動機
距離化可能定理を大学の講義で学びましたが、距離が入ると何が嬉しいのかあまり知らないな、と思ったので記録ついでにやっていこうと思います。距離があることの喜びを知るぞ。
距離とは
今回扱っていく距離は値にも許すものです。
距離空間
を集合とする.関数は次の条件を満たすとき距離という.
任意のに対し
(1)ならであり,
(2),
(3).
組を距離空間という.また,ならば以外の条件を満たすとき半距離という.
以後をと表記します.で中心半径の開球を表します.
を上の半距離とする.上の同値関係を
により定める.上に自然に定まるによりは距離空間となる.
やはり距離空間なので距離を保つ写像は重要です。
等長写像
を距離空間とする.写像は任意のに対して
を満たすとき,距離を保つという.
さらに,距離を保つ写像が全単射のとき,等長写像という.
有用な概念をいくつか定義します.
ネット
を距離空間,とする.部分集合は,任意のに対しを満たすときネットという.
特に全有界であることと任意のに対して有限なネットが存在することが同値です.
無限を許す距離はコンパクトな距離空間に対しては通常のコンパクト距離空間の位相的な直和になることがわかります。
距離空間がコンパクトなら,その上で距離関数が有限の値をとるような有限個のコンパクト部分集合の和である.
はの開被覆だから,のコンパクト性により有限部分被覆を取り出すことができる.このとき,ならである.実際,とするとなので.よって.逆の包含も同様なので.
さらに各で距離関数は有限な値をとる.必要なら等しい集合を除きが成り立つようにする.なので各はコンパクトである.