この記事では、積分で定義される関数を、複素平面全体で定義された有理型関数へ解析接続する重要な手法について、問題を通して紹介します。
ここで紹介する手法は、ガンマ関数やゼータ関数の解析接続など、複素解析の様々な所で出てくる有用な考え方なので、ぜひ出来るようになっておきましょう。
(1)まず、収束性を確かめる。
最後の式は、
次に、
そこで、
と評価でき、最後の式は
よって、
さて、一般に領域上の正則関数列の広義一様収束極限は正則関数となるから、あとは
そのため、まず
ある
コンパクト集合
したがって、
となる。ここで、最後の等式では、
したがって、Moreraの定理より、
(2)
が、
また、
となる。最後の級数の収束は
よって、
その主要部は、
よって、留数は、
となる。(証明終)
上の証明で出てきた有理型関数からなる級数の収束については、Cartanの本の説明が分かりやすいのでオススメです。
また、私の過去の記事「正の偶数に対するゼータ値ζ(2n)を有理型関数の部分分数展開を用いて求める方法」
https://mathlog.info/articles/8YAcGHiDGBuI2npDZE3O
でも軽く扱っています。
また、上と同様の手法を用いたガンマ関数やゼータ関数の解析接続については、例えばSteinとShakarchiの本に載っています。
この方法の良い点は、あまり上手い関数等式を使わずとも比較的簡単に出来るという点と、解析接続した有理型関数項級数の形から極やその留数が簡単に分かる所です。
今回はこれで終わりたいと思います。お疲れ様でした。