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Fibonacci数の和の整除性についてのある予想の一般化

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予想

H.O.さん https://mathlog.info/users/1104/articles
の削除された、記事にて、次の予想がありました。

Fnn番目のFibonacci数とする. s|tとなるような正の偶数s,tに対して, 
k=1nFskk=1nFtk

これを前回
https://mathlog.info/articles/1666
証明しました。
これの一般化に挑戦します。
証明のあらすじは前回と同じ

W,Rは整数anを次の漸化式を満たす、数列とする。
an+1Wan+(1)Ran1=0,a0=0,a1=1
s|tかつRs0 mod 2となるような正の整数s,tに対して,

k=1naskk=1natk

as0=at0=0
α=k=0natkk=0nask
αが有理数であることは、自明
αが代数的整数であることを証明する。
言い換えると。
αが整数係数多項式に代数的整数を代入した数であることを証明する。

stに関することで再確認と定義

再確認

s|t
Rs0 mod 2
Rt0 mod 2

定義

β=ts

γ=βgcd(n,β)

数列に関することで確認と定義

iを虚数単位とする。

XYの定義

X2+Y2=W,X2Y2=(1)R,XY=iR

XYの確認

(ZX)(Z+X)(ZY)(Z+Y)=Z4WZ2+(1)R
XYは代数的整数である。
Y=iRX1
Y1=iRX
X1=iRY
X1Y1は代数的整数である。

anの一般項の確認

an=X2nY2nX2Y2

Wan(X2+Y2)=an(X2+Y2)=(X2+Y2)X2nY2nX2Y2=X2n+2Y2n+2X2Y2+X2(n1)X2Y2X2Y2Y2(n1)X2Y2=an+1+X2Y2an1=an+1+(1)Ran1
a0=X0Y0X2Y2=0,a1=X2Y2X2Y2=1

数列の和に関することで確認と定義

再確認

k=0natk=k=0nX2tkY2tkX2Y2=1X2Y2(X2t(n+1)1X2t1Y2t(n+1)1Y2t1)
冪級数の和の公式より
sの場合も同様

多項式hn(x)の定義

hn(x)=xn+11x1

多項式hn(x)の性質

hn(x2)=x2(n+1)1x21=xn+1xxn+1x(n+1)xx1=xnxn+1x(n+1)xx1

補助数列fn,fnの定義

fn=XnXn
fn=YnYn=iRnXniRnXn
iR2n=(1)Rn=(1)Rn=iR2nより
f2n=iR2nX2niR2nX2n=iR2nf2n

これまでの組み合わせ

hn(X2t)=XtnXt(n+1)Xt(n+1)XtXt=Xtnft(n+1)ft

hn(Y2t)=YtnYt(n+1)Yt(n+1)YtYt=Ytnft(n+1)ft=iRtnXtnft(n+1)ft=XtniRtniRt(n+1)ft(n+1)iRtft=Xtn(1)Rtnft(n+1)ft=Xtnft(n+1)ft
hn(X2t)hn(Y2t)=Xtnft(n+1)ftXtnft(n+1)ft=ft(n+1)ftnft

最大公約数、最小公倍数の定義と性質

記号の定義

gcdは最大公約数,Lcmは最小公倍数

性質1

AB=gcd(A,B)Lcm(A,B)
証明は下記ページ参照
https://mathtrain.jp/abequalgl

性質2

gcd(hm,hn)=h gcd(m,n)

性質3

gcd(a,gcd(b,c))=gcd(gcd(a,b),c)
gcd(n+1,n)=1

多項式の最大公約元と最小公倍元の定義と性質

多項式の最大公約元と最小公倍元の定義

整数と同じ記号gcdLcmを用いる。

調べる多項式の定義

ζn1の原始n乗根とする。
qn(x,y)=xnyn

qn(x,y)の性質

性質1

qn(x,y)=k=0n1(xζnky)
yを定数と見て、次数nの多項式は重複含めn個根を持つため。
qna(x,y)qn(x,y)=xnaxnaxnyn=k=0a1xnkyn(a1k)のため
qn(x,y)|qna(x,y)

性質2

gcd(qn(x,y),qm(x,y))=qgcd(n,m)(x,y)

(xζnky)qm(x,y)を割り切れるためには、因数定理より、
ζnkm=1kmn
kmmの倍数であることは明らか、
km=jLcm(n,m)km gcd(m,n)=jLcm(n,m) gcd(m,n)=jmnk =jngcd(m,n)
ζnk gcd(m,n)=ζnjn=1
ζnk1gcd(m,n)乗根
{ζnk|0kn1}はすべての1gcd(m,n)乗根を含む

