この記事では、なんで証明中の選択公理が目立つのかについて考えていきます。
ZFCの公理の一覧は この記事 にあります。
$X\subseteq Y$と$Y\subseteq X$を示すことを書けば「外延性公理」よりと書かなくても伝わる。
$\{x\in X \mid P(x)\}$などを書いただけで分出公理図式を使ったことになる。
$\bigcup X$や$X\cup Y$などを書いただけで和集合公理を使ったことになる。
$\{x,y\}$などを書いただけで対公理を使ったことになる。
$\mathcal P(X)$などを書いただけで冪集合公理を使ったことになる。
自然数全体$\mathbb N$などを書いただけで無限公理を使ったことになる。
たとえば$\forall x \in X\ \exists!y\ P(x,y)$となるときに$\{y\mid \exists x\in X\ P(x,y)\}$などと書いただけで置換公理図式を使ったことになる。
集合論、一般位相空間論以外はあまり使わない印象。
集合論以外はあまり使わない印象。
集合の存在はわかるけど一意性が言えるとは限らない。
一般の数学でもたまに使う。
外延性公理は部分集合を示すことを伝えればよく、基礎の公理、選択公理以外の公理はなにかしらの集合を定義して、定義した記号に公理の役割を丸投げすることがほとんどです。
さらに、置換公理図式や基礎の公理は普通の数学では出番が少ないです(使わないわけではない)。
一方、選択公理は、なにかしらの集合の存在はわかっても一意性が言えないため、和集合や冪集合のような定義した記号に公理の役割を丸投げすることができません。
結果的に、選択公理を使うときは「選択公理(と同値な命題)より」と書くしかないため、他の公理と比べて目立ってしまうと推測しています。