前回の記事
の解説をしていきたいと思います。
と言っても、これは私が最初に思いついた解法なので、無駄に遠回りをしている可能性があります。それと、前回の記事でいったからまでのすべてに使える解法はまた別の記事に書きたいと思います。
さて、全ての問題において、結局はに帰着させています。やっぱり右辺が0のほうがいいんですね。
準備
これからをたくさん解くことになるので先に解けるところまで解いてしまします。
まず、いつもの特性方程式を解いて上の漸化式を変形すると、
となるのでを用いて
(上式)-(下式)よりとなります。
方針は隣接二項間漸化式とまったく同様で、定数部分を特性方程式を用いて消すことを考えます。
つまりに当たる部分をに置き換えたを解いて出たを用いて、与式を
と書きかえます。(これは特性方程式の原理が分かっていれば変形できます)
よって、
となって、より
が答えとなります。
これも、考え方は普通の(二項間)漸化式と同じで、都合の良い形を作ることを考えます。
つまり
という式を満たす定数を求めれば、右辺がの隣接三項間漸化式として解くことができるということです。
早速展開してとを求めてみましょう。
はとなるので、の与式より
なので、となります。
よって、はとなるので、と置けば、はとなるので、これを解いて(に戻して)、
つまり、
が答えとなります。
右辺が指数関数なので、その部分をまずは解消しようと思います。
と置くと、与式はとなるので、右辺が定数、つまりと同じ形にすることができました。こうなれば、あとはと同様の特性方程式を解いて、を得るので、
となります。
また(隣接三項間漸化式の)特性方程式を解くととなるので、
と変形して、
(上式)-(下式)より
よって、
が答えとなります。
の別解
先ほどは指数関数の部分を無理やり定数に変えるという解法でした。こちらの別解ではの方法を用いて、を解いてみようと思います。
まず、の方法は、都合の良い形を作るというものでした。今回の都合の良い形というのは以下の形になります。
これと元の式を比較するとよりとなるので、
これを整理して、
が答えとなります。
これも右辺に指数関数がある形なので、と同じ方針で解き進めてみましょう。
と置くと、与式はとなります。この漸化式の特性方程式はとなるのですが、の係数を見ると、になってしまいました。これはが求まらない、つまりのようなうまい変形ができない、ということを意味しています。なぜこのようなことになるかというと、の特性方程式の解の一つにが含まれていることに起因します。つまり、上に出てきたについての漸化式を作った時、に次数を合わせるために係数に出てきたがならのように出てきたものが、の解になったことでの係数がになってしまった()ということです。これはでやった別解でも同様のことが起きます。
このままでは解けないので、何か別の方法を考えてみる必要があります。今、が特性方程式の解だったために、の係数がになってしまい、求めたいの情報が消えてしまいました。しかし、逆に考えると、結局消えてくれるなら要らないものを増やしても問題がないのではないか?という考え方もできます。そう、という"身代わり"を使ってを守ろうということです。しかも、ならやにも変化するので、が残ってくれるだろうということも期待できます。ここまでくればあとは簡単です。でだめなら、としてみましょう。そうすると与式はとなります。この式を展開してみるととなって、先ほどが求められなかった原因である式の形がにまとめられて狙い通りの形になっています。この式の特性方程式はとなってが分かります。これを使って式変形をすると、
となって、これを解くと(特性方程式うんぬんはもう省略します)
よって、
が答えとなります。
たった4問しかないのに、すごく長い解説になってしまいました…これは反省しないといけませんね。
こんなやり方も見つけた、という人はぜひ教えてください。では、今回はここまでにします。