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ベクトル解析から代数トポロジーへ3 ~Helmholtz分解からHodge分解、Poincare dualityまで~

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$$\newcommand{bm}[1]{\boldsymbol{#1}} $$

前回→ ベクトル解析から代数トポロジーへ2 k次微分形式とベクトル解析

Helmholtz分解とHodge分解

この章ではベクトル解析でやるだろうHelmholtz分解を代数トポロジー的に見たらどうなるかを考察していこう。まずHelmholtz分解を紹介する

Helmholtz分解

$^\forall F\in\mathfrak{X}(\mathbb{R}^3)$, $^\exists \varphi\in C^\infty(\mathbb{R}^3)$, $^\exists A\in \mathfrak{X}(\mathbb{R}^3)$ s.t. $F=-\mathrm{grad} \varphi +\mathrm{rot}A$

どんな$\mathbb{R}^3$で定義されたベクトル場でも$\mathrm{grad}$$\mathrm{rot}$を使えばかけるという定理だ。逆に言えばその二つでどんなベクトル場も分解できるという定理だ。分解という視点で見ると
$$\mathfrak{X}(\mathbb{R}^3)=\mathrm{Im}\ \mathrm{grad}\oplus\mathrm{Im}\ \mathrm{rot}$$
という風に表せる。証明にはPoisson方程式 $\Delta\varphi =\mathrm{div}F$を解けばいいが、これを代数トポロジー的に示す方法を考えてみよう。$\mathbb{R}^3$で定義されているベクトル場を考えていて$\mathbb{R}^3$は可縮であるから、de Rhamコホモロジーは自明である。よって以下のde Rhma複体
$\xymatrix@C=20pt@R=4.5pt{ 0 \ar[r]& C^\infty(\mathbb{R^3}) \ar[r]^{\mathrm{grad}} & \mathfrak{X}(\mathbb{R}^3) \ar[r]^-{\mathrm{rot}} & \mathfrak{X}(\mathbb{R}^3) \ar[r]^-{\mathrm{div}} & C^\infty(\mathbb{R^3}) \ar[r] & 0\ }$
に対して、可縮性より第2コホモロジーが0であることから$\mathrm{Im}\ \mathrm{grad} = \mathrm{ker}\ \mathrm{rot}$が成り立つ。$\mathfrak{X}(\mathbb{R}^3) \xrightarrow{\mathrm{rot}} C^\infty(\mathbb{R}^3)$に対して準同型定理を適応すると
$$\mathfrak{X}(\mathbb{R}^3)/\mathrm{ker} \ \mathrm{rot} \cong \mathrm{Im}\ \mathrm{rot}\ \Leftrightarrow\ \mathfrak{X}(\mathbb{R}^3)/\mathrm{Im} \ \mathrm{grad} \cong \mathrm{Im}\ \mathrm{rot}$$
$$\Leftrightarrow\ \mathfrak{X}(\mathbb{R}^3)=\mathrm{Im}\ \mathrm{grad}\oplus\mathrm{Im}\ \mathrm{rot}$$
から示される。こんなに簡単な証明で済んでしまうのはde Rhamコホモロジーが穴を表してるという事実に由来している。これを示すのは多大な労力が必要だろう。またこの証明には1次元穴が無いという仮定があれば十分だから1次コホモロジーが自明であればわかる。例えば球面上のベクトル場もHelmholtz分解ができるて、円柱状のベクトル場はHelmholtz分解ができないことがわかる。実はこのような場合は調和項というものを考えれば分解が上手く行くことが知られている。

$\mathrm{grad}$(完全形式、つまりは$\mathrm{Im}\ \mathrm{grad}$の元), $\mathrm{rot}$(双対完全形式、全頁の余微分が外微分$\mathrm{grad}$などの双対だと思えばいい), 調和形式の3つでどんな空間のベクトル場でも分解できるという定理がHodge分解と呼ばれているものだ。

