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東大数理院試過去問解答例(2013A06)

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ここでは東大数理の修士課程の院試の2013A06の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです

2013A06

$n$次元$\mathbb{C}$線型空間$V$をとり、$V^{\otimes4}$の自己準同型$f,g$
$$ f(a\otimes b\otimes c\otimes d)=d\otimes a\otimes b\otimes c $$
$$ g(a\otimes b\otimes c\otimes d)=d\otimes a\otimes b\otimes c-b\otimes c\otimes d\otimes a $$
で定義する。このとき$f,g$はいずれも対角化可能であることを示し、固有値と固有空間の次元を求めなさい。

 まず$f$の最小多項式は$X^4-1$である。特に$f$は対角化可能であり、その固有値は${\color{red}\pm1,\pm i}$である。$e_1,\cdots,e_n$$V$の基底とすると、$e_i\otimes e_j\otimes e_k\otimes e_\ell$で表される元全体は$V^{\otimes4}$の基底を為している。$f$はこの集合を保ち、$f$で不変な元は$e_i\otimes e_i\otimes e_i\otimes e_i$の形の元$n$個だけなので、$\mathrm{tr}(f)=n$である。同様に$\mathrm{tr}(f^2)=n^2$である。以上から$1,-1,i,-i$の固有空間の次元を$a,b,c,d$とすると、
$$ a-b+i(c-d)=n $$
$$ a+b-(c+d)=n^2 $$
である。ここで$a+b+c+d=n^4$であることを考慮すれば、
$$ {\color{red}(a,b,c,d)=\left(\frac{n^4+n^2-2n}{4},\frac{n^4+n^2+2n}{4},\frac{n^4-n^2}{4},\frac{n^4-n^2}{4}\right)} $$
であることが分かった。
 次に$g$について考える。$g=f-f^{-1}$であることを考慮すると、$f$の固有空間は$g$の固有空間にもなっていて、$f$の固有値$1,-1,i,-i$の固有ベクトルを$x,y,z,w$とおくと、
$$ g(x)=g(y)=0 $$
$$ g(z)=2iz $$
$$ g(w)=-2i w $$
である。以上から$g$が対角化可能であることが分かると同時に、$g$の固有値は${\color{red}0,\pm 2i}$であること、$0,2i,-2i$に関する固有空間の次元は
$$ {\color{red}\frac{n^4+n^2}{2},\frac{n^4-n^2}{4},\frac{n^4-n^2}{4}} $$
であることが分かる。

投稿日:1日前
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藍色日和
藍色日和
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藍色の日々。趣味の数学と院試の過去問の(間違ってるかもしれない雑な)解答例を上げていきます。リンクはX(旧Twitter)アカウント 

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