ここでは東大数理の修士課程の院試の2019B09の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。
$\Omega=[0,\infty)$とおく。連続かつ$(0,\infty)$上$C^1$級な関数$\varphi:\Omega\to\Omega$で、$\inf_{x\in(0,\infty)}\varphi'(x)>0$なものをとる。ここで$\Omega$上の関数$f:\Omega\to\mathbb{R}$に対し、$Tf:=f\circ\varphi$と定義する。また$L^2(\Omega)$を$\Omega$上の$2$乗可積分実数値関数の為す実ヒルベルト空間とする。また$I$は$L^2(\Omega)$上の恒等作用素を表す。