まずは双対完全形式から説明しよう。そのためにde Rham複体の上で余微分を流してみよう。とりあえずHodgeスター$*:\bigwedge^k T^*\mathbb{R}^n\to\bigwedge^{n-k} T^*\mathbb{R}^n$で定義され、$*d*$を余微分というんだった。実際には符号を調節すべきなので、それを考察しよう。まずは$\omega=fdx\wedge dy+gdy\wedge dz+hdz\wedge dx\in\bigwedge T^*\mathbb{R}^3$を考えよう。
$\xymatrix@C=20pt@R=20pt{ && *\eta &\omega \ar@{(-}[d] \ar@/^30pt/@{|->}[ddd]\\ 0 \ar[r] & \bigwedge^0 T^*\mathbb{R}^3 \ar[r]^{d} \ar@<0.75ex>[d]^-{*} & \bigwedge^1 T^*\mathbb{R}^3 \ar[r]^-{d} \ar@<0.75ex>[d]^-{*} & \bigwedge^2 T^*\mathbb{R}^3 \ar[r]^-{d} \ar@<0.75ex>[d]^-{*} & \bigwedge^3 T^*\mathbb{R}^3 \ar[r] \ar@<0.75ex>[d]^-{*} & 0\\ 0 & \bigwedge^{3-0} T^*\mathbb{R}^3 \ar[l] \ar@<0.75ex>[u]^-{*} & \bigwedge^{3-1} T^*\mathbb{R}^3 \ar[l]^-{d} \ar@<0.75ex>[u]^-{*} & \bigwedge^{3-2} T^*\mathbb{R}^3 \ar[l]^-{d} \ar@<0.75ex>[u]^-{*} & \bigwedge^{3-3} T^*\mathbb{R}^3 \ar[l]^-{d} \ar@<0.75ex>[u]^-{*} & 0 \ar[l] \\ && \eta \ar@/^30pt/@{|->}[uuu] & fdz+gdx+hdy \ar@{|->}[l]& }$
ここで
$$\begin{array}{rcl} \eta &=& (f_xdx+f_ydy)\wedge dz + (g_ydy+g_zdz)\wedge dx + (h_xdx\wedge+h_zdz)\wedge dy\\ &=& (-g_y+h_x)dx\wedge dy + (-h_z+f_y)dy\wedge dz + (-f_x+g_y)dz\wedge dx \end{array}$$
$$\begin{array}{rcl} \leadsto*\eta &=& (-g_y+h_x)dz + (-h_z+f_y)dx + (-f_x+g_y)dy \end{array}$$
である。3次微分形式$fdx\wedge dy\wedge dz$$*d*$で写せば
$$\begin{array}{rcl} *d*(fdx\wedge dy\wedge dz) &=& *d(f)\ =\ *(f_xdx + f_ydy + f_zdz)\\ &=& f_xdy\wedge dz + f_ydz\wedge dx + f_zdx\wedge dy \end{array}$$
また全頁の計算から
$$\begin{array}{rcl} *d*(fdx + gdy + hdz) &=& *d(fdy\wedge dz + gdz\wedge dx + hdx\wedge dy) \\ &=& *\qty{(f_x+g_y+h_z)dx\wedge dy\wedge dz}\\ &=& f_x+g_y+h_z \end{array}$$
これらの計算をまとめて図式に書き込む。
$\xymatrix@C=20pt@R=20pt{ && fdx+gdy+hdz \ar@{|->}[r] & (-f_y+g_x)dx\wedge dy + (-g_z+h_y)dy\wedge dz + (-h_x+f_z)dz\wedge dx &\\ & f \ar@{|->}[r] & f_xdx+f_ydy+f_zdz & fdx\wedge dy+gdy\wedge dz+hdz\wedge dx \ar@{|->}[r] & (f_z+g_x+h_y)dx\wedge dy\wedge dz\\ 0 \ar[r] & \bigwedge^0 T^*\mathbb{R}^3 \ar[r]^{d} \ar[d]^-{*} & \bigwedge^1 T^*\mathbb{R}^3 \ar[r]^-{d} \ar[d]^-{*} & \bigwedge^2 T^*\mathbb{R}^3 \ar[r]^-{d} \ar[d]^-{*} & \bigwedge^3 T^*\mathbb{R}^3 \ar[r] \ar[d]^-{*} & 0\\ 0 \ar[r] & \bigwedge^{3} T^*\mathbb{R}^3 \ar[r]^-{*d*} & \bigwedge^{2} T^*\mathbb{R}^3 \ar[r]^-{*d*} & \bigwedge^{1} T^*\mathbb{R}^3 \ar[r]^-{*d*} & \bigwedge^{0} T^*\mathbb{R}^3 \ar[r]^-{*d*} & 0 \\ & fdx\wedge dy\wedge dz \ar@{|->}[r] & f_xdy\wedge dz + f_ydz\wedge dx + f_zdx\wedge dy & gdx + hdy + fdz \ar@{|->}[r] & g_x+h_y+f_z \\ && hdx\wedge dy + fdy\wedge dz + gdz\wedge dx \ar@{|->}[r] & (-f_y+g_x)dz + (-g_z+h_y)dx + (-h_x+f_y)dy && }$
まあ定義から可換性を満たすのは納得するだろう。こういうときは何を満たすようにしたいかを考えよう。複体が二列並んでいるようなものを二重複体といい、その間には反可換性$d\circ* + *\circ(*d*) =0$が成り立ってほしくなる。このままだと成立しないのでマイナスを付ければうまく行く。
$\xymatrix@C=20pt@R=20pt{ 0 \ar[r] & \bigwedge^0 T^*\mathbb{R}^3 \ar[r]^{d} \ar[d]^-{-*} & \bigwedge^1 T^*\mathbb{R}^3 \ar[r]^-{d} \ar[d]^-{*} & \bigwedge^2 T^*\mathbb{R}^3 \ar[r]^-{d} \ar[d]^-{-*} & \bigwedge^3 T^*\mathbb{R}^3 \ar[r] \ar[d]^-{*} & 0\\ 0 \ar[r] & \bigwedge^{3} T^*\mathbb{R}^3 \ar[r]^-{*d*} & \bigwedge^{2} T^*\mathbb{R}^3 \ar[r]^-{*d*} & \bigwedge^{1} T^*\mathbb{R}^3 \ar[r]^-{*d*} & \bigwedge^{0} T^*\mathbb{R}^3 \ar[r] & 0 \\ }$
これで全複体の議論ができる。詳しくは ココ を参考にしてほしい。目標は余微分の定義の精密化だった。符号についてよくわからなかったのでちょっと符号を付けずに以下のように余微分を定義してみよう。こういうのが理解の助けになってくれるのだ。

