この記事ではHadamardの因数分解定理について解説していきます。
アダマールの因数分解定理は
ワイエルシュトラスの因数分解定理
よりも強い主張であり、
具体的には以下の主張のことをアダマールの因数分解定理と言います。
が成り立つ。特に
ここで整関数
によって定まる数
によって定まる数
また
アダマールの因数分解定理の嬉しさは
例えば
と評価できるのでその位数に関して
が成り立ちます。つまり
よってある一次関数
が成り立ち、
と
このようにアダマールの因数分解定理は整関数を因数分解した形で議論するときに非常に役に立つ武器となります。
から位数は変化しないことに注意する
また
が成り立つ。
定義より
の収束軸であるので
収束軸の公式
より主張を得る。
が成り立つ(
いま
と評価でき、また
が成り立つので
が得られる。
この対数を取って
となり、これの
ワイエルシュトラスの基本因子を
と定め
とおく。このとき
および
ポアソン・イェンゼンの公式
ver.3から
が成り立つので、これを
を得る。
また命題3より
となることに注意すると
つまり
が成り立つので他の二項が
が成り立つ。
各
とおく。このとき
と評価でき、また
が成り立つので主張を得る。
が成り立つ。
と評価でき、上と同様にして
が成り立つので主張を得る。
ひとまず命題4から以下の主要な主張は示されたことになる。
ある高々
あとは残りの主張
任意の
が成り立つ。
と評価でき、
と評価できるので
任意の
が成り立つ。
が成り立ち、
とすると
を得る。
命題9に注意すると
が成り立つので
と評価できる。
つまり
に注意して3つの場合に分けて示す。