この記事は
日曜数学 Advent Calendar 2021
の、
フィボナッチ数が連続して並ぶ
そんなわけで、私も
この記事ではその式の証明をしたいと思います。
(余談ですが、
日曜数学 Advent Calendar 2021
は申し込めば誰でも参加できるイベントで、空いてる日であれば何日の担当にするかは自由に選べる状態だったのですが、今回、
今回作ったのは次の式です。
フィボナッチ数と二重階乗を組み合わせています。
フィボナッチ数から円周率を作るの図
— apu (@apu_yokai) November 22, 2021
整数だけで構成しているのがチャームポイント
✨⭐️✨🤩✨⭐️✨
#FibonacciDay pic.twitter.com/1Y0z3mFeg4
この記事では
二重階乗とは、階乗の1つおきバージョンで、具体的には次のように計算します。
この記事では、
ポッホハマー記号とは、階乗に類似した演算で、次のように計算します。
具体例をあげると次のようになります。
ポッホハマー記号の定義には複数の流儀があるみたいですが、この記事では上記の定義で使います。
この記事では
逆数をとって
ここで一般二項定理
を使って被積分関数を無限級数にして項別積分すると
一般二項定理については、次の記事なども参考にしてみてください。
arcsinとその2乗のMaclaurin展開の証明
一般化二項定理とルートなどの近似
また、黄金比と三角関数の間に次のような関係があることを使います。
正五角形の辺の長さと対角線の長さの比が
辺と対角線の長さの比からこれらの三角比がわかる
黄金比とフィボナッチ数の次の関係も使います。
ビネの公式より
これで準備がすべて整いました!
上記の公式・補題を用いて冒頭の式を次のように変形していきます。
これで証明完了です!
円周率に収束することをご納得いただけましたでしょうか。
私はこれまで趣味でフィボナッチ数から円周率を作る式をいろいろ作ってきました。
過去の記事
フィボナッチ数から円周率を作る自作の式たち
実用的な意味は全くありません。
過去に作った式の中には今回の式と似ているものもありますが、実は、今回初めて、「整数とフィボナッチ数だけを使った(二重になっていない)無限級数で円周率に収束するもの」を作ることができました!
整数とフィボナッチ数のみを使って円周率に収束する無限級数を作ることは、私の中ではずっと課題として残っていたので、今回、この級数を作ることができたことにとても満足しています。
みなさんも、ぜひオリジナルの無限級数を作って遊んでみてください。