}_{n=1}^\infty$$1,-3,0,3,-1,0$を繰り返す奇な数列とすれば、
$$0=1-\frac{3}{2}+\frac{3}{4}-\frac{1}{5}\cdots$$

(b)$3s_2^{(6)}+3s_3^{(6)}-2s_4^{(6)}-3s_5^{(6)}=0$より、$\{a_n\}_{n=1}^\infty$$1,0,-3,-3,2,3$を繰り返す数列とすれば、
$$0=1-\frac{3}{3}-\frac{3}{4}+\frac{2}{5}+\frac{3}{6}+\cdots$$

$q=7$の場合

無理!(特殊な場合として命題3(c)は計算できています)

$q=8$の場合

(a)$\{a_n\}_{n=1}^\infty$$1,-1,0,0,0,0,0,0$を繰り返す数列とすると、$$\frac{\pi}{8\sqrt{2}}+\frac{3}{8}\log2+\frac{1}{4\sqrt{2}}\log\left(1+\sqrt{2}\right)=1-\frac{1}{2}+\frac{1}{9}-\frac{1}{10}\cdots=:s_1^{(8)}$$

(b)$\{a_n\}_{n=1}^\infty$$1,0,0,0,0,0,-1,0$を繰り返す奇な数列とすると、$$\frac{1+\sqrt{2}}{8}\pi=1-\frac{1}{7}+\frac{1}{9}-\frac{1}{15}\cdots=:s_6^{(8)}$$

(a)

$$ A(1)=\frac{1}{\sqrt{2}}+\left(1-\frac{1}{\sqrt{2}}\right)i, E\left(\frac{2\pi\cdot1}{8}\right)=\frac{1}{2}\log\left(\frac{1}{2-\sqrt{2}}\right)+\frac{3\pi}{8}i$$
$$ A(2)=1-i,  E\left(\frac{2\pi\cdot2}{8}\right)=\frac{1}{2}\log\frac{1}{2}+\frac{\pi}{4}i$$
$$ A(3)=-\frac{1}{\sqrt{2}}-\left(1+\frac{1}{\sqrt{2}}\right)i, E\left(\frac{2\pi\cdot3}{8}\right)=\frac{1}{2}\log\left(\frac{1}{2+\sqrt{2}}\right)+\frac{\pi}{8}i$$
と計算できるから、
\begin{align} &1-\frac{1}{2}+\frac{1}{9}-\frac{1}{10}\cdots\\ &=\frac{2}{8}\left\{\left(-\frac{3\pi}{8}\left(1-\frac{1}{\sqrt{2}}\right)+\frac{1}{2\sqrt{2}}\log\left(\frac{1}{2-\sqrt{2}}\right)\right)+\left(\frac{\pi}{4}+\frac{1}{2}\log\frac{1}{2}\right)+\left(\frac{\pi}{8}\left(1+\frac{1}{\sqrt{2}}\right)-\frac{1}{2\sqrt{2}}\log\left(\frac{1}{2+\sqrt{2}}\right)\right)\right\}-\frac{\log2}{8}(-1-1) \\ &=\frac{\pi}{8\sqrt{2}}+\frac{1}{8}\log2+\frac{1}{8\sqrt{2}}\log\left(3+2\sqrt{2}\right)\\ &=\frac{\pi}{8\sqrt{2}}+\frac{1}{8}\log2+\frac{1}{4\sqrt{2}}\log\left(1+\sqrt{2}\right) \end{align}

(b)

\begin{align} &1-\frac{1}{7}+\frac{1}{9}-\frac{1}{15}\cdots\\ &=\frac{1}{8}\left\{A(1)F\left(\frac{2\pi \cdot1}{8}\right)+A(2)F\left(\frac{2\pi \cdot2}{8}\right)+A(3)F\left(\frac{2\pi \cdot3}{8}\right)\right\} \\ &=\frac{1}{8}\left\{-\sqrt{2}i\cdot\frac{3\pi}{4}i-2i\cdot\frac{\pi}{2}i-\sqrt{2}i\cdot\frac{\pi}{4}i\right\} \\ &=\frac{1+\sqrt{2}}{8}\pi\\ \end{align}

$q=8$の場合の基底の収束値

$$\frac{\pi}{8\sqrt{2}}+\frac{3}{8}\log2+\frac{1}{4\sqrt{2}}\log\left(1+\sqrt{2}\right)=1-\frac{1}{2}+\frac{1}{9}-\frac{1}{10}\cdots=s_1^{(8)}$$
$$\frac{\pi}{8}+\frac{1}{2\sqrt{2}}\log\left(1+\sqrt{2}\right)=1-\frac{1}{3}+\frac{1}{9}-\frac{1}{11}\cdots=:s_2^{(8)}$$
$$\frac{1+\sqrt{2}}{16}\pi+\frac{1}{4}\log2+\frac{1}{4\sqrt{2}}\log\left(1+\sqrt{2}\right)=1-\frac{1}{4}+\frac{1}{9}-\frac{1}{12}\cdots=:s_3^{(8)}$$
$$\frac{\pi}{4\sqrt{2}}+\frac{1}{2\sqrt{2}}\log\left(1+\sqrt{2}\right)=1-\frac{1}{5}+\frac{1}{9}-\frac{1}{13}\cdots=:s_4^{(8)}$$
$$\frac{2+\sqrt{2}}{16}\pi+\frac{1}{8}\log2+\frac{1}{4\sqrt{2}}\log\left(1+\sqrt{2}\right)=1-\frac{1}{6}+\frac{1}{9}-\frac{1}{14}\cdots=:s_5^{(8)}$$
$$\frac{1+\sqrt{2}}{8}\pi=1-\frac{1}{7}+\frac{1}{9}-\frac{1}{15}\cdots=s_6^{(8)}$$
$$\frac{1+\sqrt{2}}{16}\pi+\frac{1}{2}\log2+\frac{1}{4\sqrt{2}}\log\left(1+\sqrt{2}\right)=1-\frac{1}{8}+\frac{1}{9}-\frac{1}{16}\cdots=:s_7^{(8)}$$

命題3(b)の値を$A$、(d)の値を$B$とする。

$s_2^{(8)}$

$$\frac{1}{2}(B-A)+s_6^{(8)}$$
より従う。

$s_3^{(8)}$

$$\frac{1}{2}s_1^{(4)}+s_1^{(8)}$$
より従う。

$s_4^{(8)}$

$$\frac{1}{2}(A+B)$$
より従う。

$s_5^{(8)}$

$$\frac{1}{2}s_2^{(4)}+s_1^{(8)}$$
より従う。

$s_7^{(8)}$

$$\frac{1}{2}s_3^{(4)}+s_1^{(8)}$$
より従う。

まとめ

本当は$q=10,12$も計算しようと思っていましたが、計算量が多く、また$\LaTeX$にも慣れておらず、資格の勉強もしなければならないため今回はここまでとします。いつか誰かの役に立てばいいなぁというレベルの記事でした。おしまい。

参考文献

[1]
Elias M.Stein, Rami Shakarchi, フーリエ解析入門, プリンストン解析学講義, 日本評論社, 2007
投稿日:220
更新日:220
OptHub AI Competition

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投稿者

主にNeukirch「代数的整数論」の記事を書きます。 ちなみにプロフィール画像はコウメ太夫の「チクショー!いっしゅうかん」の一部分の模写です。

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