性質3

Lcm(qn(x,y),qm(x,y))|qnmh
qnmhqnqmの公倍元より、最小公倍元の倍元である。
この式から整数係数多項式をひねりだす。

性質4

qn(x,y)qm(x,y)=Lcm(qn(x,y),qm(x,y)) gcd(qn(x,y),qm(x,y))

これまでの組み合わせ2

qn(x,y)|x=X,y=X1=qn(X,X1)=XnXn=fn

第1段階

k=0natk=k=0nX2tkY2tkX2Y2=1X2Y2(X2t(n+1)1X2t1Y2t(n+1)1Y2t1)
hnXYの定義を用いて。

k=0natk=1X2Y2(hn(X2t)hn(Y2t))
これまでの組み合わせを用いて
k=0natk=1X2Y2ft(n+1)ftnft
これまでの組み合わせ2を用いて,
k=0natk=1X2Y2qt(n+1)(x,y)qtn(x,y)qt(x,y)|x=X,y=X1

sの場合も同様。

第2段階

第1段階を用いて。
α=k=0natkk=0nask=
qt(n+1)(x,y)qtn(x,y)qs(x,y)qs(n+1)(x,y)qsn(x,y)qt(x,y)|x=X,y=X1
βの定義を用いる
α=qsβ(n+1)(x,y)qsβn(x,y)qs(x,y)qs(n+1)(x,y)qsn(x,y)qsβ(x,y)|x=X,y=X1

多項式の最大公約元と最小公倍元の性質4をqsnqsβに用いる。
α=qsβ(n+1)(x,y)qsβn(x,y)qs(x,y)qs(n+1)(x,y)Lcm(qsn(x,y),qsβ(x,y)) gcd(qsn(x,y),qsβ(x,y))|x=X,y=X1

多項式の最大公約元と最小公倍元の性質2と性質3
及び最大公約数、最小公倍数の性質2を用いる。
α=qsβn(x,y)Lcm(qsn(x,y),qsβ(x,y))|x=X,y=X1qsβ(n+1)(x,y)qs(x,y)qs(n+1)(x,y)qs gcd(n,β)(x,y)|x=X,y=X1
γの定義と多項式の最大公約元と最小公倍元の性質4をqs(n+1)qs gcd(n,β)に用いる。
α=qsβn(x,y)Lcm(qsn(x,y),qsβ(x,y))|x=X,y=X1qsγ gcd(n,β)(n+1)(x,y)qs(x,y)Lcm(qs(n+1)(x,y),qs gcd(n,β)(x,y)) gcd(qs(n+1)(x,y),qs gcd(n,β)(x,y))|x=X,y=X1

多項式の最大公約元と最小公倍元の性質2と性質3
及び最大公約数、最小公倍数の性質2を用いる。
α=qsβn(x,y)Lcm(qsn(x,y),qsβ(x,y))|x=X,y=X1qsγ gcd(n,β)(n+1)(x,y)qs(x,y)Lcm(qs(n+1)(x,y),qs gcd(n,β)(x,y)) qsgcd(n+1,gcd(n,β))(x,y)|x=X,y=X1

gcd(n+1,gcd(n,β))=gcd(gcd(n+1,n),β)=1より
α=qsβn(x,y)Lcm(qsn(x,y),qsβ(x,y))|x=X,y=X1qsγ gcd(n,β)(n+1)(x,y)Lcm(qs(n+1)(x,y),qs gcd(n,β)(x,y) |x=X,y=X1

Lcmの性質により右辺は整数係数多項式に代数的整数を代入した数つまり代数的整数である。

証明完了!

のはず、間違え、ミス等ありましたら。コメントよろしくお願いします。

さらなる一般化への序章

証明の第2段階で使った性質 gcd(n+1,n)=1
HGを互いに素な正整数に一般化できる。

qtH(x,y)qtG(x,y)qt(x,y)|x=X,y=X1=Lcm(qtH(x,y),qtG(x,y))|x=X,y=X1

結びに代えて

長文を読んで頂き、ありがとうございました。

投稿日:2021131
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  6. 多項式の最大公約元と最小公倍元の定義と性質
  7. 第1段階
  8. 第2段階
  9. 証明完了!
  10. さらなる一般化への序章
  11. 結びに代えて