この記事では、下の式を一般化して解きます。
タイトルの通り、上下から不等式評価する際にそれぞれ相加相乗平均の不等式を用います.
具体例1
実数をパラメータとし、を定義域とする関数を
と定義する。
は(を固定して)のみを動かした場合の最小値を表します。
ちなみに、今回とほぼ同様のやり方で↓の具体例2も証明できます.
しかし、具体例2も含むように一般化しようとすると流石に煩雑すぎるので、省かれています.
まず、の定義などを一般化します。
,はで定義された連続関数.
,は上の連続関数.
は2以上の整数. ,,は正の実数.
これらは以下の条件を満たすとする.
・任意ので
・
・
・
・
はより小さい正の整数.
ただし,はによって定まるの関数で,定義域は.
この命題を示します。(これは例1の一般化になってます)
解答を3ステップに分けます.
- が存在することを示す.
- を最小にするはで0に収束することを示す.
- 極限値を求める.
より, あるが存在して,
は閉区間なので,
は存在する.
よって,は存在する.
ステップ2 最小値をとるの極限
,を上のように定義すると、次が成り立つ.
つまり、を最小にするはで0に収束する.
補足:は最小値をとるの集合を返す関数と定義しているので、をもちいています.
また、は・・の頭文字をとって適当に名付けただけの関数です.
は,かつにおいて単調減少なので収束する.
と仮定する.
正の整数について
かつ
を満たす数列がとれる.
また、
かつ
を満たす数列がとれる.
より、
で , なので
ここで、 の最小性より、
これは矛盾.
よって、
とする.( ただし、は任意の正の実数)
ここで相加相乗平均の不等式を用いると
等号成立条件は、
当然このに対しても、先ほどの不等式は成立するので
任意のについてを満たす関数をとる.
ステップ2より,である.
以下,簡単のためとする.
ただし、不等号の部分は相加相乗平均の不等式を用いた.
以上より、
最初の例1に戻って解いてみます.