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多項式の総積を素数で割った余り

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先日Isoさんのツイートで面白い問題が紹介されていたので一般化してみました.( 元ツイはこちら )
まずは簡単な一般化から.

f(x)を整数係数多項式とすると整数の有限集合Sが存在して任意の素数pに対してi=0p1f(i)s(modp)となるsSが存在する.

これをさらに一般化するとこうなります.

Kを代数体,OKをその整数環,f(x)OK[x]を多項式とするとOKの有限部分集合Sが存在して任意の極大イデアルpに対してiOK/pf(i)s(modp)となるsSが存在する.

定理1は定理2の特殊な場合なので定理2を証明する.
後々ややこしくなるのを防ぐためfの最高次係数aもしくは2を割り切る極大イデアルに関する総積の値(この種類は有限である)はSに含めておき,以下p2aを割り切らないものとする.
iOK/pf(i)(modp)を簡単な形で書くことが目標である.k(p)=OK/pとすると,因数定理よりik(p)(it)=(1)#k(p)(t#k(p)t)=tt#k(p)がわかる.
f(x)Kにおける最小分解体をLとし,その整数環をOKとし,Lにおけるfの根を(重複を込めて)α1,...,αmとし,pを含む極大イデアルを一つ選びPとする.このときk(P)=OL/Pk(p)の有限次拡大であり,αi(最初の仮定より定義可能である)を用いてf(x)=ai=1m(xαi)と表される.よって
P(p)=ik(p)f(i)=j=1maik(p)(iαj)=amj=1m(αjαj#k(p))を得る.ここで,#k(p)乗する写像を言い換えることを考えるとこれはフロベニウス写像であるので,Gal(k(P)/k(p))の生成元である.(有限体の有限次拡大はガロア拡大である)また,同型DP/IPGal(k(P)/k(p))(DP,IPGal(L/K)は分解群,惰性群)がある事を思い出すと,(任意のpに対して)あるσGal(L/K)があってP(p)amj=1m(αjσ(αj))(modp)ここでamj=1m(αjσ(αj))K(ガロア群の作用で不変なので)の取り得る値はL/Kが有限次拡大であることから有限である.また,最小多項式を考えるとaαiOLであるためamj=1m(αjσ(αj))OKがわかる.従ってSにその値を全て追加したものを取れば条件を満たす有限集合となる.

爆速で書いたので不備などがありましたら教えください.

投稿日:202153
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