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ここでは東大数理の修士課程の院試の2008A05の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです
2008A05
位相空間$X$及び$Y$を、集合としては共に$\mathbb{R}$であり、前者は補有限位相、後者は通常の位相を入れたものとする。
- $X$から$Y$への連続写像は定数関数のみであることを示しなさい。
- $\mathbb{R}$から$\mathbb{R}$への写像で、$Y$から$Y$への写像としては不連続でありかつ$Y$から$X$への写像としては連続なものを一つ挙げなさい。
- $f$が非定数関数とする。$x\in\mathbb{R}$を取り、自然数$n$に対し$I_n:=f^{-1}\left(\left[-\infty,f(x)-\frac{1}{n}\right]\cup\left[f(x)+\frac{1}{n},\infty\right]\right)$とおくと、
$$
\mathbb{R}\backslash f^{-1}(f(x))=\bigcup_{n=0}^\infty I_n
$$
である。このとき各$I_n$は有限集合なので右辺は高々可算集合である一方、左辺は$f$の非定数性と補有限位相の定義から非可算集合であるので、矛盾する。 - $(1,2)\cup(3,4)$及び$\mathbb{R}$は共に濃度が等しいから全単射$b:\mathbb{R}\to (1,2)\cup(3,4)$が存在し、これに包含$(1,2)\cup(3,4)\subseteq \mathbb{R}$を合成した写像$f:\mathbb{R}\to\mathbb{R}$を考える。有限集合の$f$による逆像は有限集合なので、$f:Y\to X$は連続写像である。一方$f:Y\to Y$が連続とすると、$f^{-1}(1,2)\cup f^{-1}(3,4)$が連結空間$Y$の非交和な開被覆になっているから矛盾する。よって$f:Y\to Y$は連続ではない。