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大学数学基礎解説
文献あり

ソフィー・ジェルマン素数とメルセンヌ数(よりシンプルな証明)

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経緯

ソフィー・ジェルマン素数とメルセンヌ数 で、以下の命題を取り上げ、その証明を書きました。

ソフィー・ジェルマン素数pp3(mod4)を満たすとき、2p+1はメルセンヌ数2p1の約数となる。

その際、コメントを頂き、よりシンプルな証明を教えて頂きました。ありがとうございます!

とても嬉しかったので、教えて頂いた証明をこちらに記しておこうと思います(かなりギチギチに行間を埋めまくって書いていきます)。

前提知識

ソフィー・ジェルマン素数

2p+1が素数になるような素数pをソフィー・ジェルマン素数という。

フェルマーの小定理

pを素数、apの倍数ではない任意の整数であるとする。このとき、以下が成立する。
ap11(modp)

第二補充法則

pを奇素数とする。このとき、以下が成り立つ。
(2p)=(1)p218

本編

ソフィー・ジェルマン素数pp3(mod4)を満たすとき、2p+1はメルセンヌ数2p1の約数となる。

p3(mod4)より、ある整数kが存在してp=4k+3とかける。
よって
2p+1=2(4k+3)+1=8k+7
となる。したがって
(2p+1)218=(8k+7)218=82k2+287k+488=16(4k2+7k+3)8=2(4k2+7k+3)
となるため
(2p+1)2180(mod2)
となる。
このことと、2p+1は奇素数であることから、第二補充法則より
(22p+1)=(1)(2p+1)218=1
となる。
したがって、ある整数aが存在して
2a2(mod2p+1)
となる。
よって
2pa2p(mod2p+1)
が成り立つ。
ここで、a0(mod2p+1)と仮定すると、a20(mod2p+1)となり、a22(mod2p+1)に矛盾する。
したがって、a0(mod2p+1)である。
よって、フェルマーの小定理より
a(2p+1)11(mod2p+1)
となり
a2p1(mod2p+1)
が成り立つ。
よって、①より
2pa2p1(mod2p+1)
となり
2p10(mod2p+1)
が成り立つ。

感想

以前書いた ソフィー・ジェルマン素数とメルセンヌ数 での証明でも感じたことですが、2の扱いがポイントになっているように感じました。

うれしいね うれしいね

参考文献

投稿日:202116
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みぽ
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今日もねこがかわいい。

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