余微分

余微分$\delta:\bigwedge^k T^*\mathbb{R}^n\to\bigwedge^{k-1} T^*\mathbb{R}^n$$\delta=*d*$で定義する。(ほんとは$(-1)^{n(k+1)+1}$を付けるらしい)

この余微分らへんが回転や発散に対応するのだった。$\mathrm{rot}$$*d$で事足りたが、余微分を考えれば$*d*:\bigwedge^2 T^*\mathbb{R}^3\to\bigwedge^{1} T^*\mathbb{R}^3$が対応する。また
$$(*d*)\circ(*d*)=*d**d*=*dd*=*0*=0$$
より余微分でも複体が作れることがわかる。Helmholtz分解を思い出してみれば
$$\mathfrak{X}(\mathbb{R}^3)=\mathrm{Im}\ \mathrm{grad}\oplus\mathrm{Im}\ \mathrm{rot}$$
が成り立つわけだ。これの類推をすると外微分の像$d\qty(\bigwedge^0 T^*\mathbb{R}^3)$余微分の像$\delta\qty(\bigwedge^2 T^*\mathbb{R}^3)$
$\bigwedge^1 T^*\mathbb{R}^3 = d\qty(\bigwedge^0 T^*\mathbb{R}^3) \oplus \delta\qty(\bigwedge^2 T^*\mathbb{R}^3)$
が成り立ちそうではなかろうか。何ならウェッジの上の1とかも一般化できそうだ。しかしこれは$\mathbb{R}^3$だからうまく行くのであって実際は$\mathrm{ker}\ d/\mathrm{Im}\ d=0$ではないため、この元の分だけずれてしまう。そこででるのが調和形式だ。

問題になっているのはコホモロジーが消えていない場合だ。このコホモロジーを表現してくれるものが無いかと悩みあぐねいた結果、Hodgeの定理というものが生まれた。これを紹介していこう。

またこれはコンパクトな多様体しか適応できないので、Riemman計量が入ったものを$M$とする。まず次の2階微分作用素っぽいものを考える。
$$d\delta:\bigwedge^k T^*M\to\bigwedge^{k-1} T^*M\to\bigwedge^k T^*M,\ \ \ \delta d:\bigwedge^k T^*M\to\bigwedge^{k+1} T^*M\to\bigwedge^k T^*M$$

