$f:[0,1]\times [0,1]\to\mathbb{R}$を$$f(x,y)=\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{ll}
1 & (x\text{ は無理数}) \\
1 & (x\text{ は有理数、}y\text{ は無理数}) \\
1-\frac{1}{q} & (x\text{ は既約分数で、 }x=\frac{p}{q}\text{ と表され、}y\text{ は有理数})
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$で定義する。
Fubiniの定理に関するRemark 4に、$f$は積分可能であり、$\int_{[0,1]\times [0,1]} f=1$であると書いてある。
これを証明する。
Problem 3-7
の$x$と$y$の役割を交換した関数を$g:[0,1]\times [0,1]\to\mathbb{R}$とすると、$\int_{[0,1]\times [0,1]}g=0$であり、任意の$(x,y)\in [0,1]\times [0,1]$に対して、$f(x,y)+g(x,y)=1$である。
$\int_{a}^{b}f(x)-g(x)\,dx=\int_{a}^{b}f(x)\,dx-\int_{a}^{b}g(x)\,dx$が成り立つことの証明と同様にして、$f,g$が$[0,1]\times [0,1]$で積分可能であるとき、$f-g$も$[0,1]\times [0,1]$で積分可能であり、$\int_{[0,1]\times [0,1]}f-g=\int_{[0,1]\times [0,1]}f-\int_{[0,1]\times [0,1]}g$が成り立つことを証明することができる。
$1$および$g$は$[0,1]\times [0,1]$で積分可能であるから、$f=1-g$も$[0,1]\times [0,1]$で積分可能であり、$\int_{[0,1]\times [0,1]}f=\int_{[0,1]\times [0,1]}1-g=\int_{[0,1]\times [0,1]}1-\int_{[0,1]\times [0,1]}g=1-0=1$が成り立つ。