記号,分岐を次のように定める。
複素数の偏角
Hankel変換はFourier変換の一般化である。Fourier Transform(FT)をLie群構造として一般化するとLinear Canonical Transform(LCT)と呼ばれるMetaplectic群の表現となるのであった。僕はHankel変換を
つまり
証明の概略は以下の通りである。FrFTの微分演算子による表示を使って公式を作り出し、GHTの積分核をHankel変換したときの結果を導出するためにいくつかの公式を用意する。GHTの積分核のHankel変換の式からGHTの積構造の一部を導出して、パラメータの一部を極限で飛ばして退化させる(Lie群的には可解部分群に制限する)操作で一般のGHTの積構造を証明する。
証明は略。Wikipedia "Bessel function "に載っている。
証明はNKS君のpdfにあるので略
『超幾何級数I』定理4.1
とするとこれはLie代数
(いまからGHTのLie群構造を証明してからそのLie群のLie代数を求めようとしているのでGHTのなすLie群のLie代数と言うと論理的にまずいので予想とした。)
Kummerの
なので
とすれば確かに
の2行目において
となる。複素共役を取ると
なので
なお
定理の証明に取り掛かる。補題より
なのでGHTの逆変換の表示が求まった。単射な表現であるから単位元は恒等変換に限る。
さらに
であるから
演算子
で結合律
結合律から
を示したので証明を完了する。
符号に関するまとめをしておく。
このとき、上記の演算は結合律を満たす。
ただし
追記:
上記の規則を簡約化できたかもしれない(ランダム生成の行列による数値的検証しか行っていないが、より簡潔になった)
上の証明では、演算子の結合律を認めて、導き出された上記の符号規則も結合律を有することが示されている。しかし、上の規則から出発して、結合律を示す方法が分からない(どなたか御存知ですか?)
MATLABでランダム生成の1000万通りの行列に対して、上の規則を検証したが、結合律の破綻は見られなかった(0かどうかの場合分けが発生する以上、近似計算をしている)
岩澤分解によればLie群は可換部分,冪零部分,直交部分のLie環由来の部分群に一意的に分解することができる。
が成立するので
具体的には
としたとき、行列をQR分解することで
を導く。
前回のFrFTの結果を用いると
無限被覆に対応して
となり、すべての係数付きのGHT
で生成されるLie代数の表現は、Lie群
、とここまで書いたが、2022/2/19日、再考したところ一般化できそうな可能性が見えた。考察を続けたいところである。
具体例について考える。
"The Hankel Transform 9"
に記載されている具体例を紹介する。この文献では
と定義されている。今回の記法では
となっている。
文献ではこのようなテーブルが与えられている。
Table
しかし微分演算子表示で計算出来ているのは関数のクラスが制限されているので、有用な例は(2),(10)である。
LCTのときと同様、Weierstrass変換の一般化の部分から
が従う。
なので
これは先程の分解公式と具体例の計算で
つまり、級数と積分表示の2通りで具体例を求めたことになる。