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大学数学基礎解説
文献あり

ベクトルのなす角について

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はじめに

1 ではCauchy-Schwarzの不等式を示したのでした.本記事では,ベクトルのなす角を一般の次元で定め,それが既知の2,3次元におけるなす角の定義と整合性がとれているのかを確認?していきます.

ベクトルのなす角

最初に記号を導入しておけばよかったと今更後悔していますが,次のような定義を与えておきます:

大きさ&内積

ベクトルたちa=(ai)i,b=(bi)iRnに対して||a||:=a12+an2 をベクトルa大きさ長さ)と呼び, (a,b):=a1b1++anbnab内積という.

すぐに分かることとして,ベクトルaRnに対して「a=0||a||=0」や|a|=(a,a)が得られます.
さて,この記号をもとにCaushy-Schwarzの不等式は(a,b)2||a||2||b||2と書け,両辺をとることで|(a,b)|||a||||b|| を得ます(大きさは非負であることに注意する).つまり

|a||||b||(a,b)||a||||b||

が成り立ちます.ここで,ベクトルたちa,bが共にゼロベクトルにならないと仮定すると,すぐに分かることから||a||0,||b||0 なので,いましがた得られた不等式を||a||||b||>0で割ることで

1(a,b)||a||||b||1

を得られます.

ベクトルのなす角

非ゼロなベクトルたち0a,bRnに対して,次で定まる値をabのなす角と呼ぶ:

θ:=cos1((a,b)||a||||b||).

ここで,cos:[0,π][1,1],つまりcos1 はアーク・コサイン関数のこと.

さて,これをなす角と呼ぶためには,既存の概念と一致しているかどうかが気になる訳ですが,実際次が成立します(簡単なので,手を動かしてみてください):

なす角に関する幾何的な性質たち

非ゼロなベクトルたち0a,bRnに対して,以下が成立する:
(i) θ=0またはθ=πあるスカラーkR を用いてb=kaと書ける,
(ii) θ=π2(a,b)=0.

さいごに

ここまで読んでくださった方に感謝申し上げます.また機会があれば,新しい記事を作成したときにお目通しを頂けたら何よりです.

参考文献

投稿日:20231028
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