$X$を集合するとき、写像$\phi : X×X\to X$のことを集合$X$上の演算という。
$\phi(a,b)$のことをabと書くことにする。
$G(\neq \varnothing)$を集合とする。$G$上の演算が定義されていて次の性質を満たすとき、$G$は群という。
群を表す集合として$G$をよく用いるがこの$G$はGroup(群)から来ていて、Gunとは関係がない、、はず!
上の演算$ab$のことを群の積という。単位元は1と書くこともある。また、どの群の単位元であるかを示すために、単位元を$1_G$と書くこともある。集合$G$が群になるとき「集合$G$には群の構造が入るという」
$a,b$が群$G$の元で$ab=ba$を満たすとき、$a,b$は可換であるという。$G$の任意の元$a,b$が可換なら、群$G$は可換群(またはアーベル群)であるという。また、可換群でなければ非可換群という。
可換群の場合、積のことを「和」と呼ぶこともある。またこの場合、群の演算を$ab$でなく$a+b$と書くことも多い。演算を$a+b$と書くとき、単位元を$0$または、$0_G$$a$の逆元を$-a$と書く。
$G$が群であるとき、その元の個数を群$G$の位数といい、$|G|$とかく。
位数が有限である群を有限群といい、位数が有限でないものを無限群という。
群$G$と$a\in G,n\in \mathbb{N}$に対し、
$\mathbb{Z},\mathbb{Q},\mathbb{R},\mathbb{C}$は通常の加法により可換群となる。この時、単位元は$0$、$x$の逆元は$-x$、$x$の$n$個の和は$nx$
$\mathbb{N}$が群となるように演算を一つ定めよ。
写像$\psi :\mathbb{N}\to \mathbb{Z}$を$\psi (n)=(-1)^{n}(2n+(-1)^{n}-1)/4$で定義すると写像$\psi$は$\mathbb{N}$から$\mathbb{Z}$への全単射となる。
$\mathbb{N}$上の演算$\phi$を$\phi :\mathbb{N}×\mathbb{N}\ni (a,b)\mapsto \psi^{-1} (\psi(a)+\psi(b))\in \mathbb{N}$で定義すれば、$\mathbb{N}$はこの演算で可換群となる。
問1.1 (かんたんかも)
上の演算で定義された可換群$\mathbb{N}$の単位元、逆元の存在をそれぞれ確かめよ。
$\mathbb{Q}\backslash \{0\},\mathbb{R}\backslash \{0\},\mathbb{C}\backslash \{0\}$は通常の乗法により可換群となる。この時、単位元は$1$、$x$の逆元は$x^{-1}$
$\mathbb{Z}\backslash \{0\}$は通常の乗法に関して群にならないことを示せ。
$G=\{a,b\}$を集合とし、$G$上の演算を次のように定義する。
演算をまとめたやつ↓ (乗法表という)
a | b | |
---|---|---|
a | aa=a | ab=b |
b | ba=b | bb=a |
例3で定義した群$G$が群となることを確かめよ。