この記事ではMittag-Leffler’s Expansion Theorem(ミッタク=レフラーの部分分数展開定理)について解説していきます。
ミッタク=レフラーの部分分数展開定理とは以下のような主張のことを言います。
を満たすとき
が成り立つ。ただし
この主張は、困ったことに、一般的な名前が付いていないようで、色々と文献を漁ってみても文献によって表記が違ったりそもそも定理名の表記が無かったりしてます。どちらかというと単にミッタク=レフラーの定理と呼ばれる以下の主張が一般的に部分分数展開といえばコレと挙げられる定理になっているようです。
集積点を持たない互いに異なる複素数の列
またその証明から系として以下の主張が得られます。
定理2の主張を満たす任意の
が成り立つ。ただし
こうしてみるとわかる通り正則関数の因数分解と部分分数展開にまつわる定理には
という類似があることがわかります。
例えば上記2つの因数分解定理の記事で
と表せる。具体的には
となることまではわかるが
(一応周期性から
しかしミッタク=レフラーの部分分数展開定理を使えば
と
ちなみに先ほど因数分解と部分分数展開にまつわる定理に類似性があると言いましたが
という関係にあるように、一位の極しか持たない有理型関数の部分分数展開については対数微分によって直接因数分解の話と結びついていると言えます。
まず弱い方の主張であるミッタク=レフラーの定理の証明を紹介しておく。
を持ち、その一様収束性から
となるような整数
とおくと
いま任意に
と分けると、一、二項目は有限和なので
と一様収束しているので主張を得る。
系については任意の
いま
つまり
が成り立つので
ミッタク=レフラーの部分分数展開定理は
アダマールの因数分解定理
と違って込み入った話をする必要はなく、留数定理から簡単に示すことができる。証明の核となるのは以下の等式である。
任意の
が成り立つ。
に注意すると
を得る。
留数定理より
が成り立つのでこの
以下、この右辺が求める形となっていることを示す。
十分小さい
とわかる。
と部分分数分解できるので
となることを示せばよい。
ローラン展開の導出を思い出すと明らか。つまり
とわかる。
に注意する。
いま
と評価できるので
が成り立つ。したがって
を得る。
以上より
を得る。
上で見たようにミッタク=レフラーの部分分数展開定理の導出の肝は補題4であり、一般になんらかの閉経路
が成り立てば同じ議論ができることに注意されたい。
特に
と仮定すれば十分である。
この節では上で見た部分分数展開定理の具体例において保留にしていた「
と表せるので
ただ
なので
なので上で注意として言及したようにもっと簡単な経路
具体的には
と定めます。すると
つまり
が成り立つので