この記事では, 以下の問題の解答を書こうと思います. 正整数の集合をと書きます.
整数はを満たす. 集合から集合への全射の個数はに等しいことを示せ.
(解答)
に対しとなるの個数をとおきます. するとであり, 逆にこれを満たす正整数の組に対し, 全射がいくつか存在します.
これは具体的には, からの整数を個, 個, ..., 個, のグループに分ける場合の数を考えれば, このような全射は通りあり得ます.
従って求める個数は
と書けます.
ここで関数の(Maclaurin展開の)の係数をと書くことにすると, が成り立つことを利用します. 即ち, の式
を展開することを考えたとき, その次の項全ての係数の和は, 和がである正整数の組全てに対してを足し合わせたものに等しいのです!(に次の項はないことが効いてきます)
さらにこの値は, を全て同一視してとした式 のの係数に等しいので,
よって示すことができました. □
実はこれは, 私の過去の記事の主張を用いるととても簡潔に解くことができます.
(解答2)
求める全射の個数をとおきます(は固定する). 全射と限らないからへの写像は通りあることに注意します.
通りの写像をによって場合分けすると, なるは通りとれ, そのそれぞれに対しは全射だから通りとれます. 従って
が, 各に対して成立します.
これに
この記事
の主張でをと置き換えてから, , としたものを適用すれば,
よって示すことができました. □
読んでくださった方, ありがとうございました.