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IMO2019P6の一般化について内の問題について

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立見鶏と申します.たまに初等幾何を解いたりしています.
今回は、 かえで氏 がMathlogの記事内で紹介していた問題を解いたものを残しておきます.氏のコンテンツは初等幾何学の(特に円錐曲線周りの)学習教材が多いのでどの記事も手を動かしながら読んでみること推奨.
今回扱う問題は こちら の「IMO2019P6の一般化について」の「Lin_yangyuanによる一般化」から.

まずは問題を以下に改めて記載しておきます.

三角形$ABC$と定点$U,I$および直線$AC,AB$上の定点$E,F$について,円$BFI$と円$CEI$が再び交わる点を$D$とし,円$DEF$上に点$P$を取る.円$BFP$と円$CEP$が再び交わる点を$Q$とし,直線$PQ$と直線$DI$の交点を$S$とする.直線$US$と円$SDP$が再び交わる点を$T$とするとき,点$P$に依らず点$T$はある定円$\omega$上に乗るので,円$\omega$と円$SDP$が再び交わる点を$K$とし,直線$AK$$\omega$が再び交わる点を$V$とする.このとき,直線$EF$と直線$UV$は常に平行である.
エグい エグい

IMOP6というボス問題をさらに拡張したものなので,何をどうしたらよいものやら……という感じですが,いくつかの補題と今回は使わない系を紹介しながらほぐしていきたいと思います.

まずは,この問題において点$P$が特別な位置の場合にどうなるの?という実験的な部分から.
なお,補題と書いておりますが,(2)はこの後は使わないので系です...

三角形$AEF$と定点$D$および点$D$を通る直線$\ell$について,円$DEF$と直線$AD,AE,AF$が再び交わる点を$P_D,P_E,P_F$とし,直線$\ell$と直線$EF,AE,AF$の交点を$S_D,S_E,S_F$とする.円$DP_ES_E$と円$DP_FS_F$が再び交わる点を$X$とするとき
$(1)$$A,P_E,P_F,X$は同一円周上.
$(2)$$D,X,P_D,S_D$は同一円周上.

最初の方の設定の部分から条件を抜き出す 最初の方の設定の部分から条件を抜き出す

$B,C,I$はいったん無しで考えております.この直線$\ell$上に$I$を定めれば,$B,C$も自ずと決定されますので.

$(1)$$\angle XP_EA=\angle XDS_E=\angle XP_FS_F$から$A,P_E,P_F,X$は同一円周上.
$(2)$直線$AX$$EF$の交点を$J$とすれば
$\angle A XP_F=\angle EP_EP_F=\angle JFP_F$
から$J,X,P_F,F$は同一円周上なので
$AJ\cdot AX=AF\cdot AP_F=AD\cdot AP_D$より$J,X,P_D,D$は同一円周上.
$\angle XJF=\angle XP_FA=\angle XDS_D$より$J,X,S_D,D$は同一円周上.
以上から$D,J,X,P_D,S_D$は同一円周上.
意味がありそうな直線をとりあえず引いておこう 意味がありそうな直線をとりあえず引いておこう

(1)だけ覚えておいていただければ問題ございません.余裕があれば直線$AX$も重要そうなので片隅に置いてくだされば.

ここで,今回の問題とは関係はない(と思う)のですが,あまり明らかではない共円関係があったりしますのでついでに示しておきます.

直線$\ell$上に点$I$を取り円$DFI$と直線$AF$が再び交わる点を$B$,円$DEI$と直線$AE$が再び交わる点を$C$とすれば,$A,X,B,C$は同一円周上.

この円が通る点はまだ2つありそう この円が通る点はまだ2つありそう

補題$2$の証明過程と方べきの定理から$J,X,P_F,F$$J,X,P_E,E$は同一円周上なので
$\dfrac {XP_E}{XP_F}=\dfrac{EJ\cdot\dfrac{AX}{AE}}{FJ\cdot\dfrac{AX}{AF}}=\dfrac{EJ\cdot AF}{FJ\cdot AE}$
補題$2$から$J,X,P_D,S_D,D$は同一円周上なので,この円と円$DEF$と直線$EF$に春木の定理を適用して
$\dfrac{DE}{ES_D}\cdot\dfrac{S_DP_D}{P_DF}\cdot\dfrac{FJ}{JD}=1$$\dfrac{FS_D}{DF}\cdot\dfrac{P_DE}{S_DP_D}\cdot\dfrac{JD}{EJ}=1$から
$\dfrac{DE}{DF}\cdot\dfrac{FS_D}{ES_D}\cdot\dfrac{P_DE}{P_DF}\cdot\dfrac{FJ}{EJ}=1$より
$\dfrac{XP_E}{XP_F}=\dfrac{AF}{P_DF}\cdot\dfrac{P_DE}{AE}\cdot\dfrac{FS_D}{ES_D}\cdot\dfrac{DE}{DF}=\dfrac{DP_E}{DP_F}\cdot\dfrac{FS_D}{ES_D}\cdot\dfrac{DE}{DF}$
ここで円$BDF$と円$CDE$が直線$EF$と再び交わる点を$G,H$とすれば,三角形$DBP_F$と三角形$DGE$,三角形$DCP_E$と三角形$DHF$は相似なので
$\dfrac{ES_D}{FS_D}=\dfrac{EG}{FH}=\dfrac{BP_F\cdot\dfrac{DE}{DP_F}}{CP_E\cdot\dfrac{DF}{DP_E}}$より
$\dfrac{XP_E}{XP_F}=\dfrac{CP_E}{BP_F}$となる.
したがって$\angle XP_FB=\angle XP_EC$と併せて三角形$XP_FB$と三角形$XP_EC$が相似であることがわかり,$\angle XBP_F=\angle XCP_E$から$A,X,B,C$は同一円周上.

