スピノルの基本事項
スピン幾何に必須のClifford代数を導入するために必要な擬直交群の基本事項をまとめます。
擬Euclid空間とはとその上の非退化で指数が型の対称形式によって定義される計量ベクトル空間のことです。正規直交基底で
となるものが取れます。
擬直交群とはの等長変換群が成す群です。
とくにまたはのことをLorentz群と呼びます。の表現行列もで表すとはを満たすのでとなります。また自然な同型が存在します。
よく知られた命題として次があります。
- は線形Lie群である。
- ならばはnon-compactである。
正規直交基底を取り、とします。に対して、が向きを保つとき、は時間的向きを保つといいます。この性質はの取り方によらないことが証明できます。の部分群について次の定義があります。
を特殊(special)擬直交群、を順時(orthochronous)擬直交群、を固有順時(theproper orthochronous)擬直交群という。
またを
と表示するとき、
と定義しても同値である。
またはの単位元を含む連結成分です。さらにのとき、となります。例えば、4次元Minkowski時空の物理で重要となるのがです。の基本群はです。