$C_n$型の量子群$U_q(sp(2n))$の表現の構成に関するメモ書きである。
oscillator表現という名前がついている。
記号や補題に関しては
D型の記事
を参照してほしい
以下、$1< k\in \underline n$とする。
\begin{align} E_1=&\frac i{[2]}x_1^2\\ F_1=&\frac i{[2]}D_1^2\\ H_1=&\theta_1+\frac12\\ d_1=&2,K_1=q^{d_1H_1}\\ E_k=&x_{k}D_{k-1}\\ F_k=&x_{k-1}D_{k}\\ H_k=&\tt_k-\tt_{k-1}\\ d_k=&1,K_k=q^{d_kH_k} \end{align}
表現であることの証明
\begin{align}
[E_1,F_1]&=([\tt_1+2][\tt_1+1]-[\tt_1][\tt_1-1])/[2]^2\\
&=[2\tt_1+1]/[2]\\
&=[H_1]_2
\end{align}
\begin{align}
[E_k,F_k]&=([\tt_k][\tt_{k-1}+1]-[\tt_k+1][\tt_{k-1}])\\
&=[-\tt_{k-1}+\tt_k]\\
&=[H_k]
\end{align}
よって$[E_l,F_m]=\dd_{lm}[H_m]_{d_m}$
Serre関係式
\begin{align}
&E_1^2E_2-[2]_2E_1E_2E_1+E_2E_1^2\\
=&-\frac 1{[2]^2}x_1^3x_2([\tt_1+4]-[2]_2[\tt_1+2]+[\tt_1])\\
=&-\frac 1{[2]^3}x_1^3x_2([\tt_1+4][2]-[4][\tt_1+2]+[2][\tt_1])\\
=&-\frac 1{[2]^3}x_1^3x_2([\tt_1+4][2]-[\tt_1+4][2])\\
=&0
\end{align}
\begin{align}
&F_1^2F_2-[2]_2F_1F_2F_1+F_2F_1^2\\
=&-\frac 1{[2]^2}D_1^3D_2([\tt_1-3]-[2]_2[\tt_1-1]+[\tt_1+1])\\
=&-\frac 1{[2]^3}x_1x_2([\tt_1-3][2]-[4][\tt_1-1]+[2][\tt_1+1])\\
=&-\frac 1{[2]^3}x_1x_2([\tt_1-3][2]-[\tt_1-3][2])\\
=&0
\end{align}
\begin{align}
&E_2^3E_1-[3]E_2^2E_1E_2+[3]E_2E_1E_2^2-E_1E_2^3\\
=&\frac i{[2]}D_1x_2^3([\tt_1+2][\tt_1+1]-[3][\tt_1+1][\tt_1]+[3][\tt_1][\tt_1-1]-[\tt_1-1][\tt_1-2])\\
=&\frac i{[2]}D_1x_2^3(-[2][\tt_1+1][\tt_1-1]+[2][\tt_1+1][\tt_1-1])\\
=&0
\end{align}
\begin{align}
&F_2^3F_1-[3]F_2^2F_1F_2+[3]F_2F_1F_2^2-F_1F_2^3\\
=&\frac i{[2]}x_1D_2^3(-[\tt_1+3][\tt_1+2]+[3][\tt_1+2][\tt_1+1]-[3][\tt_1+1][\tt_1]+[\tt_1][\tt_1-1])\\
=&\frac i{[2]}x_1D_2^3([2][\tt_1+2][\tt_1]-[2][\tt_1+2][\tt_1])\\
=&0
\end{align}
あとはA型の場合と同様である。
この表現のmodule algebraを考察したが、整合性を持つような積を構成することが出来なかった。というのも、$\Delta K_1=K_1\otimes K_1$だが、$H_1=\tt_1+1/2$の$1/2$によって、多項式の次数が1/2だけずれてしまうからである。A,D型など$1$階微分演算子の表現に対しては構成できていたが、この表現が異質で、良い構成をつくることができなかった。
なお、$C_2$型のリー代数には1階の微分演算子の表現は存在し、
$E_1=x_1\p_2-x_3\p_4,~E_2=x_2\p_3$
$F_1=x_2\p_1-x_4\p_3,~F_2=x_3\p_2$
$H_1=\tt_1-\tt_2+\tt_3-\tt_4,~ H_2=\tt_2-\tt_3$
というふうになる。しかし、困ったことに、これの量子化を試みたが、ナイーブに微分を$q$微分に置き換えるも、$[E_2,F_2]=[H_2]_2,[E_2,F_1]=0$のはずだが、
$$\left[\frac1{x_3}[\tt_3],\frac1{x_3}[\tt_3]_2\right]\neq 0$$なので失敗する。まだまだ謎が多い。