我々は$3$次元の世界に生きているが、時間という概念を無視すれば、選択公理は必ず正しく、選択公理を公理系に含めるか否か、考える必要がない。常に含めてよくなる。
ある十分小さい時間に1つのものを自身に追加する機械、あるいは、ある十分小さな区間を往復する物体$A$を含む機械を考える。ものの個数が元の数、または、$A$が一回往復する度に集合に元が$1$つ追加されるとする。
今我々が考えているのは、時間を変数に持つ$4$次元の世界だとする。
今、時間$t$を無限大に持っていく。すると、集合に無限個の元が追加される。
物体$A$は、いきなり無限回の往復を終えたことになる。それに従い、集合にも無限個の元が追加されている。
つまり、架空の時間$t$を変数に持つ世界で無限個の元を持つ集合を作り、それができた後の$t$の値を好きな所で$0$と定め、そこから計算するか、時間を変数$t$と$u$の$2$変数関数で$t+u$と置くか、時間を変数として全く使わないか、この$3$つの内のいずれかを選べば、選択公理により無限集合を作ることが自由にできる。