記法:
定義1
を次のように定義します.
をなくす場合は とすればよいです.
微分方程式1
の微分方程式を導出します.
よって
となります.
1
微分方程式を用いての
を計算することができます.ただし,のが既知である必要があります.一般のに対しての微分方程式を求めるのは少し難しいので,そこはそれぞれのに対して適宜求めていくことになるかもしれません.のをそれぞれ
と書くことにします.の両辺にを掛けて部分積分を繰り返すことでの漸化式を求めることができます.
でとして整理すると
となります.この式をもっての計算をしてみます.
よって
となります.
とすれば
となります.とした場合は,
となります.
微分方程式でのとき,
であり,
となります.とした場合はどうなるでしょうか.右辺第1項のみで考えます.
ちょっとよくわからないです.
定義2
ここまで,の係数にが付くタイプを計算しましたが,分母につく場合はどうなるでしょうか.すなわち
と定義します.
微分方程式2
の微分方程式は
よって
となります.が満たす微分方程式とが満たす微分方程式が一致していることになります.
2
について考えてみます.
微分方程式は
です.これを用いてを計算すると,
となります.ここでとします.明らかに収束する部分は無視しつつ,右辺の2,3,5,6項をの係数とそうでない部分を分けます.すなわち
の二つを考えます.他の項が収束するので,この二つはそれぞれ収束するのではないでしょうか.
これらの級数をWolfram Alphaに入力してもいい結果は出力されません.なのでなんとか多少秩序を孕んだ表示にしてみました.
先ずについて,
ので,
また,については
ので,
となります.したがっての漸化式は
となり,
となります.
多重級数
冒頭の定義のようにすれば,一般の多重級数となりますが,ここでは基になる単級数で計算できればそれ以降も連鎖的に定義および計算できる多重級数を考えます.そこで,次の性質を用います.
マクローリン級数を
と定義すれば,
また,
と定義すれば,
証明は次のようになります.
また,これによりの moment が計算できれば,
などの多重級数の moment を計算できることになります.
を含む
これまでは中央二項係数でしたが,次はを含む級数を定義してその微分方程式およびを探っていこうと思います.
を
と定義します.の微分方程式は
となります.同様にのを計算すると
となります.とし,右辺第1,2,4,5項をの係数とそうでない部分に分けて考えます.すなわち
とします.
を求めるために,次の等式を用います.
したがって,漸化式は
となります.例えばの場合
であり
となります.Wolfram Alphaによればです.
有限級数
微分方程式の導出方法から,有限級数でもほぼほぼ同じ計算ができそうな気がします.例えば
と定義します.微分方程式は
です.
の場合,は
となります.これをみると全く自明な式です.やで多少その自明さがマスクされるのでしょう.一般のでは
となります.を多項式にする場合はをとなるようにすればいいです.
を実際に書くと
です.これを受けて,が負の場合も考えてみます.すなわち
と定義します.このときのを
とします.の微分方程式は
となり,一般ので
となります.この式においてをとした後とすれば
を得ます.の場合,
であり,両辺の母関数を考えると
となります.の場合は,
の場合は
の場合は
となります.
また
において,をとした後とすれば
を得ます.の場合,
の場合,
の場合,
となります.
分母のべき指数を上げる場合は,をいじる前にで微分すればいいと思います.すなわち
とおき,簡単の為とした
の両辺を微分すれば
となります.ここから偶奇でわけてなど代入すればが求まります.具体的にの場合は,
であり,
のように計算できます.
同様に
でも計算できると思います.すなわち,
とすれば
が成り立ち,
とすれば
が成り立ちます.
ニ重化
定義1のように,二重級数の有限和を定義することもできそうです.すなわち
とします.畳み込みとなるについて微分方程式は
であり,は
で計算できます.