もっと楽に示せそう もっと楽に示せそう

当然、先に$B,C$を定義してから図を作っていっても成り立ちます.計算を主体として示してしまったのでもう少し幾何幾何した解き方を見つけたいところ.

元の問題について.
$S$を定義するために幾つかの円を経由しなければいけません.方べきの比……??とか思いつつも扱いが難しそうなので,点$S$を別の方法でショートカットして定義できないでしょうか.この疑問に対する答えとして以下の補題を示していきます.

$DEF$上に点$P$を取り円$BFP$と円$CEP$が再び交わる点を$Q$,直線$DI$$PQ$の交点を$S$とすれば,$A,F,P,D,E,S$は同一二次曲線上にある.

慣れれば点線が見えてくるようになる、はず 慣れれば点線が見えてくるようになる、はず

$A$と直線$BC$の距離を$d(A,BC)$で表すとする.円$DEF$の半径を$R$とする.
直線$PQ$$EF$の交点を$S_P$とし,円$BFP,CEP$が直線$EF$と再び交わる点をそれぞれ$G’,H’$とする.
$\dfrac{\sin\angle FAP}{\sin\angle PAE}\dfrac{\sin\angle EAD}{\sin\angle DAF}=\dfrac{\dfrac{d(P,AF)}{AP}}{\dfrac{d(P,AE)}{AP}}\dfrac{\dfrac{d(D,AE)}{AD}}{\dfrac{d(D,AF)}{AD}}=\dfrac{\dfrac{d(P,AF)}{d(P,EF)}}{\dfrac{d(P,AE)}{d(P,EF)}}\dfrac{\dfrac{d(D,AE)}{d(D,EF)}}{\dfrac{d(D,AF)}{d(D,EF)}}\cdots\diamondsuit $
ここで三角形$DEG$と三角形$DP_FB$,三角形$DFH$と三角形$DP_EC$,三角形$PEG’$と三角形$PP_FB$,三角形$PFH’$と三角形$PP_EC$はそれぞれ相似なので
$\diamondsuit =\dfrac{\dfrac{P_FB}{EG’}}{\dfrac{P_EC}{FH’}}\dfrac{\dfrac{P_EC}{FH}}{\dfrac{P_FB}{EG}}=\dfrac{FH’}{EG’}\dfrac{EG}{FH}=\dfrac{FS_P}{ES_P}\dfrac{ES_D}{FS_D}=\dfrac{\sin\angle FSP}{\sin\angle PSE}\dfrac{\sin\angle ESD}{\sin\angle DSF}$
より$A,F,P,D,E,S$は同一二次曲線上にある.
点の並びがゴチャりすぎ 点の並びがゴチャりすぎ

この補題により,元の問題を考えるにあたって基本的には点$B,C,I,Q$を考慮する必要はなくなり,補題$2$による定義づけで進めて行けそうになりました.

元の問題ともう少し寄り添いたいので,円錐曲線と円と平行についての関係性についての補題を紹介しておきます.この問題に限らず汎用性の高いものなので,もう既に名前が付いた定理にありそう(というか明らかの扱いになっていそう).

$F,P,D,E$が同一円周上にあり,$F,P,D,E,S$を通る二次曲線と点$S$を通り直線$EF$に平行な直線が再び交わる点を$W$とすれば,$P,D,S,W$は同一円周上.
シンプルな図 シンプルな図

直線$PS$$DF$の交点を$L$,直線$PE$$DW$の交点を$M$とすれば,パスカルの定理より直線$LM$は直線$WS,FE$と平行.したがって
$\angle DLM=\angle DFE=\angle DPM$より$L,P,D,M$は同一円周上であり
$\angle SWD=\angle LMW=\angle SPD$から$P,D,S,W$も同一円周上.
平行をもう一つ生み出して角度を扱いやすくする 平行をもう一つ生み出して角度を扱いやすくする

元の問題に適応しやすくするためにもう少し性質を探っておきます.

