この記事では, 過去の記事 で紹介した, ガンマ関数の入った積分の証明をしようと思います.
Mellin逆変換を用います. 即ち, 関数fのMellin変換をF(s)=(Mf)(s)=∫0∞f(t)ts−1dtと定めた時, その逆変換がf(t)=(M−1F)(t)=12πi∫c−i∞c+i∞F(s)t−sdsで表されることを用います. ただしRes=c上でFは正則であり, ∫c−i∞c+i∞とは, 直線Res=cを上向きに走る路に沿って積分することを表すものとします. (もちろんこれらの積分が収束することも必要です.)
これについては, ネット上にある このPDF などを読むと良いかもしれません.
これをf(t)=1(1+t)aに適用すると,F(s)=∫0∞ts−1(1+t)adt=B(s,a−s)=Γ(s)Γ(a−s)Γ(a)(ただし0<Res<Rea)より,1(1+t)a=12πiΓ(a)∫Res=cΓ(s)Γ(a−s)t−sds(ただし0<c<Rea)が成り立ちます.
ここで適当な変数変換をすることにより,
∫−∞∞Γ(a+ix)Γ(b−ix)ecxdx=2πΓ(a+b)eia−b2c(2cosc2)a+bfor0<Rea,Reb, |Rec|<π
を得ます.
最後の式で例えばa=b=n+1,c=0とすると,Γ(n+1+ix)Γ(n+1−ix)=(n+ix)⋯(1+ix)ixΓ(ix)⋅(n−ix)⋯(1−ix)Γ(1−ix)=ix(x2+1)⋯(x2+n2)⋅πsinπix=πx(x2+1)⋯(x2+n2)sinhπxですので,∫−∞∞x(x2+1)⋯(x2+n2)sinhπxdx=(2n+1)!22n+1を得ます.
読んでくださった方, ありがとうございました.
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