高校では三角関数は直角三角形の一方の鋭角
そして直角三角形と扇の面積比較(図1)による不等式
が導かれ、三角関数の解析的性質が考察されていく。
しかし円及びに扇の面積は積分によって計算され、積分を計算するためには三角関数の解析的性質がわからないといけないのでこれは循環論法となってしまう。というのは有名な話である。
そこでその矛盾を回避すべく現代数学は三角関数の定義を変えてしまおうという手を取った。幾何学的性質から解析的性質が得られないなら、解析的性質から幾何学的性質を得ればよいではないか、と。
本記事では三角関数の級数による定義からどうやって幾何学的な性質を導くのかを個人的に考察していく。
現代数学においては三角関数は
で定義される。これらは
同様に
特に
が成り立つので
を満たすことがわかる。
したがって媒介変数表示
によって表される曲線は単位円(の少なくとも一部)を描き、
なので
また任意の実数
なので、弧度法の定義より
ちなみに高校数学では厳密には示せなかった
が現代数学における三角関数だと
と簡単に示せてしまう。
高校における三角関数では
が厳密には示せないと言ったが実は頑張れば示すことができる。
その一例として円の面積は三角関数を使わないと求められないのに対し、球の体積は簡単な計算で求まることを利用した説明を考えてみた。
いま円
であり、
が成り立つ。
またバームクーヘン分割によって
とも計算できる。
よって
指数関数
という表示を持つので
となり、関数等式
また双曲線関数
と定義されるように、三角関数もオイラーの定理より
と定義されることもある。
この記事は
昔に私が書いたコラム的なもの
をテキトーに編集し直したものになります。
少し前に
Don@ld
さんが幾何学的な定義から解析的な性質を考察する記事(