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Fibonacci 数の三乗和の簡易な計算法について

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三乗和 三乗和
前提知識 : Fibonacci 数 (漸化式による定義).

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Fibonacci 数の三乗の有限和1nFi3の計算方法 (一般項を使わないもの) を一つ思いついたので書きとめ. 既出であることも有りえますが, とても計算が簡易であると感じられたためここで共有しようと思います.

Cassini's Identity

Fn+1Fn1Fn2=(1)n.

(省略. 行列表示の記事でも解説しています)

Fn+13Fn3Fn13=3Fn+1FnFn1.

これは左辺のFn+1Fn+Fn1を代入して展開すれば得られる.

i=1i=n(1)iFi=(1)nFn11.

漸化式を繰りかえし代入したりすれば得られる.

三乗和

i=1i=nFi3=Fn+13+Fn33(1)nFn1+24.

計算に三本の恒等式
3Fn+1FnFn1=Fn+13Fn3Fn13,Fn+1FnFn1=Fn3+(1)nFn,4Fn+1FnFn1=Fn+13Fn13+(1)nFn(本日の主役)
を用いる. 先ず第三式を総和することで
4i=1i=nFi+1FiFi1=Fn+13+Fn3+(1)nFn12
Fi+1FiFi1の有限和を導出することができる. 第二式を用いてここからFi3を抽出すれば
i=1i=nFi3=i=1i=n(Fi+1FiFi1(1)iFi)=Fn+13+Fn3+(1)nFn124(1)nFn1+1
の総和の記号を含まない表示が得られ, これを整理すれば命題の式の形となる.

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追記 : もう一つ思いついたので書いておきます......

(本日の主役)から
4i=1i=nFi+1FiFi1=Fn+13+Fn3+(1)nFn12
の等式を導出しておくところまでは同様である. 漸化式によって確かめられる二本の恒等式
2Fn+1Fn2=Fn+2Fn+1FnFn+1FnFn1,2Fn1Fn2=Fn+1FnFn1+FnFn1Fn2
を用意し, 各等式において総和を取れば
2i=1i=nFi+1Fi2=Fn+2Fn+1Fn(=Fn+13(1)nFn+1),2i=1i=nFi1Fi2=Fn+13+2Fn3+Fn13+(1)nFn344
の二式が得られる. これらの差を計算して2で除すれば
i=1nFi3=4Fn+134(1)nFn+18Fn+13+2Fn3+Fn13+(1)nFn348=3Fn+132Fn3Fn13(1)n(4Fn+1+Fn3)+48=2Fn+13Fn3+3Fn3+3(1)nFn(1)n(4Fn+1+Fn3)+48=Fn+13+Fn33(1)nFn1+24
となって先程の式と合致する.

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追記 : もう一つの計算法についての新しい記事を投稿しました.
https://mathlog.info/articles/2538

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投稿日:2021813
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ゆう
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好きな整数は 0, 1, 1, φ, 2, 5, 6, 12, 89 など. || フィボナッチ数列 bot (@Aureus_N) 管理人. || hatena blog || indeterminate equations involving Fibonacci numbers || Disquisitiones Arithmeticae...

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