今回は、Jordanの補題とCauchyの主値積分を扱い、いよいよ留数定理を使った問題が色々解けるようになっていきたいと思います。
まず解けるようになりたい問題はこちらです。
を求めよ
これを複素積分を使って解くために、実軸上を
三角関数は積分する際は指数関数に直した方が扱いやすいので、一旦
です。第一項目は、
となり、
こんな時に使えるのがJordanの補題です。
0に収束するやつがさらに指数関数で抑えられてたら、線積分しても0だよっていう話です。
なので、
ここで、一様収束性より、任意の
よって、
問題1で登場した式にもこの補題が適用できます。
つまり、
となります。
それでは、この式の左辺はどう計算すれば良いでしょうか?
留数定理を使いたいところですが、
前回紹介した留数定理によれば、特異点が全て閉曲線内にある時は
でした。経路上の点まで考えたい時は、
のようにして、中にある時の半分だけカウントします。左辺は、Cauchyの主値積分をしましたよ、という意味の記号です。
今回の場合、0での留数は
ここまで読んでくださりありがとうございました。今回までで、院試で聞かれるような問題はあらかた解けるようになっているはずなので、次回以降は東大の院試を例題にしていくつか問題解説などを投稿しようと思います。