本記事ではオペレータ積の形で軸性ベクトルカレントを扱い、正則化をpoint splittingで行うことでABJ anomalyを導きます。
参考文献はRef.[1]です。というかその日本語訳+という感じです。
Point splittingによる正則化
軸性ベクトルカレントは通常次のように書きます:
ここではオペレータとします。しかしこの表式はwell definedではありません。なぜなら同一点のオペレータの積は発散を含むからです。そこでをに、をに置くことで正則化します。ただしこれを行うとgauge invarianceが失われるため、との間をWilson line
で結びます。このように定義したの発散は以下のようになります:
ここでは、を以下を満たすようにとることを意味します:
これはすなわちを回転対称性を保つようにゼロに近づけるということです。
Eq.(1)を計算していきます:
EoM:を用いれば
これは一見でゼロにみえますが、の期待値がこの極限で発散するため有限になります。
4次元において、background field が存在するとき、fermionの伝播の最低次は図1のダイアグラムです。これを計算すると
Fermion伝播の最低次のダイアグラム
となります(は演算子とのWick contractionを表す)。これはとともにtrをとるとゼロになるので寄与しません。back ground field の寄与を1つ含むfermionのpropagation(図2。はを表す)は以下のように計算できます:
Fermion伝播ののダイアグラム
よってこのダイアグラムによるへの寄与は以下のようになります:
分子でが2つかかるものはtrで消えます。また被積分関数のが大きな部分がの極限で発散に寄与するので
ここで
であり、は無視できるので
Appendixの計算より
となります。ゆえにEq.(2)は
となります。これはsymmetric limitでで発散します。よってEq.(2)のと積をとることで有限の寄与を与えます。計算すれば
を得ます。これはこれまで計算してきた結果と一致します。
おしまい。
Appendix: Eq.(3)の導出
(※数学的には厳密でない議論かと思いますがご容赦ください)
を計算します。まずEuclid化します:
極座標に移り書き直せば
ただしです。はとのなす角です。の積分でnaiveにを変数変換するとの寄与は消えます。しかしこの積分はinfraredで発散しています(UVはならばに依存しない有限の寄与)。そこで、発散を取り除くのと、に依存した部分のみを取り出すために、積分を
とします(こういう正則化を採用したと思ってください)。計算を進めると
ここで積分の上端の無限大の寄与は無視します(の積分経路を実軸から少しだけ傾けてdamping factorを導入したと思っても良い)。すると
となります。以上より
を得ます。