二階微分と言いつつ居場所はずれていないが、これを合わせた2階微分作用素$\Delta:=d\delta +\delta d$をLaplace作用素という。このLaplace作用素の核がコホモロジーを表現してくれるという定理が次だ。

Hodgeの定理

$\mathbb{H}^k(M):=\qty{\left. \omega\in \bigwedge^kT^*M\ \right|\ \Delta\omega=0}$とする。このとき自然な写像$\mathbb{H}^k(M)\to H_{DR}^k(M)$は同型になる。

この自然な写像とは$\Delta\omega=0$となる必要十分条件に$d\omega=0$, $\delta\omega=0$が知られているから、$\mathbb{H}^k(M)$なら自然に$H_{DR}^k$の元としてみなせるのだ。$\delta\omega=0$という余計な制約条件が付いているのに、よく同型になってくれるなぁと感心する。

さて道具がそろったのでHodge分解を紹介しよう。

Hodge分解

$$\bigwedge^kT^*M = d\qty(\bigwedge^{k+1}T^*M) \oplus \delta\qty(\bigwedge^{k-1}T^*M) \oplus \mathbb{H}^k(M)$$

簡単に証明のお気持ちだけ理解しておこう。
まずde Rham複体を抜き出しておく。
$\xymatrix@C=20pt@R=20pt{ \cdots \ar[r]^-d & \bigwedge^{k+1} T^*M \ar[r]^{d} \ar[d]^-{-*} & \bigwedge^k T^*M \ar[r]^-{d} \ar[d]^-{*} & \bigwedge^{k-1} T^*M \ar[r]^-{d} \ar[d]^-{-*} & \cdots\\ \cdots \ar[r] & \bigwedge^{n-(k+1)} T^*M \ar[r]^-{*d*} & \bigwedge^{n-(k+1)} T^*M \ar[r]^-{*d*} & \bigwedge^{n-(k+1)} T^*M \ar[r]^-{*d*} & \cdots\\ }$
真ん中上の$\bigwedge^k T^*M$中心に準同型定理を使えば
$$\left.\bigwedge^k T^*M\right/\mathrm{ker}\ d = \mathrm{Im}\ d$$
de Rhamコホモロジー$\mathrm{ker}\ d/\mathrm{Im}\ d = H_{DR}^k(M)=\mathbb{H}^k(M)$をみればなんとなく証明が終わりそうだが、なぜか$\delta$に代わっている。この理由を知るためには微分形式の幾何学を読まねばなるまい。

Poincare duality

最後の話題はPoincare dualityである。歴史的には多様体を3角形分割したものについてPoincareが示したらしい。この話をする理由はこのままだとベクトル解析におけるStokesの定理が仲間外れになってしまうからだ。Stokesの定理を復習しておこう。

Stokesの定理

閉コンパクト多様体$M$$n$次微分形式$\omega$について
$$\int_M\omega=\int_{\partial M}d\omega$$

仲間外れはなんとなく嫌だったので、う~~んと頭をひねったら次の可換図式を思いついた。
$\xymatrix@C=20pt@R=20pt{ \cdots \ar[r]^-d \ar[rd]_-{\int} & \bigwedge^{k+1} T^*M \ar[r]^{d} \ar[d]^-{\int} \ar[rd]_-{\int} & \bigwedge^k T^*M \ar[r]^-{d} \ar[d]^-{\int} \ar[rd]_-{\int} & \bigwedge^{k-1} T^*M \ar[r]^-{d} \ar[d]^-{\int} \ar[rd]_-{\int} & \cdots\\ & \mathbb{R} & \mathbb{R} & \mathbb{R} & \cdots\\ }$

