行列表示
前提知識 : Fibonacci 数列, 二次正方行列の行列式, 対角行列の累乗, 二元一次不定方程式
Fibonacci 数列 :
https://mathlog.info/articles/191
行列表示
自明な等式
を度繰りかえし用いることによって,
の成立に帰結される.
行列表示の等式の両辺の行列式を比較すれば, 行列式の乗法性からこれらの等式が得られる.
尚, ここで用いた記号は整数が整数を割りきる整除関係を表し, は成立するものとして認める.
の場合は既に成立すると認めた. のとき, 行列の各成分をを法として見ると命題 1 からは対角行列に合同であり, 従ってその冪であるもまた対角行列と合同である. はとも書くことができるから, この行列の対角成分がと合同であるということはが成立するということである.
ここでは整数と整数の最大公約数を表し, はあらゆる整数を約数に持つとしてと定めるが, がである点には注意を要する.
とが互いに整除しあう関係に在ることを証明する. 先ず, がとの両方を割りきり従ってを割りきるということは, 先の命題 3 から明白な事である. 続いてと置くと, 一次不定方程式を充たす適当な整数を取ることができ, 行列の関係式において右辺が法によって対角行列と見なされることからも同一の法において対角行列に合同である. はとも書くことができるから, このときは法においてと合同になるはずである. 故に, とは互いを互いの倍数として持つ関係であり, 然も二つは正であるから等しいことが判る.
同様にして, 以下の命題も証明することが可能である.