定理1は定理2の特殊な場合なので定理2を証明する.
後々ややこしくなるのを防ぐための最高次係数もしくはを割り切る極大イデアルに関する総積の値(この種類は有限である)はに含めておき,以下はを割り切らないものとする.
を簡単な形で書くことが目標である.とすると,因数定理よりがわかる.
のにおける最小分解体をとし,その整数環をとし,におけるの根を(重複を込めて)とし,を含む極大イデアルを一つ選びとする.このときはの有限次拡大であり,(最初の仮定より定義可能である)を用いてと表される.よって
を得る.ここで,乗する写像を言い換えることを考えるとこれはフロベニウス写像であるので,の生成元である.(有限体の有限次拡大はガロア拡大である)また,同型(は分解群,惰性群)がある事を思い出すと,(任意のに対して)あるがあってここで(ガロア群の作用で不変なので)の取り得る値はが有限次拡大であることから有限である.また,最小多項式を考えるとであるためがわかる.従ってにその値を全て追加したものを取れば条件を満たす有限集合となる.