今回はとある依頼を受けて次の定積分を計算したので,その結果を過程と共にここに記そうと思います(といっても,ただひたすら原始関数を求めて逐次積分するだけなので,斬新な発想とかはほとんどありません…).
次の定積分を計算せよ.
因みにこの定積分は,「1辺の長さが1の正方形平板2枚を間隔1で平行に置いたときの形態係数」という値を導出する際に表れます.本題からそれるので,ここで形態係数については説明しません.詳しくは Wikipedia 等を参照して頂きたいと思います.
早速計算を始めます.被積分関数の分母はどの変数についても複2次多項式なので,どれでも積分できますが,ここではとりあえず
コチラの記事
内にある複2次多項式の逆数の積分より,
となります.
一気に被積分関数がぐちゃぐちゃになりましたが,じっと眺めていると
と計算されます.後ろの2項は
コチラの記事
内の
と計算できます.従って,
が成り立ちます.被積分関数がちょっとスッキリして安心するポイントです.
次は
が成り立ちます.最後の積分は,
と計算されるので,与式を
となります.
最後に
と計算できます.これより,
も成り立ちます.残りの項については,
が成り立つので,
これが求める値です.そこそこキレイな値が得られました!
この結果を定理として挙げておきます.
次が成り立つ.
WolframAlphaで計算したところ,
でした.
上と全く同様の轍を踏むことで,次の定積分も計算できます.
実はこの値は,「1辺の長さが
初めてこの定積分を見たときは,閉じた値が求まりそうになかったので絶望しかけました.が,最終的に閉じた値が得られて良かったです.
今回の記事は以上です.
お読み頂きありがとうございました.