定点$A,D,E,F$と点$D$を通る直線$\ell$が与えられており,円$DEF$上に点$P$を取る.$A,F,P,D,E$を通る二次曲線$\mathcal{H}$と直線$\ell$が再び交わる点を$S$とし,点$S$を通り直線$EF$に平行な直線と$\mathcal{H}$が再び交わる点を$W$とするとき,$W$は点$A$を通るある定直線上を動く.

この直線って…… この直線って……

直線$AE$$\ell$の交点を$S_E$,直線$DF$と点$S_E$を通り直線$EF$に平行な直線に交点を$F’$とすれば,パスカルの定理の逆より$W,A,F’$は同一直線上.直線$AF’$は点$P$の位置によらないため,点$W$は点$A$を通る定まった直線上を動く.

円錐曲線で中学初等幾何学をするときに頼りがち定理 円錐曲線で中学初等幾何学をするときに頼りがち定理

というわけでこの直線があの直線であることも示しておきましょう.

$W,A,X$は同一直線上.

W,A,Xを通る点線がある図を用意し忘れた W,A,Xを通る点線がある図を用意し忘れた

補題$2$より$A,X,P_F,P_F$は同一円周上なので
$\angle AXP_E=\angle AP_FP_E=\angle AEF=\angle AS_EF’=180\degree -\angle F’XP_E$
から$F’,X,A$は同一直線上なので補題$5$の証明で$F’,A,W$が同一直線上であったことから$W,A,X$が同一直線上であることがわかる.

少しずつ元の問題に近づいている感 少しずつ元の問題に近づいている感

$X$が重要であることを明示していきます.

$S,D,P,X$は同一円周上.
角度追跡,こんがらがりがち 角度追跡,こんがらがりがち

$\angle DXF’=\angle DS_EF’=\angle DSW$から補題$4$とあわせて$S,D,P,X,W$は同一円周上.

ここまでの補題でようやく円$SDP$に関する性質が分かってきました.補題$2$の定義に戻れば,点$X$を定めるのに点$P$の位置は関係ありません.したがって点$S$を定義するために円錐曲線を経由する必要もなくなり,円$DPX$を描ければよいことが分かります.
そろそろ元の問題をさらに具体的に解きたいので,ここまで登場しなかった点$U$を検討します.

$DXS$と直線$US$,円$DXS_E$と直線$US_E$,円$DXS_F$と直線$US_F$が再び交わる点をそれぞれ$T,T_E,T_F$とする.
このとき$U,X,T,T_E,T_F$は同一円周上.

T周りの点はこんなに必要なかったかも T周りの点はこんなに必要なかったかも

$\angle UTX=\angle SDX, \angle UT_EX=\angle S_EDX, \angle UT_FX=\angle S_FDX$より$U,X,T,T_E,T_F$は同一円周上.

これにより点$T$が存在しうる定円$\omega$は補題$8$で示した円そのものであることが分かるはずで,さらに円$\omega$と円$SDP$が再び交わる点$K$が実は点$X$だったことも分かります.
これらをまとめて元の問題を解いてきましょう.

三角形$ABC$と定点$U,I$および直線$AC,AB$上の定点$E,F$について,円$BFI$と円$CEI$が再び交わる点を$D$とし,円$DEF$上に点$P$を取る.円$BFP$と円$CEP$が再び交わる点を$Q$とし,直線$PQ$と直線$DI$の交点を$S$とする.直線$US$と円$SDP$が再び交わる点を$T$とするとき,点$P$に依らず点$T$はある定円$\omega$上に乗るので,円$\omega$と円$SDP$が再び交わる点を$K$とし,直線$AK$$\omega$が再び交わる点を$V$とする.このとき,直線$EF$と直線$UV$は常に平行である.
エグいけど見え方が変わったのでは エグいけど見え方が変わったのでは

補題$2$で定めた点$X,S_E$および補題$8$で定めた点$T_E$から円$XUT_E$を定義する.この円は点$P$の位置に依らない.
補題$8$より点$T$はこの円周上にあるため,円$XUT_E$は円$\omega$であることが分かる.補題$7,8$より点$X$は点$K$と一致することが分かる.よって
$\angle KVU=\angle XVU=180\degree -\angle XT_ES_E=180\degree -\angle XF’S_E$
より直線$UV$と直線$S_EF’$は平行なので,直線$UV$と直線$EF$は平行.

補題で要素がだいぶ減った図 補題で要素がだいぶ減った図

というわけで補題がだいぶ嵩んでしまったが,解けているのではないかと思います.
どこかで致命的な間違いがあったら申し訳ないです.

投稿日:14日前
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立見鶏
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