おお、隣り合った$\mathbb{R}$への写像が可換になるなぁと。しかも積分は線形写像だから双対写像だなぁ。複体で双対と言ったら双対定理か?と調べていったら次の複体を考えるといいらしい。
$\xymatrix@C=20pt@R=20pt{ \cdots \ar[r]^-d & H_{DR}^{k+1} \ar[r]^{d} \ar@{}[d]|{\bigtimes} & H_{DR}^{k} \ar[r]^-{d} \ar@{}[d]|{\bigtimes} & H_{DR}^{k-1} \ar[r]^-{d} \ar@{}[d]|{\bigtimes} & \cdots\\ \cdots \ar[r]^-\delta & H_{DR}^{n-(k+1)} \ar[r]^{\delta} \ar[d]^-{\int} & H_{DR}^{n-k} \ar[r]^-{\delta} \ar[d]^-{\int} & H_{DR}^{n-(k-1)} \ar[r]^-{\delta} \ar[d]^-{\int} & \cdots\\ & \mathbb{R} & \mathbb{R} & \mathbb{R} & \cdots\\ }$
これに対して$\int_M:H_{DR}^{k}\times H_{DR}^{n-k}\to\mathbb{R}$$\qty([\omega],[\eta])\mapsto\int_M \omega\wedge \eta$で定義するとこれが双線形写像になっていることがわかる。Stokesの定理の積分範囲についてもこれで解決した。もしこれが非退化な双線形写像だと、この双線形写像が誘導する双対写像$H_{DR}^{k}\to\qty(H_{DR}^{n-k})^*$が同型になることを使えば、すぐにPoincare dualityの主張が得られる。

Poincare duality

$H_{DR}^{k}\cong\qty(H_{DR}^{n-k})^*$

複体があったらその余複体のコホモロジーと同型が作れるというよくある定理だ。これが実はStokesの定理の裏側にある構造だ。どこにStokesの定理があるのかというとwell-defined性を示すのに使われる。あと非退化性示すのにもしかしたらいるかもしれない。

well-defined性については$[\omega]\in H_{DR}^{k}$, $[\eta]\in H_{DR}^{n-k}$を取れば、$\alpha\in\bigwedge^kT^*M$, $\beta\in\bigwedge^{n-k}T^*M$を用いて、
$$\int_M (\omega+d\alpha)\wedge(\eta+d\beta) = \int_M \omega \wedge\eta+\int_M d* = \int_M \omega \wedge\eta$$
から代表元に寄らないことがStokesの定理からわかる。

非退化性についてはHodgeの定理から$\omega$を調和形式と仮定してよく、あとは調和性の性質を上手く使って導くが、このページで話すのには余白が足りない。

最後に

 まとめる前に、これが令和の勉強法かぁ…となった。話をまとめる前段で僕の理解度を上げるためにChatGPTで色々聞いてみた。「正則写像は何かの関数の勾配場になるか」だったり「複素周回積分と保存力の類似性」だったり「divとrotをどう解釈すれば」を聞いてみたり。Hodgeスターのことも知らなかったので、存在を知った後微分形式の幾何学で調べなおしたら、ちゃんと書いてある!ので嚙み砕いて書き記しておいた。そして極めつけが僕がdivのことを聞いているときに急にHelmholtz分解とHodge分解の類似性を話し始めて、これは…!となった。Helmholtz分解はどこかで聞いたことあった程度で、Hodge分解は微分形式の幾何学をパラパラっとめくった時に見かけたぐらいだったが、その文字が入ってきた瞬間に多分代トポで示せるなと確信した。適当にいじってみたら上の通りにできたわけだ。

僕の下の世代はこんな風にChatGPTに概略を聞いて、核になっている概念をポロリとこぼしたらそれを精密化してさらに抽象化した理論を抑えてくるのだろうかと考えたら悪寒が走った。藤井聡太さんみたいなことをする人が大量に僕の後ろに続くのか…それに置いて行かれないようにしないといけないのか…と考えると、恐ろしい。願わくば僕のやってる分野は計算が恐ろしく大変で、人間でも手に負えないような計算が大量にあるので(テーラー展開で5次近似が必要だったりする)AIが参入するのは僕が現役から退いた後がいいなぁっとひっそりぼやいた。

まじで僕のChatGPTの会話履歴張ろうかな…wガチですげぇ。僕の指導教官曰く「AIは論理も疎いし、正確性も危うい、けど噂にはつよい」と言っていたが言えて妙だ。Helmholtz分解の話は僕一人じゃたどり着けていなかった。

参考
千葉逸人, "ベクトル解析からの幾何学入門"
永井保成, "代数幾何学入門"
森田茂之, "微分形式の幾何学"

投稿日:14日前
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投稿者

たぶん微分幾何をやってるねこです

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