ここでは東大数理の修士課程の院試の2024B01の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。
2024B01
整数に対し次正方行列の集合を考え、その巾ゼロ行列全体の為す集合を考える。ここでの部分群について、に含まれる-共役による共役類の個数をとおく。
- の値を求めなさい。
- が奇数のときであることを示しなさい。
- の値を求めなさい。
- まずこれらの同値類はジョルダン標準形で代表される。のとき巾ゼロ行列は
及びで代表されるものに限られるから求める値はである。 - いま行列がを用いてと表されたとする。ここでと置いたとき、が奇数であることから実数をとることができ、とすればこれはの元であり、しかもを満たす。以上から結果が従う。
- まずについては対角行列で一成分だけが、それ以外の対角成分がであるような行列で共役をとって不変であるから、これらを含むによる共役類はによる共役類になっている。次にであり、ここでであったとする。このときこの式の左辺から(1,1)成分が,その他の対角成分がであるような行列をかけることでは行列
に共役になるから、の-共役類の元はのいずれかに-共役である。同様にの-共役類の元はまたは
のいずれかに-共役である。また(resp.)に関して(resp. )になるようなについてであることが直接計算することでわかる。以上から共役類の個数はである。