フェルマーの最終定理とフィボナッチ数とリュカ数を因数分解
フェルマーの最終定理を因数分解
いつものように と を基底の元とする斜交座標系を考えておりましたところ、ふと、こんなイメージが浮かびました。
において
( が偶数なら 、 が奇数なら )
( の偶奇に依らず )
( が偶数なら 、 が奇数なら )
( の偶奇に依らず )
すなわち
これらの式は、右辺をみますと から までの 個の因数の積に因数分解できることがわかります。
また、 の和が になるペア同士で複素共役となり、最終的に偏角が相殺されて全体としては実数になります。すなわち、右辺の各因数は絶対値をとったもの同士でも比率は合いますので全体としての値は変わりません。
ここで、右辺の をユークリッド距離で表しやすいように と を基底の元とする直交座標系上で考えてみましょう。
も用いて改めて書き直すと、
ちなみに、 ということで、 であることにご留意くださいませ。
関数は与えられる偏角が共役ペアのとき同じ値をとりますので、そのような組み合わせで2乗を作ればそこだけ根号を外すことができます。右辺が から までの 個の因数の積であることに注目し、共役つまり偏角の和がになるペアを探してみましょう。
偏角の和が になるペアが をとった時に同値となる共役ペアですが、 が奇数のときと偶数のときでは ~ の個数が異なりますのでペアを作れない組に違いが出てきそうですね。
(偶数) のとき
この場合、偏角の和が になる組が共役ペアですので、赤字のところ以外は同値同士で二乗を作れて根号を外せます。
(奇数) のとき
この場合、偏角の和が になる組が共役ペアですので、赤字のところ以外は同値同士で二乗を作れて根号を外せます。
ペアを作れない因数については二乗にならないので根号をつけたまま残すとしまして、 のとる範囲は で、 が偶数のときは で対称的になっていることから、全体としては次のようにまとめられます。
において
において
フェルマーの最終定理の因数分解 |
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において
において
において
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フィボナッチ数とリュカ数を因数分解
続いて、フィボナッチ数とリュカ数を因数分解してみます。
フィボナッチ数とリュカ数のなす数列は、
前回の記事
にて詳しく解説させていただきました通り、 の共役複素数解 を生成元としたときの第種ガラパゴ数列と第種ガラパゴ数列に一致します。
ここでは をムリヤリ複素数と「みなし」ているため、次にあげる実部と虚部も「みなし実部」と「みなし虚部」ということになりますが、この解釈できちんと正しい式が導出されますのでご安心(?)ください。
これを先程のフェルマーの最終定理の因数分解にあてはめてみましょう。
を代入して
において
において
以上により、フィボナッチ数とリュカ数は次のように因数分解可能です。
フィボナッチとリュカ数の因数分解 |
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において
において
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最後に
検証に協力くださったハーディ先生こと
nayuta_ito
さんに感謝いたします。