以下では$n\times n$実行列のみを考える。
対角成分が$a_1,\ldots ,a_n$の対角行列を$\mathrm{diag}(a _1,\ldots ,a _n)$と書く。つまり
$$\mathrm{diag}(a _1,\ldots ,a _n):=
\begin{bmatrix}
a_1 & & \huge{0}\\
&\ddots &\\
\huge{0}&& a _n
\end{bmatrix}$$
とする。
行列$A$の転置行列を$A^\top$と書く。
そして$A^\top=A$を満たすとき$A$は対称行列であるという。
また$A^\top =A^{-1}$を満たすとき$A$は直交行列であるという。
次は有名な定理。
$A$が対称行列なら、ある$\lambda_1,\ldots ,\lambda_n\in\mathbb{R}$とある直交行列$O$があり
$$
A=O^{-1}\mathrm{diag}(\lambda _1,\ldots ,\lambda _n)O
$$
と書ける。
ここで$E_1:=\mathrm{diag}(1,0,0,\ldots ,0),E_2:=\mathrm{diag}(0,1, 0,\ldots ,0),\ldots, E_n:=\mathrm{diag}(0,\ldots ,0,1)$と置き、$P_i:=O^{-1}E_iO$を考える。
対称行列$A$は上で与えたようにスペクトラル分解$A=\lambda _1P_1+\cdots +\lambda _n P_n$出来る。
スペクトラル分解については参考文献の通り。