この記事では グラフによる碁の表現 を前提としています。
かみ砕いていえば、盤上のすべての石が二眼しか地を持っていない状態のことを指している。窮極盤面において、いわゆるセキの形は存在してないことに注意されたい。
窮極盤面の例
窮極盤面における各空点を眼という。黒石に隣接している眼を黒の眼といい、それ全体の集合を
ある意味逆説的に眼を定義した。普通に使われる眼とは異なり、かなり狭い意味しか持たない。
窮極盤面において、各空点の隣接点は空点でなく、特に一色である。
したがって
以上より
さて、窮極盤面において着手しようとすると、自分から一眼になるようにしか打てないわけだが、そうすると相手にその一団が取られてしまう。取り跡に交互に打っていくことを考えれば、再び窮極盤面になったとき元の図よりも自分の石の数は減ることになる。そのため、窮極盤面に至ったら双方これ以上着手しないことが最善となるはずである。
着手列
まずは、着手列に着手する操作を定義する。
着手列
盤面に石を打つときには、打つ方に合わせて
囲碁のルールでよく問題となるのが死活である。グラフ碁を用いて死活問題について考えたい。
前提となるのが、窮極盤面が死活を考えるうえで基準となるということである。すなわち、ある盤面においてその石が活きるか死ぬかというのは、その盤面から着手を続けた結果、どのような窮極盤面に至るかを考えればよいということである。
死活を考える際、その盤面だけを考えればよいように思われるが、同一局面反復の観点から着手列について考える必要がある。
ここで、着手列
まず、窮極盤面においてはどの石も二眼活きの状態であるから、死活を考える必要がない。ここで帰結類は以下のように定める。ただし、
次に、窮極着手列の直前まで進んだ着手列、つまり
もし、
ここで、
したがって以下のような表が作れる。各項目がそれぞれの場合の
帰結類
では、窮極盤面に至るまで複数手以上かかる着手列を考えよう。先に結論を述べると、
帰結類
それぞれの場合について帰結類を考えれる。四隅は窮極着手列の直前まで進んだ着手列のときと同じように考えればよい。
この節では、純碁式の計算法とは異なる計算法で得点計算する。
中国式と銘打ったのは地石で計算するためであり、半数計算は利用しない。
正規着手列
一つ目の条件は、全ての点が最終的に黒白いづれになるか定まっているか、セキの状態にあれば終局できることを表している。これは直感的にもわかりやすいだろう。
二つ目の条件は、どんな時でも成り立っているように思うかもしれない。しかし、必ず成り立つとは言えない。具体例をあげて見ていこう。
図4は正規着手列
例えば抜き跡が図5のようになったとき、白の着手によりこうなるので、次は黒番である。そして、黒が適切に打てば
ところが、黒が次にどんな手を打っても、白が適切に対応すれば
以上から、
この議論は曖昧な部分を残している。実際には着手列を一手づつのばしながら計算する必要がある。
この盤面でこのまま終局してしまうと、
一見死に石に見えるが……
抜き跡に活き石が作れる
中国式可終局な着手列
まず、帰結類が
可終局であっても終局する必要はないことに気を付けよう。例えば、