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右辺が0でない三項間漸化式の問題(別解編)

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この記事では、 以前出した記事 の別解を紹介したいと思います。$(1)$から$(4)$まで同じ解き方でできるので、先に準備だけ済ませてしまいましょう。

準備

今回使う解法は$a_{n+2}-5a_{n+1}+6a_{n}=0$を特性方程式を使って変形した形
\begin{align*} a_{n+2}-3a_{n+1}&=2(a_{n+1}-3a_{n})\\ a_{n+2}-2a_{n+1}&=3(a_{n+1}-2a_{n}) \end{align*}
を使うので、
\begin{align*} b_{n}&=a_{n+1}-3a_{n}\\ c_{n}&=a_{n+1}-2a_{n} \end{align*}
と置いておきます。
このとき、$a_n=c_{n}-b_{n}$を満たすことを確認しておきます。

$(1)\qquad a_{n+2}-5a_{n+1}+6a_{n}=12,a_1=0,a_2=1$

漸化式を変形すると、
\begin{align*} a_{n+2}-3a_{n+1}&=2(a_{n+1}-3a_{n})+12\\ a_{n+2}-2a_{n+1}&=3(a_{n+1}-2a_{n})+12 \end{align*}
となるので、$b_{n},c_{n}$を用いると
\begin{align*} b_{n+1}&=2b_{n}+12,b_1=1\\ c_{n+1}&=3c_{n}+12,c_1=1 \end{align*}
とかけます。これはもはやただの二項間漸化式なのでサクサク解いてしまいましょう。これらを解くと、
\begin{align*} b_{n}&=13\cdot2^{n-1}-12\\ c_{n}&=7\cdot3^{n-1}-6 \end{align*}
より
$$ a_{n}=c_{n}-b_{n}=7\cdot3^{n-1}-13\cdot2^{n-1}+6$$
が答えとなります。

$(2)\qquad a_{n+2}-5a_{n+1}+6a_{n}=2n,a_1=0,a_2=1$

同様に変形すると,
\begin{align*} b_{n+1}&=2b_{n}+2n,b_1=1\\ c_{n+1}&=3c_{n}+2n,c_1=1 \end{align*}
となります。これらの漸化式は
\begin{align*} b_{n+1}+2(n+1)+2&=2(b_{n}+2n+2)\\ c_{n+1}+(n+1)+\frac{1}{2}&=3\left(c_{n}+n+\frac{1}{2}\right) \end{align*}
となるので、
\begin{align*} b_{n}&=5\cdot2^{n-1}-2n-2\\ c_{n}&=\frac{5}{2}\cdot3^{n-1}-n-\frac{1}{2} \end{align*}
が分かります。よって、
$$ a_{n}=c_{n}-b_{n}=\frac{5}{2}\cdot3^{n-1}-5\cdot2^{n-1}+n+\frac{3}{2}$$
が答えとなります。

$(3)\qquad a_{n+2}-5a_{n+1}+6a_{n}=5^n,a_1=0,a_2=1$

同様に変形すると、
\begin{align*} b_{n+1}&=2b_{n}+5^n,b_1=1\\ c_{n+1}&=3c_{n}+5^n,c_1=1 \end{align*}
となって、これらは
\begin{align*} b_{n+1}-\frac{1}{3}\cdot5^{n+1}&=2\left(b_{n}-\frac{1}{3}\cdot5^n\right)\\ c_{n+1}-\frac{1}{2}\cdot5^{n+1}&=3\left(c_{n}-\frac{1}{2}\cdot5^n\right) \end{align*}
となるので、
\begin{align*} b_{n}&=-\frac{2}{3}\cdot2^{n-1}+\frac{1}{3}\cdot5^n=-\frac{1}{3}\cdot2^n+\frac{1}{3}\cdot5^n\\ c_{n}&=-\frac{3}{2}\cdot3^{n-1}+\frac{1}{2}\cdot5^n=-\frac{1}{2}\cdot3^n+\frac{1}{2}\cdot5^n \end{align*}
が分かります。よって、
$$ a_{n}=c_{n}-b_{n}=\frac{1}{3}\cdot2^n-\frac{1}{2}\cdot3^n+\frac{1}{6}\cdot5^n$$
が答えとなります。

$(4)\qquad a_{n+2}-5a_{n+1}+6a_{n}=2^n,a_1=0,a_2=1$

…(無言で式変形をしている)
\begin{align*} b_{n+1}&=2b_{n}+2^n,b_1=1\qquad\cdots(\text{i})\\ c_{n+1}&=3c_{n}+2^n,c_1=1\qquad\cdots(\text{ii}) \end{align*}
$(\text{i})$について、両辺$2^{n+1}$で割ることにより
$$ \frac{b_{n+1}}{2^{n+1}}=\frac{b_{n}}{2^n}+\frac{1}{2}$$
となるので
$$ \frac{b_{n}}{2^n}=\frac{1}{2}n$$
となって
$$ b_{n}=n\cdot2^{n-1}$$
が分かります。
$(\text{ii})$について、
$$ c_{n+1}+2^{n+1}=3(c_{n}+2^{n})$$
から
$$ c_{n}=3^n-2^n$$
が分かります。
よって
$$ a_{n}=c_{n}-b_{n}=3^n-n\cdot2^{n-1}-2^n$$
が答えとなります。

はい。最後は同じような議論が続いたので、いろいろ適当になってしまいましたが別解ということで見逃してください。あと、前回の記事から間が空きすぎてしまいました。ごめんなさい。

投稿日:2020126
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