この記事では, 2つの引数を複素数範囲まで拡張した二項係数
ちなみに, 結果の導出の仕方は参考文献と少し異なりますが, お話の展開の仕方はかなり似たものになっております.
複素数
これは
実は一般化された二項係数に対しても, 通常の二項係数に対して成り立つ性質と同様の性質が成り立ちます.
まず
ここで通常の二項係数
が成り立ちます.
これに対応する関係式として,
なる式が成り立つのです! 以下, これの証明をしていきます.
ここで, 少し感覚的な議論をしようと思います.
そこでFourier変換を考えてみます. これはFourier級数展開の連続バージョンでした. つまり,
従って
ベータ関数の積分を利用します. Wataruさんの「積分botを解けるだけ解く その1」の命題1と同様のことをします.
対数関数は
被積分関数は経路内で正則なので,
従って
示すことができました. ただし, これは途中でベータ関数の積分表示を経由しているので
上の式をFourier変換とみて, 逆変換します.
所望の式を得ることができました.
Vandermondeの畳み込み式
Fourier変換の畳み込み積の式を利用すれば, 2つの関数
とすることで,
を得ることができました. これを用いると
という面白い式も得られます.
上の式で適切な変数変換をすることで, 前回の記事 の後半2つの式を示すことができます.
今回はFourier変換を使いましたが, もしかしたらMellin変換だったりもっと見通しの良くなる方法があるのかもしれません. もしそうでしたら教えていただきたいです.
では, 最後まで読んで下さった方, ありがとうございました.