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C型量子群のoscillator表現

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$$\newcommand{aa}[0]{\alpha} \newcommand{ad}[0]{\mathrm{ad}} \newcommand{bb}[0]{\beta} \newcommand{dd}[0]{\delta} \newcommand{DD}[0]{\Delta} \newcommand{ee}[0]{\epsilon} \newcommand{g}[0]{\mathfrak g} \newcommand{GG}[0]{\Gamma} \newcommand{gg}[0]{\gamma} \newcommand{hb}[0]{\hbar} \newcommand{K}[0]{\mathbb K} \newcommand{kk}[0]{\kappa} \newcommand{ll}[0]{\lambda} \newcommand{LL}[0]{\Lambda} \newcommand{oo}[0]{\omega} \newcommand{OO}[0]{\Omega} \newcommand{p}[0]{\partial} \newcommand{q}[1]{\left( #1 \right)} \newcommand{sgn}[0]{\mathrm{sgn}} \newcommand{SS}[0]{\sigma} \newcommand{tt}[0]{\theta} \newcommand{TT}[0]{\Theta} \newcommand{uu}[0]{\upsilon} \newcommand{V}[0]{\mathbb V} \newcommand{ve}[0]{\varepsilon} \newcommand{vp}[0]{\varphi} \newcommand{vt}[0]{\vartheta} $$

$C_n$型の量子群$U_q(sp(2n))$の表現の構成に関するメモ書きである。
oscillator表現という名前がついている。
記号や補題に関しては D型の記事 を参照してほしい
以下、$1< k\in \underline n$とする。

\begin{align} E_1=&\frac i{[2]}x_1^2\\ F_1=&\frac i{[2]}D_1^2\\ H_1=&\theta_1+\frac12\\ d_1=&2,K_1=q^{d_1H_1}\\ E_k=&x_{k}D_{k-1}\\ F_k=&x_{k-1}D_{k}\\ H_k=&\tt_k-\tt_{k-1}\\ d_k=&1,K_k=q^{d_kH_k} \end{align}

表現であることの証明
\begin{align} [E_1,F_1]&=([\tt_1+2][\tt_1+1]-[\tt_1][\tt_1-1])/[2]^2\\ &=[2\tt_1+1]/[2]\\ &=[H_1]_2 \end{align}
\begin{align} [E_k,F_k]&=([\tt_k][\tt_{k-1}+1]-[\tt_k+1][\tt_{k-1}])\\ &=[-\tt_{k-1}+\tt_k]\\ &=[H_k] \end{align}
よって$[E_l,F_m]=\dd_{lm}[H_m]_{d_m}$
Serre関係式
\begin{align} &E_1^2E_2-[2]_2E_1E_2E_1+E_2E_1^2\\ =&-\frac 1{[2]^2}x_1^3x_2([\tt_1+4]-[2]_2[\tt_1+2]+[\tt_1])\\ =&-\frac 1{[2]^3}x_1^3x_2([\tt_1+4][2]-[4][\tt_1+2]+[2][\tt_1])\\ =&-\frac 1{[2]^3}x_1^3x_2([\tt_1+4][2]-[\tt_1+4][2])\\ =&0 \end{align}
\begin{align} &F_1^2F_2-[2]_2F_1F_2F_1+F_2F_1^2\\ =&-\frac 1{[2]^2}D_1^3D_2([\tt_1-3]-[2]_2[\tt_1-1]+[\tt_1+1])\\ =&-\frac 1{[2]^3}x_1x_2([\tt_1-3][2]-[4][\tt_1-1]+[2][\tt_1+1])\\ =&-\frac 1{[2]^3}x_1x_2([\tt_1-3][2]-[\tt_1-3][2])\\ =&0 \end{align}
\begin{align} &E_2^3E_1-[3]E_2^2E_1E_2+[3]E_2E_1E_2^2-E_1E_2^3\\ =&\frac i{[2]}D_1x_2^3([\tt_1+2][\tt_1+1]-[3][\tt_1+1][\tt_1]+[3][\tt_1][\tt_1-1]-[\tt_1-1][\tt_1-2])\\ =&\frac i{[2]}D_1x_2^3(-[2][\tt_1+1][\tt_1-1]+[2][\tt_1+1][\tt_1-1])\\ =&0 \end{align}
\begin{align} &F_2^3F_1-[3]F_2^2F_1F_2+[3]F_2F_1F_2^2-F_1F_2^3\\ =&\frac i{[2]}x_1D_2^3(-[\tt_1+3][\tt_1+2]+[3][\tt_1+2][\tt_1+1]-[3][\tt_1+1][\tt_1]+[\tt_1][\tt_1-1])\\ =&\frac i{[2]}x_1D_2^3([2][\tt_1+2][\tt_1]-[2][\tt_1+2][\tt_1])\\ =&0 \end{align}
あとはA型の場合と同様である。

この表現のmodule algebraを考察したが、整合性を持つような積を構成することが出来なかった。というのも、$\Delta K_1=K_1\otimes K_1$だが、$H_1=\tt_1+1/2$$1/2$によって、多項式の次数が1/2だけずれてしまうからである。A,D型など$1$階微分演算子の表現に対しては構成できていたが、この表現が異質で、良い構成をつくることができなかった。
なお、$C_2$型のリー代数には1階の微分演算子の表現は存在し、
$E_1=x_1\p_2-x_3\p_4,~E_2=x_2\p_3$
$F_1=x_2\p_1-x_4\p_3,~F_2=x_3\p_2$
$H_1=\tt_1-\tt_2+\tt_3-\tt_4,~ H_2=\tt_2-\tt_3$
というふうになる。しかし、困ったことに、これの量子化を試みたが、ナイーブに微分を$q$微分に置き換えるも、$[E_2,F_2]=[H_2]_2,[E_2,F_1]=0$のはずだが、
$$\left[\frac1{x_3}[\tt_3],\frac1{x_3}[\tt_3]_2\right]\neq 0$$なので失敗する。まだまだ謎が多い。

投稿日:20231012
更新日:20231115
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赤げふ
赤げふ
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東工大情報B4 数学,理論物理,Minecraft計算機/微分演算子の記事を書きます/主に表現論,量子群,物理の数理に興味があります

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