今月に入って研究や講義で忙しくMathlogで記事を書かないまま大晦日となってしまったが、今年最後に記事を書いておきたい。
数論工具箱のシリーズでは数論的関数に関する等式や不等式をいくつか語ることにしたい。数論の学習や研究、各種計算の役に立つかも知れない。
通例通りオイラー関数
また
本記事では、次の定理を示したい。
ここで
により定義される定数である。
とζ関数であらわされる。
定理および証明はNathansonの著書の定理A.17を参考とした。
だから
が成り立つ。最後の和は
(
が成り立つ。ここで
となる。右辺の分母は
右辺の分母は、どの素因数の指数も
は
Melvyn B. Nathanson, Additive Number Theory: The Classical Bases, GTM 164, Springer-Verlag, New York, 1996.