この記事ではGauss和
まずガウス和の定義を確認しておきます。
法
と定められる値
一般にガウス和の絶対値は以下のように求まります。
法
また以下に示すように
の符号は
実は法
が成り立つ。
以下
が成り立つ。
とわかる。
補題3において
原始指標
が成り立つ。
このとき
とでき、
法
補題3より
が成り立つので
に注意してこれを
よって
以下
この記事
の定理2で見たように法
そしてその非自明な実指標はルジャンドル記号
ルジャンドル記号
・
・
・
によって定める。
ルジャンドル記号には以下の明示的な公式が成り立つ。
であり、このとき
であり、このとき
これによって
を満たすことがわかる。
また
最後にもう一つ公式を紹介しておく。
とおく。このとき合同式を
および
が成り立つので
となり、
以下、簡単のため
が成り立つことに注意する。
最終的に符号決定問題は以下の等式を示すことで解決される。
が成り立つ。
まず右辺が求めたい形になっているかを確かめる。
簡単のため
が成り立ち、また
に注意すると
つまり
また
と変形できるので
なので主張を得る。
いま
が成り立つことに注意すると以下のことを確かめればよい。
具体的には以下の合同式が成り立つことを示す。
以下簡単のため
が成り立つので、オイラーの規準から
となること、および
を得る。
が成り立つことに注意する。
いま
と展開でき、またオイラーの規準から
は
および
が成り立つので
を得る。
またウィルソンの定理から
つまり
が成り立つので
を得る。
以上より
が示された。
ルジャンドル記号の一般化としてクロネッカー記号というものがあります(ヤコビ記号とは少し異なる)。
整数
・奇素数
・
・
整数
は法
と符号が決定されるようです。
その証明はまだ見かけたことがないため、何かわかったことがあればいつか追記したいと思います。