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東大数理院試過去問解答例(2024B01)

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ここでは東大数理の修士課程の院試の2024B01の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。

2024B01

整数n2に対しn次正方行列の集合Mn(R)を考え、その巾ゼロ行列全体の為す集合Nnを考える。ここでGLn(R)の部分群Gについて、Nnに含まれるG-共役による共役類の個数をcn(G)とおく。

  1. c4(GL4(R))の値を求めなさい。
  2. nが奇数のときcn(GLn(R))=cn(SLn(R))であることを示しなさい。
  3. c4(SL4(R))の値を求めなさい。
  1. まずこれらの同値類はジョルダン標準形で代表される。n=4のとき巾ゼロ行列は
    A=(0100001000010000)
    B=(0000001000010000)
    C=(0000000000010000)
    D=(0100000000010000)
    及び0で代表されるものに限られるから求める値は5である。
  2. いま行列M,NgGLn(R)を用いてgMg1=Nと表されたとする。ここでd=detgと置いたとき、nが奇数であることから実数c=dnをとることができ、h=c1gとすればこれはSLn(R)の元であり、しかもhMh1=Nを満たす。以上から結果が従う。
  3. まずB,C,0については対角行列で一成分だけがd、それ以外の対角成分が1であるような行列で共役をとって不変であるから、これらを含むGL4(R)による共役類はSL4(R)による共役類になっている。次にgMg1=Aであり、ここでdetg=d<0であったとする。このときこの式の左辺から(1,1)成分がd,その他の対角成分が1であるような行列をかけることでMは行列
    A=(0100001000010000)
    に共役になるから、AGL4(R)-共役類の元はA,AのいずれかにSL4(R)-共役である。同様にDGL4(R)-共役類の元はDまたは
    D=(0100000000010000)のいずれかにSL4(R)-共役である。またA,A(resp.D,D)に関してA=gAg1(resp. D=gDg1)になるようなgについてdetg<0であることが直接計算することでわかる。以上から共役類の個数は1+1+1+2+2=7である。
投稿日:202447
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藍色の日々。趣味の数学と院試の過去問の(間違ってるかもしれない雑な)解答例を上げていきます。リンクはX(旧Twitter)アカウント 

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