こんにちは.
今回は, 東大作問サークルさんに教えてもらった, 次の問題を解いていこうと思います.
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チェスにおいて, ナイトの駒は4方向に桂馬飛びができ, この移動を繰り返すことで(チェス盤が無限に広ければ)全てのマスに到達できることが知られている.
では一般に, 自然数$m,n$に対し, 座標にして$\ds\binom{\pm m}{\pm n}, \binom{\pm n}{\pm m}$の「桂馬飛び」移動ができる駒を考えたとき, これが全てのマスに到達できるような$m,n$の必要十分条件は何か?
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$\ds\binom{\pm m}{\pm n}, \binom{\pm n}{\pm m}$が$\Z$上生成する$\Z^2$の部分加群を$M$とする. $m$と$n$が互いに素なことが必要なのは明らかなので以下これを仮定する.
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$\ds\binom{2m}{0}, \binom{2n}{0}\in M$より$\ds\binom{2}{0}\in M$である. 同様に$\ds\binom{0}{2}\in M$なので$(2\Z)^2\subset M$である.
部分加群の対応定理より, $\Z^2/(2\Z)^2\cong (\Z/2\Z)^2$への$M$の像$\tilde{M}$を調べれば良い.
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ここで, $f: \Z^2\to \Z^2$を第1成分と第2成分の入れ替えで定めると, $f((2\Z)^2)=(2\Z)^2$より$\tilde{f}:(\Z/2\Z)^2\to (\Z/2\Z)^2$が誘導される. さらに$M$の生成元の形から$f(M)=M$であることから, $\tilde{M}$は$\tilde{f}$安定である.
このような$ (\Z/2\Z)^2$の部分群は, $0$または$\{(0,0), (1,1)\}$または$(\Z/2\Z)^2$全体の$3$通りしかない.
これらは$\Z^2$の部分加群に戻すとそれぞれ$N_1=(2\Z)^2,\ N_2=\binom{1}{1}\Z+\binom{1}{-1}\Z,\ \Z^2$に対応し, $M$としてあり得るのはこの3通りである.
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$N_1\subset N_2\subset \Z^2$なので, $\ds M=\Z^2 \iff\binom{m}{n}\in\Z^2\backslash N_2$ となる.
最後にこの条件を簡単に言い換えると, 「$m,n$が互いに素でかつ偶奇が異なること」となる.
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さらに次のような見方もできます. (ChatGPTに手伝ってもらいました.)
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上と同様に, 一般にこの駒が動けるマスの集合$M$を調べる.
$\Z^2$を$R=\Z[\sqrt{-1}]$と同一視すると, $M$は$m+ni$とその複素共役が生成する$R$のイデアルに等しい, 従って$M$は複素共役不変なイデアルである.
そのような$M$の生成元の素元分解において複素共役な素元の指数は一致しているから, それらをまとめることで$M=((1+i)^e \cdot N),\quad e=0\,or\, 1,\ N\in\Z$ と書ける. ($R$がPIDであることを用いた.)
$M=R$となる$m,n$の必要十分条件は$m+ni$が上の形の非自明なイデアルのどれにも含まれないことであるから, 答えは「$m+ni\notin(1+i)$即ち$m,n$の偶奇が異なる」かつ「$m+ni\notin (N),\ \forall N>1$即ち$m,n$が互いに素」である.
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最初$\Z[D_4]$加群と見て調べなきゃいけないと思ったのですが, ChatGPTが$\Z[\sqrt{-1}]$と共役を考えたらいいよと教えてくれました.
ただ, これを3次元に拡張しようとするとひとつめの解法でないと使えなさそうです.
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それでは, ここまで読んでくださった方, ありがとうございました.
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